神社の蚊の襲撃から道路にでてきたら、夫がまた不機嫌になり、さらに変な虫に腕をさされどんどん腫れてきているという。身体じゅうに毒が回るかもしれないそうだ。
そんなことは無かろうと思い、腕を見るが特段腫れているわけでもなさそうだ。
だが、夫は、どんどんひどくなってくる自覚症状が感じられるのだそうだ。
別に盛り上がってもいないし、もし腫れてひどくなってきたら、休日診療の病院を探すしかなかろう。
とにかく1時間も炎天下に立ってバスを待つわけにもいかないので、少しでも小手指方面に向かって歩いて行けば、それだけバスに乗る区間も短くなるし時間つぶしになるはずだ。
だが、これは確かにジジイには疲れることで、どんどん具合が悪くなりそうだというのだった。
来た時に間違えて戻った道をまた同じように歩き、T字の交差点のところまできた。
ここで、来た時にバスがどっちから走ってきたのかわからなくなってしまった。
堀之内のほうから小手指に向かうバスは、もう1時間近くは来ないことがわかっているが、もしかしたら別の路線のバスが走っているかもしれない。
・・・
すると、目の前に交番があるではないか。交番で道を聞けば良い。
道路を渡って交番に行くと、人けが無いかと思ったら中から2人のお巡りさんが出てきてくれた。
小手指の方に戻りたいが道はどっちなのか聞き、あるいは、どこ行きであろうと電車の駅に行けるバスがこの辺りに走っていないかと聞いてみた。
すると小手指への道は、その交差点では曲らずにまっすぐ行けば良いと教えてくれた。
他にバスは無いというが、私は最初に小手指駅から早稲田大学行きのバスが出ていて、それが堀之内の2つ手前まで行っているはずだったので、そこまで歩けば、そのバスの戻る路線に乗れるのではないかと思っていた。
だが、お巡りさんの話では、早稲田大学のバスはスクールバスなので途中でお客を乗せたりしないとのことであった。
なんだかよくわからないが、とにかく他のバスは期待できそうになく、小手指に向かって歩くしかなさそうだ。
歩いていると、飲食店があったりして、そこで休憩しようかとも思ったが、お腹が空いているわけでも喉が渇いているわけでもないのでそのまま歩くことにした。
その後右側に早稲田大学のキャンパスがあったので、そこに入っていったらバスに乗れるんだろうかと思ったがやめた。土曜日だし学校はないだろう。
そして、往きに通った芸術高校のところの交差点まで来た。
ここで往きの時には右折したので、帰りは左折する。
するとその先に屋根のある停留所が見えてきた。椅子もあるようだ。
そこに座ってバスを待つことにしよう。
すると、若い女の人が2人停留所に立っており、そのうちの一人は今来たばかりだった。
なんかもうすぐバスが来る気配を感じる。バス停の電光表示板を見ると間もなくバスが来るようなことが表示されているようだった。
「バスはいつ来るのかな」と夫が口にすると、若い女性の人が「もうすぐきますよ」と教えてくれた。
それは、堀之内のほうからではなく、別の路線の小手指行きのバスだったのである。
なんとグッドタイミング。ラッキーなことであろうか。
考えてみれば、この日は、困ったときに、お助け人が出現していることに気づいた。
堀之内停留所の自転車のおじさん、比良の丘の市役所の人、交番のお巡りさん、停留所のお姉さん等。
そうして、結局はうまく事が進んでいたのである。
それにしても、交番のお巡りさんはバスの路線のことはあまり詳しくないらしい。
まあ、バス会社の人でもないし、観光案内の人でもないので仕方がないのかもしれない。
とにかくそこに交番があったことは幸運で、道を教えてくれたのはありがたい。
そしてバスがあってよかった。
こうやってめでたく小手指に到着したのだった。
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