金田星雄

1961年

さきに国鉄を引退した金田正一投手の実弟星雄はその後キング・レコードに入社。歌手として第二の人生のスタートを切ったが、その第一回の作品、初恋岬の吹き込みも終わり、三月中旬には、発売されることになった。この星雄歌手誕生でだれよりも張り切っているのが兄金田正一投手。「スポーツ界と同じように芸能界も実力のないものは必ず脱落する。一に勉強、二に勉強しなくてはいけない」といつも星雄クンを励ましている。愛妻美佐江さんが元第一線級の歌手だっただけに、一度は弟にもその夢をかなえさせてやりたいと思っているのだろう。金田正一投手は口ばかりでない。弟星雄歌手売り出しのためのラジオ放送はもちろんのこと宣伝用のスチール写真にまで出演している。ところで星雄クンの歌手としての素質は？というとこれは野球以上に有望？というから恐れいってしまう。かつて国鉄で師弟の関係にあった宇野大毎監督は、「星雄の歌はうまいぜ。二、三年前から歌手になれば・・・という話があったほどだ。ワシは歌手として成功すると思う。カネヤン（金田正）もいままで自分のために弟が球団に世話になっていると考えていたろうから、星雄が歌手で成功すれば、一石二鳥やないか」と語っていた。