プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

流敏晴

2014-12-06 14:57:03 | 日記
1967年

ながれ(流)と読む。珍しい名前だ。一人に会うごとに読み方を聞かれるんです。めったにない変わった名前だから・・。」中央球界には無名の選手だが、九州ではなかなか知られている。三年のとき、春季九州大会県予選の対八幡戦で七回コールドゲームながら完全試合を達成、地元で話題になった。阪急はこれに目をつけ九州遠征のさい、西本監督が直接に流投手のピッチングを見てほれ込んだ。右のサイドスロー。足立のようなタイプと想像してもらえばいい。西本監督は「からだはそう大きくない(176㌢、70㌔)が、球速がある。サイドハンドといっても技巧派ではなく、力でグイグイ押す本格派。高校生としズバ抜けている」といっている。野球と本格的に取り組むようになったのは中学(思永)にはいってから。一年のときからサイドスローで投げていたというから、その投法が板についているのも当然だ。高校二年の秋にエースとなって以来の通算成績が20勝3敗。三つの敗戦のうち、もっとも残念だったのが四十年の秋、九州大会県予選北部大会決勝で小倉に0-1で敗れた一戦。「あれに勝っていたらセンバツに出られただろう。なにしろあまり打てないチームだったので・・・」まじめな性格で父親信夫さん(46)が酒を飲んでいると「お父さん、酒飲みはきらいだからやめてほしい」とたしなめるほど。それだけに信夫さんもプロ入りには「なんといってもふつうの社会と違ったところへ行かせるわけだから不安もありましたが、まじめに一生懸命やってくれるだろうと思いましたから、本人の意思を尊重しました」と反対は全然しなかったという。芝工大、亜細亜大学からも誘いがあったが「同じ野球をするならとことんまでやるべきだ」と思いプロ入りを決意。「僕は何でも中途半端になるのが一番嫌いなんです」という気持ちもプロ入りに拍車をかけたらしい。目標の選手とかライバルは目下のところないという。「僕自身がたいした選手でないのに大きなことをいっちゃあ・・。とにかく一生懸命やるだけです。監督さんや先輩のいわれることをよく守って・・・」と謙虚に語る。
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渋谷洋一

2014-12-06 13:33:25 | 日記
1967年

もっとも西本監督を喜ばせたのは渋谷のバッティングだ。ピッチングマシンのボールを打つのは初めてだそうだが、いきなり鋭いライナーをネットにたたきつけた。がっちりしたからだつき、うまいリストワーク、柔軟なバッティングに西本監督は目を奪われた。「驚いたな。こんな選手がドラフト会議でどのチームも入れないなんて・・・。渋谷のいいところはからだをうまく乗せることだ。そのために打球が鋭い。しかもそれがフライではなくライナーで、うんと伸びるのだから素質はじゅうぶん。まだ変化球を打ってないのでわからないが、うまくゆけば野村(南海)みたいな打者になるのではないか。丸尾さん(スカウト)の話では強肩だし、足もベース一周14秒という俊足。これは楽しみな選手がはいってくれた」めったにホメない西本監督だがこの日の練習では終始えがおがこぼれっぱなしだった。
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東山親雄

2014-12-06 12:58:07 | 日記
1966年

午後一時から第二回選択会議で交渉権をとっていた亜大・東山親雄捕手(22)=167㌢、75㌔=と正式契約、直ちに入団を発表した。同捕手は今秋の東都大学リーグ戦で初優勝した亜大の四番打者。今秋の打率は3割4分でベストテン10位、ベストナインに選ばれた。中距離バッターだが、在学中リーグ戦で2本、オープン戦を含めると15本の本塁打を放っている。入団発表が遅れたのは同捕手が四国電力に就職が内定していたためだが、このほど四国電力とも了解がついたもの。なお亜大からのプロ入りは同選手が初めて。

東山捕手の話 とにかくプロ野球にはいった以上、勝負の世界だから人に負けないよう一生懸命がんばりたい。
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押田令三

2014-12-06 12:21:42 | 日記
1962年

大毎の押田投手も成長株の一人だ。現在イースタンの投手成績10傑のトップにいる。一軍の投手が頼りにならないときだけに、公式戦に常時登板するのも案外早いかもしれない。本堂コーチは、「たしかにピッチングはていねいで球威もあるのですが、実績がないだけに一軍へ推薦するのはどうも・・・。いまのところ一軍の投手が、ガタガタなだけに出した方がいいかなと思うこともあるが、逆に考えるともう少し、イースタンにおいといた方がいいと思うんです。ことしの大毎投手は各チームの選手が絶対に打ち込めるのだと自信を持っている。そこへ押田のように経験不足の投手を出してごらんなさい。一軍の投手であれだけなのだから、二軍から上がってきたばかりの投手ならということで打ち込まれると思う。自信というのは実力以上のものを出しますからね。それにことしの大毎は優勝ということはもう無理ですし、来年にそなえて二軍の投手を育てるのも一つの考え方ではないでしょうか」と、来年の大毎はことしのようなわけにはいかないぞ、ということを本堂コーチはほのめかす。押田は、「一軍へ早く行くのにこしたことはないが、未完成のまま固まってしまうより、ぼくなどはまだ若いのだから、いろいろと教えてもらわなければならない。自分自身で研究しなければいけないことも多いし、一軍へ行って研究しましょうなどとのんきなことをいっていたら、一発を食らうのが関の山です」という。これが現代の若手投手の一致した意見なのかもしれない。宇野監督も二軍の投手の成長を首を長くして待っている。「いまのウチは、点をとっても落ち着いてはいられない。軽く逆転されてしまう。これを解決するには二軍の投手が成長してくれること、そうすれば一軍の投手はうかうかしてられないので必死にやりだす。ぼくの狙いはここなんですよ。それに近ごろ押田や辻野がよく投げているので、来年はきっといまのようなことはないと思う。ぼくたちは二軍の投手なんだという意識もなくなってきたようだから・・」と、宇野監督は負けが込んでいるわりに、意外と明るい表情でいるのは、来年への成算があるからだろう。
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谷野信次郎

2014-12-06 12:02:55 | 日記
1962年

ファームの中で一番見劣りするチームといわれているのは近鉄だが、その近鉄にも目を見張らせる選手もいる。四番バッター谷野三塁手がその一人で、彼のロング・ヒッターぶりは注目されている。谷野は、昨年期待されながら近畿大学から入団したのだったが、評判ほどの働きはしていなかった。しかし、沢藤二軍監督は、「昨年にくらべると、かなり打力は進歩している。まだうまみはないが、外角球を打てるようになったら、いい体をしているからしめたものだ」と、谷野に大きな期待をよせている。いままで、すでにホームラン9本を打って、ウエスタン・リーグのホームラン王で、二割七分前後をコンスタントに打ち、15打点をたたき出している。昨年よりは大きく進歩したことは否めない事実である。しかし、谷野は、「二軍戦では、ホームランを多く打っているけど、コーチの方からいつも注意されている外角球には、あまり自信がありません。早くこれをマスターしなければ、一軍入りなんてとうてい望めません。うちの三塁には小玉さんという名手が頑張っていますから、二軍で少し打ったからといっても話になりません。しかし、外角球の流し打ちを早くマスターして、代打でもいいから一軍入りしたいです」と、童顔をほころばせながら謙虚に語っている。ウエスタン・リーグも終わりに近づいたけども、谷野の欠点をちゃんと心得、コーチ陣の指導をすなおに聞いて、是正することに努めている。腕力のある選手だけに、バッティングを早くマスターしての活躍が楽しみである。とにかく二軍では、素質があるのだが、たった一つの大きな欠点を直せないで一軍に上がれない、という選手が多い。谷野は、外角球が打てれば一軍に上がれるのだが・・・。
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醍醐俊光

2014-12-06 11:42:26 | 日記
1962年

国鉄にもう一人まじめさと来年の活躍を期待されている投手がいる。今初早稲田実業から入った醍醐投手だ。この名前の人はいまのプロ野球に2人いる。大毎の醍醐捕手だ。この二人は兄弟なのだ。もちろん国鉄の醍醐投手のほうが弟。早実のときは兄さんと同じ捕手だったが、国鉄入団と同時に投手となった。開口一番、「兄さんはぼくのいいライバル。絶対に負けたくありません」という。なかなか気の強い選手だ。阿井コーチは、「来年はかならず一軍に入りますよ、それだけの力は持っていますから。でもときどき捕手のときの悪いクセが出て打たれるときがある。それは、バック・スウィングが小さくなって腕だけで投げるからだ。三回ぐらいまではもつが、後半になると疲れが出て球威が落ちる」というように、九月十二日、川崎球場での対大毎戦に八回島谷をリリーフしたが、九回中村に右前安打されたあと、二死から池辺に左越二塁打を打たれて1点をとられたときのピッチングは、腰を使わずに腕だけで投げていた。「二死をとったりすると気がゆるむのか、どうもピッチングが雑になる。こんなことではいけないのですが・・」という。佐竹コーチは、「醍醐は捕手から転向してまだ五か月しかたっていないのにこれだけやれるのだからりっぱだ。あとは配球を考えれば来年は一軍入りでしょう」と目をほそめた。兄さんの大毎・醍醐捕手は、「弟にいってやってください。いままでと違って職業なんだということを意識しろって」と励ましの言葉を送っている。
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東谷篤

2014-12-06 11:31:59 | 日記
1963年

大型選手の多いホークスの中で、ことしのキャンプからとみに注目されだしてきた選手がいる。それは東谷外野手である。東谷外野手は、大阪の名門浪商から入団した三年生。入団当時からその長打力は高く買われていたが、いままでは芽が出なかった。その東谷がいちじるしい進歩を見せたのは、ことしのキャンプだ。鶴岡監督をはじめ首脳陣も東谷にかける期待は大きい。「彼の場合は、長打力が大きな魅力だ。得意なコースにくればスタンドにぶち込む力を持っている」と鶴岡監督もいっている。この言葉でもわかるように、彼のよさは、そのバッティングにあるといえる。そして大型選手にありがちな、荒いバッティングも東谷の場合は、あまり感じられないし、シュアーな打力も持ち合わせているという。東谷自身も、「打力は、高校時代から自信があった。ぼくの欠点は、前から足が遅いことです。監督さんはじめ、コーチの人からもよく鈍足のことをいわれます」と話しているように、鈍足返上が飛躍へのカギを握っているようだ。東谷の今季の活躍に期待しよう。
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的場祐剛

2014-12-06 08:26:40 | 日記
1962年

そろそろストーブ・リーグのシーズンに入ろうとしている。高校大学、あるいはノンプロから、あすのスターを夢見て大量にプロの世界へとび込むことだろう。しかし、入ったものが全部スター扱いされるわけではない、尾崎のようになるのは何十人に一人だ。今シーズンのはじめ法政二高から柴田、是久、的場の三羽烏も大きな期待をかけられてプロ入りしたが、三人ともたいした活躍もしないうちに二軍落ち、その中でも大洋に入った的場は体は小さいが、実戦型のプレーヤーとして高く買われていた。三原監督は、「第二の高倉になる素質は十分持っている。すぐにでも公式戦に使う」といっていたが、公式戦も後半に入り首位阪神を追う大洋のメンバーの中に、的場の名前を見ることはできない。田丸前法政二高監督は、「大学の選手に的場のシュート打ちのうまさをみせてやりたい。プロでもあれだけ打てるのはそうざらにいないだろう」と、絶賛していたことがあった。それなのに、いまの的場はその期待を完全に裏切っている。「ぼくだって一生懸命やっているんです。それは確かにプロはスピードがすべての点で高校などとは問題になりません。ぼくもその点は十分考えていました。しかし体力がなんといっても違いますから、とくに夏場になるとこたえます、新入団選手はバッティングをするのは、みんなが打ち終わってからというのが多い。外野で二時間ぐらい立っていて、それから打つとなるとバテてしまって、バットが鋭く振れなくなったうえに、バッティング練習にはいるのですから、体力のないのがうらめしいですよ」と、多摩川のグラウンドから晴れ上がった空をみつめて、寂しそうに語る的場だ。だが的場は、プロの選手としてりっぱにやっていける根性は身につけているはずだ。大洋でトップを打っている近藤(昭)と体重、身長とも的場のほうがすぐれている。これからみてもバッティングのうまい的場ならやれるはず。保井コーチは、「高校を出たばかりの選手がすぐプロで通用するようではまた困ります。的場のバッティングは私たちからみててもうまいと思いますが、プロのスピードにまだなれていないといえるのではないか。いまそういうすべてのものになれるということが大切なんです」という。
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辻野欣也

2014-12-06 07:54:42 | 日記
1962年

身長は一・八八メートルと国鉄の金田投手より四センチ大きな投手が大毎の二軍にいる。辻野欣也投手だ。本堂コーチは、「来年は一軍で頑張ってもらわなければならない」と期待している。辻野もこの期待に応えるだけの成長をしている「ことしはもう終わりですけど、完投が一度しかなかったということが残念です。これというのも体力がないからでしょう」というように身長こそあるが、体重は75㌔と身長の割りに少ない。そのために五回までは見事なピッチングをしていたかと思うと、後半ガタガタと崩れてしまうことが多い。これは体重不足からくるスタミナの衰えからくるものだ。本人は、「体質的に太らないんだということを専門医から聞きました。でも全然太らないということではないんです。シーズン・オフになると一貫目ぐらいはふえるんですよ。胃が夏になると悪くなるのも原因しているんですが来年はこういうことに気をつけていきたいと思っています」と話している。技術的な面について、ある評論家は、「あれだけ大きな体をしているのを生かしきっていない感じがする。サイドスロー気味に投げるからだろう。あの手が上手から出るようになったら角度がついて、打者も打ちにくいと思うのだが・・・」と首をひねっている。このことについて本堂コーチは、「わたしもオーバースローから投げるように考えたこともあるしかし球威がまるでなく、制球力も乱れがちになる。だから自分が投げいいいまのフォームが一番いいのではないか」という。辻野は、「ぼくぐらいの背の高さになると、よほど腹筋でも強くなかったら低目にコントロールするのが難しい。それにいまのフォームだと非常にスムーズに投げられるので、別に変えようとは思ってない」ときっぱりいうように、かなりの自信を持っているようだ。宇野監督が「来年は若手をどんどん使わなければいけない。とくに投手はいいと思ったものから次々に使っていくようにしなければ、若手の投手が伸びる時期を逸してしまうこともある」と話しているように、辻野にとっては来年こそ一軍に登用されるチャンスだ。
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牧野宏

2014-12-06 07:53:33 | 日記
1962年

阪急の牧野投手が打者に転向して、現在ファームで再起を期している。牧野といえば、かつては法政大のエースとして鳴らしながら在学中に病に倒れた悲運の投手だった。その後、ノンプロ日石を経て昨年阪急に入団したが、ピッチャーとして鳴かず飛ばずの状態で精彩がなかった。そして今シーズンの中途から投手を断念、バッターとしてスタートを切ったわけである。牧野は「まだピッチャーへの未練はあるが、望みがないというものをいつまでやっていてもしょうがない。これからはバッターとして生きていくわけだが、学生時代からバッティングには、いささか自信があった。だがいまはどれくらいやれるかはほとんどわからない。無我夢中で頑張ります」と、新らたな決意を語っていた。この言葉でもわかるとおり牧野のバッティングは大学時代から定評があった。エース投手として打率も三割以上をマークしたことがある。九月二十日の南海戦でも太田の代打として起用され、ヒットこそ出なかったが、なかなか渋といバッティングを見せ、守備の方も一塁を無難にこなした。牧野は以前とくらべると太ったようで、この太りすぎが少し気にかかるが、打者としてはかえってプラスになるような気がする。
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金彦任重

2014-12-06 07:38:22 | 日記
1963年

南海の金彦は、ウエスタンですでに9勝をマークし、最多勝投手である。そして夜は一軍のベンチ入り、登板のチャンスが与えられるのを手ぐすね引いて待っている。彼はことしで南海に入団して八年目というオールドタイマーで、かつては一軍戦のマウンドでしばしば好投を見せたことがあった。だが、昨シーズンと不調で自信をなくしてずっとファーム落ちしていたがさすがにウエスタンではズバ抜けた力を発揮して、窪とともに南海のエース格となっていた。「金彦がウエスタンであれだけの活躍しても別に驚くことはない。ああいうピッチングを一軍でもしてくれたら非常に楽なんだが・・それからことしはウエスタンだけでなく、一軍の試合にもときおり登板しているが、どうしてもショート・リリーフが多いですね。でも一生懸命投げていますよ」と蔭山ヘッド・コーチも金彦をこのように話していた。このことについて金彦も、「ぼくももうチームでは大分古株になったので、頑張らないといけないのですが、二軍戦で活躍したからといって一軍ベンチに入っても、ぼくなどの登板のチャンスは限られています」と、いささか残念そうな表情で話していた。「でもいまのところ南海の二軍は強くてウエスタンで優勝の最短距離にあるんです。だからどうしても優勝したいですね。一軍は少し無理なようですが・・・」と南海のウエスタン・リーグ優勝のために頑張ると金彦の決意は固い。来シーズンこそは金彦の元気な姿が公式戦に見られることだろう。
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