熊本市議会あめ玉騒動の件でtwitterを眺めてると、結構な割合でこういう人を見かける。
ミミズクさんのツイート
======【引用ここから】======
熊本市議会・懲罰特別委員会こそ緒方市議に対して陳謝して欲しい。そんな理由で8時間も議会を止めた人たちこそ、出席停止にしたらいい。議会を何だと思ってるのか?
======【引用ここまで】======
緒方氏の出席停止に賛成した議員を出席停止にしたら、出席議員は緒方氏一人で定足数を満たせない。議会が開けないじゃないか。議会を何だと思ってるのか?
・・・というくだらないツッコミはさておき。
ネット上のニュース記事を読んでの推定だが、今回の場合、本会議の質疑中断後、採決の再開までの間に
議会運営委員会の開催
本会議の再開、懲罰特別委員会の設置、委員の選任
懲罰特別委員会の開催、委員長の選任、陳謝文起草
緒方氏が陳謝文を拒否
懲罰特別委員会の再開、出席停止の方針を決める
本会議の再開、出席停止の議決
といった手続きが採られていると思われる。
実際には、さらに別の会議が開かれていたかもしれない。
議会事務局は、本会議や委員会が開かれるたびに、その会議のレジュメや資料を作成し人数分印刷しなければならない。また、議長や委員長との間で、会議を進行するための手順を打合せしなければならない。それらの手順が地方自治法や市議会会議規則に適合しているかを確認しなければならない。
一方、委員会が行われるたびに、委員会に出席した議員は、会議内容を待機していた会派の他の議員に報告し、対応を協議するといったことが行われる。
このため、とにかく時間がかかる。
これが通常の議事日程であれば、ある程度は想定可能なため、考えられるパターンに応じて資料作成や段取り確認、法令の読み込みといった準備を事前にすることができる。そうしておけば、会議当日はあまり時間と労力をかけることなくレールに沿って走ることができる。
しかし、イレギュラーな事態が生じた場合、その場でゼロから準備をしなければならない。準備、確認、印刷、会議後の打合せ等々を考えると、イレギュラーな委員会が1回発生するたびに短くて30分、内容によっては2時間近く要すると考えるべき。
私は、何度もイレギュラーな委員会が開催される中、8時間で正常運行再開に漕ぎ着けた熊本市議会事務局の処理能力は素晴らしいと思う。
「ご気分を害したのであればおわびします」
という全く謝罪になっていない発言でレールを再度へし折った緒方氏に対しては、もう呆れて言葉も無い。ただの幼児。
「のど飴」で議会を退席に。乳児同伴で話題になった熊本・緒方夕佳市議に真意を聞いた。(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュース
======【引用ここから】======
休止して開かれた懲罰特別委員会では、陳謝させることが決まった。この時、「陳謝文」は本人が文言を考えるのではなく、緒方市議は用意された文章を事務局から渡され、そのまま読むようにと言われたという。
緒方市議は「自分の言葉ではない」として、用意された文書を読み上げるのではなく、自分自身の言葉で説明することにしたという。
だが、それが「陳謝文と内容が違う」として「違うだろ!」などと紛糾し、議会への一定期間の出席停止という、さらに重い処分となった。その結果、9月28日のその後の議会には出席できなくなった。
======【引用ここまで】======
この点については、ハフポストの記者も緒方氏も、ともに会議規則を読み込んでいないことが浮き彫りになっている。
(あれ?緒方氏は以前に「私もこういう行動をするからに会議規則はしっかり読み込んでいます」って言ってなかったっけ?)
注目すべきはこの部分。
「『陳謝文』は本人が文言を考えるのではなく、緒方市議は用意された文章を事務局から渡され、そのまま読むようにと言われたという。」
え っ ? 何 か 問 題 で も ?
============
○熊本市議会会議規則
(戒告又は陳謝の方法)
第143条 懲罰のうち公開の議場における戒告又は陳謝は、議会の定める戒告文又は陳謝文によって行うものとする。
2 前項の戒告文又は陳謝文は、当該懲罰の動議を付託された委員会が起草し、その報告とともに議長に提出しなければならない。
============
懲罰特別委員会も議会事務局も、この規定に沿った運用を進めていた。
陳謝文の朗読をもって騒動はひとまず終了し、中断していた緒方氏の質疑は再開するはずだった。
ところが、議会の定めた陳謝文を拒否した緒方氏。
この疑義を挟む余地のない明確な規則違反によって、陳謝文による陳謝よりも重たい出席停止処分となった。
出席停止により、再開が予定されていた質疑は発言者不在となり、このせいで質疑は終わってしまった。
市民団体の皆様へ。
請願の質疑が中断したまま終わってしまったのは、全て緒方氏の責任。
請願権の侵害?請願の質疑の再開?
緒方氏に紹介議員を依頼した自分たちの判断ミスを反省するのが先じゃないかな。
次に、
======【引用ここから】======
熊本市の緒方夕佳市議が飲食について規定のない議場で、のど飴を舐めて退席処分となった。熊本市議会に伺います。安倍さんの読む紙には(ここで水を飲む)との指示がありますが、その瞬間「あ、水を飲んだ」と騒ぎ立てるのか、その水がのど飴を溶かし込んだものだった場合どうなるのか。どうぞお答えを。
======【引用ここまで】======
熊本市議会ではありませんが、独断と偏見で勝手に回答。
まず、熊本市議会には議場における飲食について明文規定はない。
一方で、物を食べながら公式の会議で発言することを失礼、だらしない、みっともない、品位を欠いた行為と考えている市民は多いはずだ。少なくとも、議員はそう考えた。
本会議の質疑中は、進行役の議長、報告を行う委員長、そして質疑を行う質問者は、その他大勢の議員よりも注目される立場にある。
このため、緒方氏の演壇あめ玉モゴモゴ質疑は
============
○熊本市議会会議規則
(品位の尊重)
第134条 議員は、議会の品位を重んじなければならない。
============
という規定に抵触するのではないかという疑義が議員から出された。
条例や規則には、幅広い解釈運用が可能な表現の条文が多い。疑義が生じた場合、権限のある機関によってこの条文を解釈する必要が生じる。
地方自治法上、会議規則を審査する機関として議会運営委員会が設置されている。
議会運営委員会がその権限に基づいて審査した結果、あめ玉をくわえながら演壇で発言をするという行為はこれを見た市民の議会へのイメージを低下させ、議会の品位を貶める行為であると判断し、緒方氏の行為を会議規則第134条違反であると解釈した。
この有権解釈に基づき、議場の秩序維持の権限と責務を持つ議長は、議会の品位回復を図るために緒方氏に謝罪を求めた。
しかし、緒方氏は議会運営員会において謝罪を拒否した。
このため、正式に謝罪をさせるべく懲罰特別委員会において対応を協議。会議規則に沿って陳謝文による陳謝を求めることとなったが、緒方氏はこれも拒否。会議規則に明確に定められた措置を拒んだ以上は、会議規則に基づく出席も認められないとして出席停止処分になるのは当然のことである。
なお、会議規則の解釈は個々の議会ごとになされる点に留意しなければならない。会議規則の文言や解釈、運用、それを明文化した内規には議会ごとに幅があり、特定の行為が品位尊重規定に抵触するかどうかは個々の議会の判断に委ねられるものである。
立川談四楼さんの指す「安倍さん」がどこの安倍さんかは分からないが、仮に総理大臣の安倍さんだとしたら、国会議員と地方議員とでは憲法上の免責特権の有無をはじめ、その会議規則の文言や運用方法は大きく異なるものと考えられる。熊本市議会には国会における内規や運用例といった判断するための情報は無く、権限に基づく解釈運用を行う立場にも無い。
こうしたことから、結論として、立川談四楼さんの問い自体が非常にくだらないということになる。
ミミズクさんのツイート
======【引用ここから】======
熊本市議会・懲罰特別委員会こそ緒方市議に対して陳謝して欲しい。そんな理由で8時間も議会を止めた人たちこそ、出席停止にしたらいい。議会を何だと思ってるのか?
======【引用ここまで】======
緒方氏の出席停止に賛成した議員を出席停止にしたら、出席議員は緒方氏一人で定足数を満たせない。議会が開けないじゃないか。議会を何だと思ってるのか?
・・・というくだらないツッコミはさておき。
【議事日程というレールを直す時間】
地方議会における本会議は議事日程というレールの上を走る電車のようなもの。一度脱線したら曲がったレールの修復、緊急車両の手配、壊れた車体の整備など運行再開までに時間と手間を要するのと同じことだ。ネット上のニュース記事を読んでの推定だが、今回の場合、本会議の質疑中断後、採決の再開までの間に
議会運営委員会の開催
本会議の再開、懲罰特別委員会の設置、委員の選任
懲罰特別委員会の開催、委員長の選任、陳謝文起草
緒方氏が陳謝文を拒否
懲罰特別委員会の再開、出席停止の方針を決める
本会議の再開、出席停止の議決
といった手続きが採られていると思われる。
実際には、さらに別の会議が開かれていたかもしれない。
議会事務局は、本会議や委員会が開かれるたびに、その会議のレジュメや資料を作成し人数分印刷しなければならない。また、議長や委員長との間で、会議を進行するための手順を打合せしなければならない。それらの手順が地方自治法や市議会会議規則に適合しているかを確認しなければならない。
一方、委員会が行われるたびに、委員会に出席した議員は、会議内容を待機していた会派の他の議員に報告し、対応を協議するといったことが行われる。
このため、とにかく時間がかかる。
これが通常の議事日程であれば、ある程度は想定可能なため、考えられるパターンに応じて資料作成や段取り確認、法令の読み込みといった準備を事前にすることができる。そうしておけば、会議当日はあまり時間と労力をかけることなくレールに沿って走ることができる。
しかし、イレギュラーな事態が生じた場合、その場でゼロから準備をしなければならない。準備、確認、印刷、会議後の打合せ等々を考えると、イレギュラーな委員会が1回発生するたびに短くて30分、内容によっては2時間近く要すると考えるべき。
私は、何度もイレギュラーな委員会が開催される中、8時間で正常運行再開に漕ぎ着けた熊本市議会事務局の処理能力は素晴らしいと思う。
【緒方氏による議会ルールの完全無視】
一方、会議規則に定められた陳謝文の朗読さえすれば正常運行再開というお膳立てをしてもらったのに、緒方氏はルールを曲げて陳謝文を拒否。「ご気分を害したのであればおわびします」
という全く謝罪になっていない発言でレールを再度へし折った緒方氏に対しては、もう呆れて言葉も無い。ただの幼児。
「のど飴」で議会を退席に。乳児同伴で話題になった熊本・緒方夕佳市議に真意を聞いた。(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュース
======【引用ここから】======
休止して開かれた懲罰特別委員会では、陳謝させることが決まった。この時、「陳謝文」は本人が文言を考えるのではなく、緒方市議は用意された文章を事務局から渡され、そのまま読むようにと言われたという。
緒方市議は「自分の言葉ではない」として、用意された文書を読み上げるのではなく、自分自身の言葉で説明することにしたという。
だが、それが「陳謝文と内容が違う」として「違うだろ!」などと紛糾し、議会への一定期間の出席停止という、さらに重い処分となった。その結果、9月28日のその後の議会には出席できなくなった。
======【引用ここまで】======
この点については、ハフポストの記者も緒方氏も、ともに会議規則を読み込んでいないことが浮き彫りになっている。
(あれ?緒方氏は以前に「私もこういう行動をするからに会議規則はしっかり読み込んでいます」って言ってなかったっけ?)
注目すべきはこの部分。
「『陳謝文』は本人が文言を考えるのではなく、緒方市議は用意された文章を事務局から渡され、そのまま読むようにと言われたという。」
え っ ? 何 か 問 題 で も ?
============
○熊本市議会会議規則
(戒告又は陳謝の方法)
第143条 懲罰のうち公開の議場における戒告又は陳謝は、議会の定める戒告文又は陳謝文によって行うものとする。
2 前項の戒告文又は陳謝文は、当該懲罰の動議を付託された委員会が起草し、その報告とともに議長に提出しなければならない。
============
懲罰特別委員会も議会事務局も、この規定に沿った運用を進めていた。
陳謝文の朗読をもって騒動はひとまず終了し、中断していた緒方氏の質疑は再開するはずだった。
ところが、議会の定めた陳謝文を拒否した緒方氏。
この疑義を挟む余地のない明確な規則違反によって、陳謝文による陳謝よりも重たい出席停止処分となった。
出席停止により、再開が予定されていた質疑は発言者不在となり、このせいで質疑は終わってしまった。
市民団体の皆様へ。
請願の質疑が中断したまま終わってしまったのは、全て緒方氏の責任。
請願権の侵害?請願の質疑の再開?
緒方氏に紹介議員を依頼した自分たちの判断ミスを反省するのが先じゃないかな。
次に、
【議会運営委員会による有権解釈、議長の秩序維持権】
立川談四楼さんのツイート======【引用ここから】======
熊本市の緒方夕佳市議が飲食について規定のない議場で、のど飴を舐めて退席処分となった。熊本市議会に伺います。安倍さんの読む紙には(ここで水を飲む)との指示がありますが、その瞬間「あ、水を飲んだ」と騒ぎ立てるのか、その水がのど飴を溶かし込んだものだった場合どうなるのか。どうぞお答えを。
======【引用ここまで】======
熊本市議会ではありませんが、独断と偏見で勝手に回答。
まず、熊本市議会には議場における飲食について明文規定はない。
一方で、物を食べながら公式の会議で発言することを失礼、だらしない、みっともない、品位を欠いた行為と考えている市民は多いはずだ。少なくとも、議員はそう考えた。
本会議の質疑中は、進行役の議長、報告を行う委員長、そして質疑を行う質問者は、その他大勢の議員よりも注目される立場にある。
このため、緒方氏の演壇あめ玉モゴモゴ質疑は
============
○熊本市議会会議規則
(品位の尊重)
第134条 議員は、議会の品位を重んじなければならない。
============
という規定に抵触するのではないかという疑義が議員から出された。
条例や規則には、幅広い解釈運用が可能な表現の条文が多い。疑義が生じた場合、権限のある機関によってこの条文を解釈する必要が生じる。
地方自治法上、会議規則を審査する機関として議会運営委員会が設置されている。
議会運営委員会がその権限に基づいて審査した結果、あめ玉をくわえながら演壇で発言をするという行為はこれを見た市民の議会へのイメージを低下させ、議会の品位を貶める行為であると判断し、緒方氏の行為を会議規則第134条違反であると解釈した。
この有権解釈に基づき、議場の秩序維持の権限と責務を持つ議長は、議会の品位回復を図るために緒方氏に謝罪を求めた。
しかし、緒方氏は議会運営員会において謝罪を拒否した。
このため、正式に謝罪をさせるべく懲罰特別委員会において対応を協議。会議規則に沿って陳謝文による陳謝を求めることとなったが、緒方氏はこれも拒否。会議規則に明確に定められた措置を拒んだ以上は、会議規則に基づく出席も認められないとして出席停止処分になるのは当然のことである。
なお、会議規則の解釈は個々の議会ごとになされる点に留意しなければならない。会議規則の文言や解釈、運用、それを明文化した内規には議会ごとに幅があり、特定の行為が品位尊重規定に抵触するかどうかは個々の議会の判断に委ねられるものである。
立川談四楼さんの指す「安倍さん」がどこの安倍さんかは分からないが、仮に総理大臣の安倍さんだとしたら、国会議員と地方議員とでは憲法上の免責特権の有無をはじめ、その会議規則の文言や運用方法は大きく異なるものと考えられる。熊本市議会には国会における内規や運用例といった判断するための情報は無く、権限に基づく解釈運用を行う立場にも無い。
こうしたことから、結論として、立川談四楼さんの問い自体が非常にくだらないということになる。