プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

漆畑勝久

2014-12-05 20:36:08 | 日記
1962年

明大から広島に入った漆畑の近況はどうだろうか。シーズン当初は、一軍のベンチに入って、遠征にも参加していたが、いかんせん荒っぽいバッティングは一軍では通用せずファーム落ちとなっている。「一発の長打力は魅力あるが、何分にもまだまだ穴が多すぎる、もっとコンスタントに打てるようにならなければダメだ。守備の方も、まだまだ心もとない」これはコーチ陣の共通した意見で、大学時代の難点が、そのまま出ているようだ。腰高のフィールディングで、見ている者をハラハラさせたり、一発大きいのを打っても、次の打席ではむなしく三振をしたり・・・といった具合だ。漆畑本人は、「プロに入ったからには、早く第一線で活躍しようと誰もが思っていることでしょうが、ぼくはまだまだ自信がない。やれるという自信がつくまでは、じっくりファームで練習します。一軍のベンチに入っているとそれは緊張しますが、反対に練習時間が全然ないわけですよ。やはり、みっちり練習しようと思えば、ファームの方がいいですよ」と、悪びれた様子もなく、こう話していた。広島待望の大型内野手ということで、球団首脳部も、大いに期待してはいたものの、本人が、「自信がない」といえば、それまでのこと。漆畑の一軍登用も、来シーズンか、再来シーズンのこととなりそうだ。
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原之後富則

2014-12-05 20:11:22 | 日記
1962年

原之後富則(はらのうしろとみのり)とまるで戦国時代の武将のような名前は、イースタン・リーグで目下売り出し中の国鉄スワローズの投手だ。このところ先発にリリーフにいそがしく活躍している。「あいつのボールはどこといって特徴はないが、何となく相手を押えている。別にピッチングがていねいということもないそれでいて好投するのは根性の投球をするからだ、つまり、まさかこんなコースには投げまいと打者が思っているところへズバリ投げ込むから、かえって逆の結果を上げることになる、根性のピッチングといえるでしょうね」という。それもそのはず、彼は鹿児島の生まれでお母さんの先祖は薩摩武士なのだそうだ。原之後は、「男として一度国を出てきたのですから、ダメだといって帰ることなんかできません。もし一軍へ行くチャンスがあったら二度とイースタンには戻ってこないようにしたい。要するに線香花火のような投手にはなりたくない。そのためにもイースタンでもみっちり技術をみがいていきたい。それにまだぼくは十九才なのですから焦ることはありません。入団するとき高い契約金の方も三年ぐらいはおいてくれるでしょう。ぼくには三年あれば十分です」と根性の投手らしいことをいう。林田コーチは、「性格がまじめであることが野球選手にとっては第一条件です。原之後にはその言葉がピッタリとあてはまる」と話している。原之後は酒、タバコはほとんど口にしないそうだ。進んで覚える気にもならないという。「技術的にも精神的な面でも、そんなことを考える暇はありません。それだったらピッチングのことでも考えていた方がいいですから」と、どこをさがしてもプロ野球選手としての欠点は見あたらない。一軍に上がってもこの気持ちをいつまでも持ちつづけてほしいものだ。
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小川博

2014-12-05 19:53:18 | 日記
1962年

東京六大学野球の首位打者という手土産をぶらさげて、今シーズン法大から阪急に入った小川、また大型内野手として、大きな期待をかけられ、明大から広島に入団した漆畑両選手が、とうとう鳴かず飛ばずのシーズンを送ってしまった。小川は長打力こそないものの、大学時代は実にシャープなバッティングと、花やかさこそないが、確実なプレーで、法大の四番打者もつとめた選手。体力がないので、「ノンプロの方がいいのではないか」という声を押しきって、「どうせ野球をやるなら、最高の技術を誇るプロ野球で、自分の力を試したい」と阪急に、その身を投じたのだった。現在はファームで練習に励み、基本からじっくり出直しているといった状態だ。「大学時代は、ぼくのような体でも、案外球も飛んだし、プロでも十分やれる自信は持っていたんですが、いざ、その中に入ってみると、つくづく力の差を感じました。しかし、小粒な人でも十分やっている人がいるんですから、ぼくもまだまだあきらめていません。もともと、ぼくみたいに体の小さい者は、はじめから第一線でやれるとは思っていませんでした。今シーズンはダメでも来シーズンを目標にして頑張ります」と、ファームの選手によく見られがちな暗い陰もない表情で淡々と、こう語ってくれたものだ。最近はとくにバッティング練習に力を入れ、大学時代から好調なときよく飛んだ左中間の打球が、いっそう鋭くなってきた。「守備には自信がありますからバッティングさえ自分のものをつかめば、大丈夫やれると思います」バルボンも打力が弱くて、阪急の二塁のポジションは手薄だ。来シーズンは小川の洗練されたフィールディングが阪急に見られるようになるだろう。
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