1962年
明大から広島に入った漆畑の近況はどうだろうか。シーズン当初は、一軍のベンチに入って、遠征にも参加していたが、いかんせん荒っぽいバッティングは一軍では通用せずファーム落ちとなっている。「一発の長打力は魅力あるが、何分にもまだまだ穴が多すぎる、もっとコンスタントに打てるようにならなければダメだ。守備の方も、まだまだ心もとない」これはコーチ陣の共通した意見で、大学時代の難点が、そのまま出ているようだ。腰高のフィールディングで、見ている者をハラハラさせたり、一発大きいのを打っても、次の打席ではむなしく三振をしたり・・・といった具合だ。漆畑本人は、「プロに入ったからには、早く第一線で活躍しようと誰もが思っていることでしょうが、ぼくはまだまだ自信がない。やれるという自信がつくまでは、じっくりファームで練習します。一軍のベンチに入っているとそれは緊張しますが、反対に練習時間が全然ないわけですよ。やはり、みっちり練習しようと思えば、ファームの方がいいですよ」と、悪びれた様子もなく、こう話していた。広島待望の大型内野手ということで、球団首脳部も、大いに期待してはいたものの、本人が、「自信がない」といえば、それまでのこと。漆畑の一軍登用も、来シーズンか、再来シーズンのこととなりそうだ。
明大から広島に入った漆畑の近況はどうだろうか。シーズン当初は、一軍のベンチに入って、遠征にも参加していたが、いかんせん荒っぽいバッティングは一軍では通用せずファーム落ちとなっている。「一発の長打力は魅力あるが、何分にもまだまだ穴が多すぎる、もっとコンスタントに打てるようにならなければダメだ。守備の方も、まだまだ心もとない」これはコーチ陣の共通した意見で、大学時代の難点が、そのまま出ているようだ。腰高のフィールディングで、見ている者をハラハラさせたり、一発大きいのを打っても、次の打席ではむなしく三振をしたり・・・といった具合だ。漆畑本人は、「プロに入ったからには、早く第一線で活躍しようと誰もが思っていることでしょうが、ぼくはまだまだ自信がない。やれるという自信がつくまでは、じっくりファームで練習します。一軍のベンチに入っているとそれは緊張しますが、反対に練習時間が全然ないわけですよ。やはり、みっちり練習しようと思えば、ファームの方がいいですよ」と、悪びれた様子もなく、こう話していた。広島待望の大型内野手ということで、球団首脳部も、大いに期待してはいたものの、本人が、「自信がない」といえば、それまでのこと。漆畑の一軍登用も、来シーズンか、再来シーズンのこととなりそうだ。