1990年
二宮はプロ入りして、早や6年目。年々、いや日ごろに一軍への距離が近くなっている。それほどまでに安定したピッチングを、ファームでは続けているのだ。身長は180㌢と近頃の若者にしたら特別大きいともいえないが、77㌔のウエートに加え、胸囲が105㌢というガッシリとした身体。そこから投げ込む球は、その重さで相手打者のバットを真っ二つに祈ることもしばしばである。ストレートのスピードは134~137㌔ぐらい。それを内外角にうまくコントロールしている。変化球の方はカーブ、スライダーにシュートがある。武器は外角いっぱいに決まるスライダーで、目下、ファームでは向かうところ敵なしの状態だ。「二宮がマウンドにいると、ベンチでゆっくりと見ていられる。ウチのファームのエースや」福本二軍監督は全幅の信頼をよせているようだ。だが、ここまでの話は、あくまでウエスタン・リーグでのこと。これが一軍に上がってどうかというと「?」がついてしまう。一軍で通用するには、まずストレートにあと4、5㌔のスピードアップにあと4、5㌔のスピードアップをはかること、そしてウイニングショットのスライダーに磨きをかけることだ。いまのままのスライダーなら一軍の巧打者、強打者たちは楽にはじき返してしまう。それともう一つ。落ちる球をマスターすることだ。これができると、ピッチングに幅ができて、いうことなし。一軍でも通用する投手になれると思う。そのあたりは本人もよくわかっていて「今、研究中なんです」という。おそらくフォークボールやSFFボールに取り組み、試行錯誤をくり返しながら悩んでいることだろう。ただ、落ちる球を投げ過ぎて、ヒジや手首に影響が出ないかと心配するあまり、ふんぎりがもうひとつつかないのが実情らしい。しかしそれを自分のものにすることだと心得て頑張ってもらいたい。昨年、一昨年と一軍でのマウンドを6試合経験している。これは大変貴重なことで、二宮のそれから後のピッチングに、大きな影響を及ぼしているのは間違いない。「バットスイングの速さとか、狙い球の読みとかは、さすが一軍です。ファームにはないものを感じました」今春のキャンプも、初めから沖縄・糸満の一軍組に参加していた。これからは、フォームに何かアクセントをつけるから、変化球の切れをプラスするとかして、打者にイヤがられるものを持つこと、とりあえずは、一軍の中継ぎを目指して頑張ってほしい。
二宮はプロ入りして、早や6年目。年々、いや日ごろに一軍への距離が近くなっている。それほどまでに安定したピッチングを、ファームでは続けているのだ。身長は180㌢と近頃の若者にしたら特別大きいともいえないが、77㌔のウエートに加え、胸囲が105㌢というガッシリとした身体。そこから投げ込む球は、その重さで相手打者のバットを真っ二つに祈ることもしばしばである。ストレートのスピードは134~137㌔ぐらい。それを内外角にうまくコントロールしている。変化球の方はカーブ、スライダーにシュートがある。武器は外角いっぱいに決まるスライダーで、目下、ファームでは向かうところ敵なしの状態だ。「二宮がマウンドにいると、ベンチでゆっくりと見ていられる。ウチのファームのエースや」福本二軍監督は全幅の信頼をよせているようだ。だが、ここまでの話は、あくまでウエスタン・リーグでのこと。これが一軍に上がってどうかというと「?」がついてしまう。一軍で通用するには、まずストレートにあと4、5㌔のスピードアップにあと4、5㌔のスピードアップをはかること、そしてウイニングショットのスライダーに磨きをかけることだ。いまのままのスライダーなら一軍の巧打者、強打者たちは楽にはじき返してしまう。それともう一つ。落ちる球をマスターすることだ。これができると、ピッチングに幅ができて、いうことなし。一軍でも通用する投手になれると思う。そのあたりは本人もよくわかっていて「今、研究中なんです」という。おそらくフォークボールやSFFボールに取り組み、試行錯誤をくり返しながら悩んでいることだろう。ただ、落ちる球を投げ過ぎて、ヒジや手首に影響が出ないかと心配するあまり、ふんぎりがもうひとつつかないのが実情らしい。しかしそれを自分のものにすることだと心得て頑張ってもらいたい。昨年、一昨年と一軍でのマウンドを6試合経験している。これは大変貴重なことで、二宮のそれから後のピッチングに、大きな影響を及ぼしているのは間違いない。「バットスイングの速さとか、狙い球の読みとかは、さすが一軍です。ファームにはないものを感じました」今春のキャンプも、初めから沖縄・糸満の一軍組に参加していた。これからは、フォームに何かアクセントをつけるから、変化球の切れをプラスするとかして、打者にイヤがられるものを持つこと、とりあえずは、一軍の中継ぎを目指して頑張ってほしい。