1996年
金森は今シーズン、23試合に投げて11勝4敗。近鉄の香田とともにリーグの最多勝投手となった。防御率3.57。投手10傑の9位である。立命大からドラフト1位で入団した昨年の成績は、14試合に投げて2勝4敗。4.35の防御率だったのだから、今シーズンの勝ち星は5倍強。もっとも昨年は故障続出で出遅れたこともあるが、ピッチングを見て感じたことは今シーズンは球のキレがずいぶんと鋭くなったことである。彼は立命大時代、日米大学野球で2勝しただけあって球威はあるものの、ピッチング自体は粗かった。1年目の昨年もそれが表面に出ていたが、今シーズンは粗さがとれて、まとまってきた。ということは制球力がついてきたことになるのだが、気になるのは、まだ甘い球がずいぶんと多い点である。それを裏付けるのが投球回数103回2/3で被安打が100という数字だ。この数字に与四球68をプラスすると金森自身が出した走者数は168人。投球回数をはるかに上回る数字で、毎回走者を背負って投げた勘定になる。これは金森にとってきついことであり、守っている者はもちろんのことベンチのコーチにもプレッシャーがかかる。昨年に比べると、まとまりのあるピッチングができるようになったとはいえ、コーチから見れば、まだまだ不安ということになる。体力アップも課題の一つである。体力をつければ、フォームの乱れも少なくなって制球力が増し甘い球も減ってくるからだ。そうなれば、3年目の来シーズンは開幕一軍が実現するだろう。金森らとともにファームにいた野口はノーヒットノーランという離れ業をやってのけた。これらは金森にとって大変な刺激、興奮剤になっているはずである。リーグ投手10傑のうち、若手は少ない。中日でも金森しか入っていない。それだけに彼がマークした11勝は3年目への自信にもなっただろう。半面、先にも述べたような反省すべき点、矯正すべきこともまた多かった。だが、これを克服していけるだけのものを持っている金森だけに、これからが大切だ。中日のファーム投手陣で、今後が大いに期待できる金森。来シーズン、一層成長した彼を見るのを楽しみにしているのである。
金森は今シーズン、23試合に投げて11勝4敗。近鉄の香田とともにリーグの最多勝投手となった。防御率3.57。投手10傑の9位である。立命大からドラフト1位で入団した昨年の成績は、14試合に投げて2勝4敗。4.35の防御率だったのだから、今シーズンの勝ち星は5倍強。もっとも昨年は故障続出で出遅れたこともあるが、ピッチングを見て感じたことは今シーズンは球のキレがずいぶんと鋭くなったことである。彼は立命大時代、日米大学野球で2勝しただけあって球威はあるものの、ピッチング自体は粗かった。1年目の昨年もそれが表面に出ていたが、今シーズンは粗さがとれて、まとまってきた。ということは制球力がついてきたことになるのだが、気になるのは、まだ甘い球がずいぶんと多い点である。それを裏付けるのが投球回数103回2/3で被安打が100という数字だ。この数字に与四球68をプラスすると金森自身が出した走者数は168人。投球回数をはるかに上回る数字で、毎回走者を背負って投げた勘定になる。これは金森にとってきついことであり、守っている者はもちろんのことベンチのコーチにもプレッシャーがかかる。昨年に比べると、まとまりのあるピッチングができるようになったとはいえ、コーチから見れば、まだまだ不安ということになる。体力アップも課題の一つである。体力をつければ、フォームの乱れも少なくなって制球力が増し甘い球も減ってくるからだ。そうなれば、3年目の来シーズンは開幕一軍が実現するだろう。金森らとともにファームにいた野口はノーヒットノーランという離れ業をやってのけた。これらは金森にとって大変な刺激、興奮剤になっているはずである。リーグ投手10傑のうち、若手は少ない。中日でも金森しか入っていない。それだけに彼がマークした11勝は3年目への自信にもなっただろう。半面、先にも述べたような反省すべき点、矯正すべきこともまた多かった。だが、これを克服していけるだけのものを持っている金森だけに、これからが大切だ。中日のファーム投手陣で、今後が大いに期待できる金森。来シーズン、一層成長した彼を見るのを楽しみにしているのである。