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リベラ(広島)

2024-12-20 13:00:28 | 日記
1994年
広島は15日、ドミニカ共和国カープアカデミーから参加しているカルロス・リベラ・ヌーニェス投手(23)=185㌢、85㌔、右投げ右打ち=と選手契約を結び、支配下選手登録した。年棒四百万円(推定)背番号109。リベラは十三日に行われた紅白戦(沖縄)で2回を1安打に抑えるなど成長ぶりが認められた。「うれしい。ドミニカの家族にこのニュースを知らせたい」とリベラは喜んでいた。


ドミニカ野球学校出身のリベラが好投した。140㌔台のスライダーを武器に、2回を打者六人で片付けたほか、鋭いけん制で走者を刺すなど器用さも披露した。一度目のテストでも2回を無失点。「どんどん試してみたい。オープン戦で投げる機会もあるでしょう」と三村監督の評価も高まっている。支配下選手登録も済ませ、今後の結果次第では一軍入りも夢ではない。「1球1球に集中して投げたい。上(1軍)でやっていく自信はある」とリベラは希望に胸を膨らませている。


185㌢、85㌔の二十三歳。昨秋の初来日以来、長身から投げ下ろす140㌔台の速球と切れの鋭いスライダーで絶えず注目され、その評価を上げ続けてきた。二月十四日の紅白戦で2回を1安打無失点と好投し、五日には支配下登録された。「目的に向かってやってきたから、ここまでこられた」とリベラ。目的とはもちろん一軍入りだ。三村監督も「球に角度があるし、長い腕が遅れて出てくるので打者にとっては見にくい。試してみる楽しみが増えたよ」と評価している。認められているのは実力だけではない。「つらいとか、痛いとかいった弱音は絶対に口にしない」と上之通訳。まじめさに裏打ちされたハングリー精神もリベラの魅力の一つだ。カリフォルニア・エンジェルスのルーキーリーグに在籍していた三年前、4勝1敗と好成績を残しながら、突然の解雇。「ユニホームを着ている者はみんな敵。追いつくのではなく、追い越さなければ自分の名前はなくなる」一つの挫折が、強い精神力となり、今のリベラを支えている。パ・リーグの覇者・西武にも動じるところはない。「清原はいい打者。でも勝たないといけないし自信もある」ここまで順調に上り続けてきた階段。六日の結果によっては「六人目の先発」という次なるステップも見えてくる。


ドミニカ出身のリベラが初先発した。試合前、リベラはこわばった顔でベンチに座っていた。ひと目でひどく緊張しているのが分かった。「最初は緊張した」と言うがそんなものではない。通訳がちょっと漏らした「手が震えたらしい」というのが真相だろう。先頭打者苫篠への初球はストライク。広島ベンチからリベラ応援の大歓声。良かったのはこの瞬間まで。ボール球が続き、苫篠を歩かせるとストライクを取りにいく球を佐々木、パグリアルーロに連打された。併殺をあせった味方内野の失策。垣内の適時打で3失点。それでも二回からは立直った。二回、先頭打者宮地を投ゴロにとると、思わず出たガッツポーズにリベラがこの試合にかけていた意気込みがのぞいていた。三回には清原を「ボールになるスライダー」で空振りの三振にとった。「初回は直球を打たれた。二回から制球も良くなった。自分としては80%の力が出せたと思う。一軍に残れるよう頑張る」わずか3イニング、52球で結論を出すのは早計。しかし、ひょっとして意外な戦力になる可能性も十分に見せた初マウンドだった。


この日、出場選手登録されたばかりのリベラが初登板した。広島がドミニカ共和国に作った野球アカデミー出身の選手としては公式戦出場第一号。「緊張せず、リラックスして投げられた」とは言うものの、制球がもう一つ。二回に2点を失い、三回、先頭のオマリーに四球を与えて降板した。結局、打者十三人に被安打3、三振1、四球3の失点3、自責点2。記念すべきマウンドはわずか53球で、「もう少し投げたかった。残念です。次のチャンスを生かしたい」ほろ苦いデビューとなったが、初打席では打点を記録、プロとして一歩を踏み出したその表情は明るかった。


四か月ぶり、公式戦の二度目の先発マウンドを踏んだリベラは「先頭打者を四回も出塁させたしまった。もっと練習をしなくてはいけない」と口からは反省の言葉ばかり。「少し緊張していた」という初回はピンチを併殺で逃れ無失点。しかし逆に、「リラックスして投げられた」という二回以降につかまり、5回、4失点で降板。「もっと球種を覚えたい。マウンド上で自信をもって投げられるように頑張ります」と落胆した様子はなかった。

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