1989年
「栗山、笘篠、池山、パリッシュ、広沢、荒井・・・・(あえてここから先はいわない)これはどう考えてもAクラスだ」ズラズラっと名前を挙げてニンマリしているヤクルトファンもおられることでしょう。確かにこの攻撃力はAクラスのそれ。あとは投手陣がそろえば、8年続いた涙のBクラスにもめでたく終止符が打てることになる。そこで、先発の頭数を数えてみたが、尾花、高野はいいけど、そのあとが宮本、中本、それからエート・・・、と、やっぱりちょっと心もとない。でもでも、ここに昨年最多勝の伊東が加われば…、というのが、ファンと、そして関根監督の皮算用なのである。その皮算用が現実の物になるかどうかのカギを握る男、抑えに予定されている新外人・アイケルバーガーが25日のロッテ戦(神宮)で初登板した。一死を取ったあと四球を連発し、「またギブソン病のピッチャーか?」と関根監督をヒヤリとさせたが、球を低めに集めて後続を打ちとり、1イニングを切りぬけた。左ヒザが早く開いたあと、腕が遅く出てくる感じで、タマの出所が見にくいのが武器かなというフォーム。来日4日目ということで、ほとんどストレートだけのピッチングに終始、変化球投手としての本性は見せずじまいだったが「打ちにくくもないし、球速もそれほどではないね」と高沢がいうように、調整不足を差し引いても、迫力はイマイチ。本格的な値踏みは次の機会だろうが、とりあえずこいつが出てきちゃもうダメだと相手に思わせる切り札でないことだけはバレてしまったようだ。