2008年
球種はスライダー、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム。打たせて取る中継ぎタイプ。陽気な性格で2軍を盛り上げている。
球種はスライダー、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム。打たせて取る中継ぎタイプ。陽気な性格で2軍を盛り上げている。
紅白戦終了後に、特別1イニングを設定して行われたオヘイダ投手の公開入団テストは、常識もルールも無視。若虎打者相手に、客席の虎党も仰天の怪投だった。まず投球フォームは、軽く振りかぶった後に、下半身を使わず腕だけで投げる。いわゆる手投げだが…。なぜか指揮官はうれしそうだ。「我流いうか、あの投げ方で143か144キロ出とったわ。持ってる運動能力が違うんやな」テスト投球は、1番手打者・田中をカウント2-1からバットをへし折って、三ゴロに。2番手・大城も打席途中でバットを折られた。「まともな直球はほとんど投げんと、ボールを動かしとった。バットの根元とか先っぽで当てて折られとった」意外に器用な一面もあるらしい。制球は、さすがに安定せず、結局大城にはファウルで粘られ四球。だが3番手・大和も粘ったが、今度は外角141キロで二ゴロに仕留めた。さらなる仰天技も飛び出した。続いてセットポジションを命じられると、オヘイダは右足をプレートに乗せ、左足を後方に伸ばす、打者でいうオープンスタンスの奇妙な構えをとったのだ。「(米国マイナー)2Aで試合やっとったんやろ?誰でも盗塁できるで」さすがの指揮官も、これには大笑いだ。そのまま全く制止せずに投球。「審判が(テストだから)言わんかったけど全部ボークと言うとったわ(笑)」とにもかくにもテスト投球は、1回を打者5人で、1安打1四球無失点に抑えた。指揮官は続ける。「これを1年、日本で教えたったらどうなるかや。これまでになかったケースや」オヘイダ、バルディリスともに母国に家族を残し単身赴任で、虎風荘に入る予定だが、さてさて岡田監督の秘密作戦ー。脅威の怪物を生み出すのか、それとも?
オヘイダはこの日を見た限りでは、目を引いた球は一つもなかった。すべての球が動く、いわゆるムービングボールを投げているということだが、今後育成していく上でぜひとも注意してもらいたいことがある。日本でやる場合はムービングボールではなく、スライダーなり、チェンジアップなり、きちんとした球種を身につけさせてほしいのだ。今まで何人も動く球が武器の外国人投手を見てきたが、総じて制球力が悪かった。どっちに曲がるか投げてみなければ分からない球しかない投手のままでは、日本で化ける可能性は極めて少ない。
初の対外試合登板となったオヘイダは、七回の1イニングを無安打無失点投球。打者3人にツーシームを多投し、すべて内野ゴロに仕留めてみせた。星野2軍投手コーチは「あれが動くボールの強み。バットのシンから、微妙にズレる」と絶賛する内容だった。「きょうはツーシームのコントロールがテーマだったんだ。ちゃんと決まってくれたから、よかったんじゃないかな」先頭の中村を一ゴロに仕留めると、続く金子を二ゴロに。最後は小斉を遊ゴロに仕留めて3人斬りだ。決め球はすべて、速球が動くツーシーム。課題のセットを試す機会はなかったが、次回登板も4、5日の広島戦(由宇)に決まった。平田2軍監督は「面白い。日本の野球をうまく吸収しているよ」と改めて潜在能力の高さを認めた。