大きな犬が駆けてくる
足どりは若くはないが
それでもたったっと駆けて
尾を揺らしくるくると廻り
そばにすり寄って横たわった
黒い毛の わたしの
ベイビーと呼んだわたしの
わたしの わたしの
幻灯のなかの犬
もう抱きしめられないことに
気づいたとき
愛の量が足りなくて
わたしの という過信
愛している という過信
与えられた分を返すことなど
できないものを
くるくると廻りそばにいる
君とのすき間が確かにあって
それはヒトと犬という差ではなく
愛の量
君がわたしを見ていたように
わたしは君を感じていたか
そこにいるという過信
眠れぬ夜に現れた幻
君が去った雪の日を想う
足どりは若くはないが
それでもたったっと駆けて
尾を揺らしくるくると廻り
そばにすり寄って横たわった
黒い毛の わたしの
ベイビーと呼んだわたしの
わたしの わたしの
幻灯のなかの犬
もう抱きしめられないことに
気づいたとき
愛の量が足りなくて
わたしの という過信
愛している という過信
与えられた分を返すことなど
できないものを
くるくると廻りそばにいる
君とのすき間が確かにあって
それはヒトと犬という差ではなく
愛の量
君がわたしを見ていたように
わたしは君を感じていたか
そこにいるという過信
眠れぬ夜に現れた幻
君が去った雪の日を想う