今日は、夕方から出光美術館の列品解説を聞きに行く予定だったのだが、3時から石原元都知事の記者会見があり、それが4時過ぎまでかかったので、行くのを中止にした。
石原元都知事の会見で、いろんな細かいことがわかるかと思ったら、結局よくわからなかった。
誰が移転を決定し、東京ガスとの売買で瑕疵担保責任のない契約を交わしたのか、都知事印を押したのは石原都知事ではないのか、都知事に責任はないのか、ということに話題が集中していたようだ。
都知事の意見を聞いていて、都知事の主張も一理あると思った。
東京ガスから土地を買ったこと、豊洲に移転を決めたこと、豊洲の除染を行い、市場を建築したこと、それらは、東京都、都庁・都議会・都知事等、複数の担当者が、長年かけて決定し進めてきたことである。だから、責任は都知事1人ではなく、複数の人々にある。
決定するに至っては、築地を改修することが困難であり、築地の現状がひどいために、移転が望ましいと判断した。
豊洲は、多額の費用をかけ、除染をし、建造した結果、今現在基準を超える化学物質等が地下水から検出されているが、科学者の判断によれば、人体や魚の安全性に影響を及ぼすものではない。
むしろ築地の環境は、そこで働く人々や魚にとっても劣悪である。冷暖房もなく不衛生であり、耐震構造でもなく、アスベストの問題もある。
であるから、今、せっかく作った豊洲に移転せず、先延ばしにしたり、中止したりするのは、よくない。
と、石原元都知事は言っていた。
確かに、今後築地市場はどうするのか?と考えると、このまま今の場所で続けていくのは限界であろう。そうしたら、新たに別の場所にこれから作ることもできないだろうし、これまで多額の費用をかけて建造した豊洲に移転するのが妥当なのではないだろうか。
安全基準値を上回るベンゼンやヒ素等が地下水から検出されているのは事実であろうが、それらが地上に出てきたり、揮発したりするなどして、市場に影響を及ぼすようなことがなければ、安全なのであろう。もし問題があれば、危険な状況にならないように対策を取ることも可能であるはずだ。
今後百条委員会が開かれて、過去のことについては検証されていく予定である。そのことも重要ではあるが、それとは別に、今後築地市場をどうするのか、いつまでも保留にしておくのは妥当ではないと思う。今の市場の現状や嵩む経費、安全性等を総合的に考慮して判断するべきだ。
「豊洲に早く移転すべき」「築地市場の人を生殺しにしている」という石原元都知事の意見は、一理あると思った。