嘉麻市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例について
=====【引用ここから】=====
嘉麻市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例(案)
嘉麻市役所の位置を定める条例(平成18年嘉麻市条例第1号)の一部を次のように改正する。
本則中「嘉麻市上臼井446番地1」を「嘉麻市岩崎1180番地1」に改める。
附 則
この条例は、規則で定める日から施行する。
=====【引用ここまで】=====
シンプルな条文だが、これがとんでもない事態を引き起こすことになった。
○話題:市役所住所に庁舎なし- 毎日jp(毎日新聞)2012年12月19日
=====【引用ここから】=====
福岡県嘉麻市議会が18日、市役所の場所を現在の本庁舎から約4キロ離れた稲築(いなつき)多目的運動広場に変更する条例改正案を議員提案し可決した。市役所は合併前の旧4市町の庁舎に分散しており、本庁舎は旧碓井町にある。市、議会とも統合を検討していたが、市が正式決定しない間に市議会が先手を打つ異例の事態となった。
=====【引用ここまで】=====
○福岡県嘉麻市議会、庁舎移転を突然可決 増改築主張の市長は反発 / 西日本新聞
=====【引用ここから】=====
嘉麻市は2006年、山田市と嘉穂、稲築、碓井の3町が合併して誕生。合併時の暫定措置として、旧碓井町役場を本庁舎とし、他の3地区に分庁舎を置いている。暫定措置の期限は定めていないが、分庁舎方式は経費がかかりすぎるとして、碓井庁舎の増改築か、移転新築かの集約方法が議論になっていた。
市が4月、コンサルタント会社に委託した調査結果によると、国の交付金などを除く今後30年間の市の実質負担額は、碓井庁舎の増改築が49億円(耐震改修費など含む)で最も高く、稲築地区の多目的運動広場での新築が36億円と最も安かった。
松岡市長は地理的条件などを理由に、市中央部にある現本庁舎の増改築を主張。これに対し、議会側は旧稲築町への移転新築を進めたい議員が多数を占め、市側と対立。議会は昨年6月から、調査特別委員会で計7回の協議を重ねてきたが、「このままでは話が進まない」(議員)として、動議の提出に踏み切った。採決は賛成16人、反対6人だった。
=2012/12/19付 西日本新聞朝刊=
=====【引用ここまで】=====
○嘉麻市議会:新庁舎問題再議へ 市長、きょう申し入れ /福岡 毎日新聞 2012年12月21日 地方版
=====【引用ここから】=====
嘉麻市議会で、市役所の所在地を変更する条例改正案が可決された問題で、松岡賛市長は20日、議会に再議を求める方針を決めた。21日に議会に申し入れる。
同市は市役所庁舎として合併前の旧4市町の庁舎を利用しており、一本化が課題になっている。松岡市長は旧碓井町にある現・本庁舎の増改築を第一候補としているが、議会は旧稲築町の稲築多目的運動広場に新築するべきだとの意見が多数派だ。
18日の市議会で、市役所の位置を稲築多目的運動広場に変更する条例改正案が議員提案され、賛成16反対6で可決された。「規則で定める日から施行する」との付則があり、即座に場所が変更されるわけではないが、事前の相談が全くなかった市側は対応を検討していた。
=====【引用ここまで】=====
そして・・・
○嘉麻市議会~定例会・臨時会の日程~
=====【引用ここから】=====
12月27日10:00から平成24年第3回嘉麻市議会臨時会が開催される予定です。
=====【引用ここまで】=====
嘉麻市議会議員の定数は22人。
過半数というと、11人。
再議決に必要な3分の2以上というと、15人。
前回の賛成者16人が再度賛成するのであれば、条例は可決成立することになる。
予算編成権、執行権を持たない議会が、数十億円の予算を伴う庁舎増設or移設の問題で、議会側が先に場所を決めてしまった。市長はどう対処するのだろう。
場所を定める条例を議会が作ったが、この条例の施行日は規則で定めることとなっている。議会は、条例を制定することはできるが、会議規則等を除き、規則を定めることはできない。規則を定めることができるのは市長である。
市長としては、施行日を定める規則を定めないままにしておき、その間に、予算案と庁舎条例の再改正をセットで提出するという手もある。ただ、これをするためには、市長が、議会提案で決まった今回の場所で賛成をした16人を、どうにかして切り崩さないといけない。切り崩し工作ができなければ、市長の意向に沿った予算案、条例案は否決されるだけである。
まずは、12月27日(木)の動きに注目である。議案質疑の中でどんな遣り取りがなされ、移設案と増設案、どちらに大義が示されるか。前回の12月定例会と、次の12月臨時会、会議録の中がとても気になるところである。
議会が受身でなく、ある種の主導権を持っているという意味で、非常に活発な議会である。これが、二元代表制の議会が持つ本来の実力なのだ。条例制定権を持っていると、こんなこともできてしまう。非常に大きな権限と、大きな責任を持たされているのが、地方議会なのだ。
(そして何よりも、仕事納めの直前まで本会議対応をしなければならない、議会の中の人。本当にお疲れ様でございます。)
~~~ H24.12.28追記 ~~~
嘉麻市議会~臨時会議決結果~
再議に付した結果、出席議員21名のうち、賛成14、反対7で条例は再度可決された。ぎりぎりの3分の2である。
=====【引用ここから】=====
嘉麻市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例(案)
嘉麻市役所の位置を定める条例(平成18年嘉麻市条例第1号)の一部を次のように改正する。
本則中「嘉麻市上臼井446番地1」を「嘉麻市岩崎1180番地1」に改める。
附 則
この条例は、規則で定める日から施行する。
=====【引用ここまで】=====
シンプルな条文だが、これがとんでもない事態を引き起こすことになった。
○話題:市役所住所に庁舎なし- 毎日jp(毎日新聞)2012年12月19日
=====【引用ここから】=====
福岡県嘉麻市議会が18日、市役所の場所を現在の本庁舎から約4キロ離れた稲築(いなつき)多目的運動広場に変更する条例改正案を議員提案し可決した。市役所は合併前の旧4市町の庁舎に分散しており、本庁舎は旧碓井町にある。市、議会とも統合を検討していたが、市が正式決定しない間に市議会が先手を打つ異例の事態となった。
=====【引用ここまで】=====
○福岡県嘉麻市議会、庁舎移転を突然可決 増改築主張の市長は反発 / 西日本新聞
=====【引用ここから】=====
嘉麻市は2006年、山田市と嘉穂、稲築、碓井の3町が合併して誕生。合併時の暫定措置として、旧碓井町役場を本庁舎とし、他の3地区に分庁舎を置いている。暫定措置の期限は定めていないが、分庁舎方式は経費がかかりすぎるとして、碓井庁舎の増改築か、移転新築かの集約方法が議論になっていた。
市が4月、コンサルタント会社に委託した調査結果によると、国の交付金などを除く今後30年間の市の実質負担額は、碓井庁舎の増改築が49億円(耐震改修費など含む)で最も高く、稲築地区の多目的運動広場での新築が36億円と最も安かった。
松岡市長は地理的条件などを理由に、市中央部にある現本庁舎の増改築を主張。これに対し、議会側は旧稲築町への移転新築を進めたい議員が多数を占め、市側と対立。議会は昨年6月から、調査特別委員会で計7回の協議を重ねてきたが、「このままでは話が進まない」(議員)として、動議の提出に踏み切った。採決は賛成16人、反対6人だった。
=2012/12/19付 西日本新聞朝刊=
=====【引用ここまで】=====
○嘉麻市議会:新庁舎問題再議へ 市長、きょう申し入れ /福岡 毎日新聞 2012年12月21日 地方版
=====【引用ここから】=====
嘉麻市議会で、市役所の所在地を変更する条例改正案が可決された問題で、松岡賛市長は20日、議会に再議を求める方針を決めた。21日に議会に申し入れる。
同市は市役所庁舎として合併前の旧4市町の庁舎を利用しており、一本化が課題になっている。松岡市長は旧碓井町にある現・本庁舎の増改築を第一候補としているが、議会は旧稲築町の稲築多目的運動広場に新築するべきだとの意見が多数派だ。
18日の市議会で、市役所の位置を稲築多目的運動広場に変更する条例改正案が議員提案され、賛成16反対6で可決された。「規則で定める日から施行する」との付則があり、即座に場所が変更されるわけではないが、事前の相談が全くなかった市側は対応を検討していた。
=====【引用ここまで】=====
そして・・・
○嘉麻市議会~定例会・臨時会の日程~
=====【引用ここから】=====
12月27日10:00から平成24年第3回嘉麻市議会臨時会が開催される予定です。
=====【引用ここまで】=====
嘉麻市議会議員の定数は22人。
過半数というと、11人。
再議決に必要な3分の2以上というと、15人。
前回の賛成者16人が再度賛成するのであれば、条例は可決成立することになる。
予算編成権、執行権を持たない議会が、数十億円の予算を伴う庁舎増設or移設の問題で、議会側が先に場所を決めてしまった。市長はどう対処するのだろう。
場所を定める条例を議会が作ったが、この条例の施行日は規則で定めることとなっている。議会は、条例を制定することはできるが、会議規則等を除き、規則を定めることはできない。規則を定めることができるのは市長である。
市長としては、施行日を定める規則を定めないままにしておき、その間に、予算案と庁舎条例の再改正をセットで提出するという手もある。ただ、これをするためには、市長が、議会提案で決まった今回の場所で賛成をした16人を、どうにかして切り崩さないといけない。切り崩し工作ができなければ、市長の意向に沿った予算案、条例案は否決されるだけである。
まずは、12月27日(木)の動きに注目である。議案質疑の中でどんな遣り取りがなされ、移設案と増設案、どちらに大義が示されるか。前回の12月定例会と、次の12月臨時会、会議録の中がとても気になるところである。
議会が受身でなく、ある種の主導権を持っているという意味で、非常に活発な議会である。これが、二元代表制の議会が持つ本来の実力なのだ。条例制定権を持っていると、こんなこともできてしまう。非常に大きな権限と、大きな責任を持たされているのが、地方議会なのだ。
(そして何よりも、仕事納めの直前まで本会議対応をしなければならない、議会の中の人。本当にお疲れ様でございます。)
~~~ H24.12.28追記 ~~~
嘉麻市議会~臨時会議決結果~
再議に付した結果、出席議員21名のうち、賛成14、反対7で条例は再度可決された。ぎりぎりの3分の2である。