(このまとめは若年寄の個人的見解であり、特定の団体・組織を代表するものではありません。)
緒方夕佳氏があめ玉をくわえたまま演壇で演説をするという品位を欠く行為に対し、議会側からまず注意がありましたが緒方氏は謝罪しませんでした。
このため、議会は会議規則に基づき懲罰としての陳謝文朗読を決定しましたが、緒方氏はこれも拒否しました。陳謝文による陳謝は会議規則に定められた方法であることから、緒方氏の行為は明白な規則違反ということになります。
このため最終的に出席停止処分が出されたという、段階的な手順を踏んでのものです。
品位を欠いた行為に対する最初の注意の時点で、適切に謝罪していれば、議会の空転も出席停止も無かったと思われます。
確かに、手続きが煩雑であるという印象は拭えません。しかし、本会議での議決はそのまま自治体全体の意思決定、または議会という機関の意思決定となるために、本会議の運営には厳格な手続きが定められているものです。
一方、請願の委員会審査報告に対する質疑は議員の発言権の一環として実施されるものであり、請願権の一環として必ず質疑が行われなければならないというものではありません。質疑の途中で発言者が出席停止となったのは発言者の事情によるものであって、請願者の請願権侵害には当たりません。
同じような対応をとった議会として、沖縄県北谷町議会があります。議員控室を保育スペースとして使用することを認め、会議中は議員が手配した有償ボランティアに子どもを預けるという対応をとっています。
しかも、緒方氏はルールを作る立場の人間であるにも関わらず、事前に赤ちゃんを議場に連れて入るためのルールが無いまま無許可で強行しました。赤ちゃんを議場に連れて入ること自体が問題視されたというよりも、こうした緒方氏の政治姿勢が問題視されています。
このイメージに基づき、
「無報酬で頑張ってるんだから、会議時くらい議会側でベビーシッターを手配しても良いのでは。」
という誤った認識が形成されていないでしょうか。
熊本市議会議員の待遇を知ったら
「そんなに報酬を貰っているなら、ベビーシッターは議員側で手配し自費で対応して当然だ。」
と考えるのではないでしょうか。
また、イギリスのメイ首相が党大会演説中に咳が出て、財務大臣から渡されたのど飴を舐めながら演説を続けたということがあったようです。
Blomberg
これは、党大会における首相演説というメインの最中で首相が咳き込みだし、水を飲んでも咳が止まらないことから、財務大臣が見かねてのど飴を差し出すほどの場面。飴を舐めながらの演説がやむを得ない状況であるのは明らかです。緒方氏とはまず状況が違います。
また、周囲の聴衆に
「飴を舐めながらの演説でも、この人の演説をもっと聴きたい、最後まで聴きたい。」
と思わせたメイ首相の人柄や演説内容も背景にあるのだと思います。
少なくとも、
「いつまでこの演説を続けるのか。喉が痛いなら早く演説止めたらいいのに。」
という周囲の反感を買ってはいなかったでしょう。
【Q1.あめ玉ひとつでいきなり出席停止は酷すぎるのではないか?】
A1.あめ玉ひとつでいきなり、ということではありません。緒方夕佳氏があめ玉をくわえたまま演壇で演説をするという品位を欠く行為に対し、議会側からまず注意がありましたが緒方氏は謝罪しませんでした。
このため、議会は会議規則に基づき懲罰としての陳謝文朗読を決定しましたが、緒方氏はこれも拒否しました。陳謝文による陳謝は会議規則に定められた方法であることから、緒方氏の行為は明白な規則違反ということになります。
このため最終的に出席停止処分が出されたという、段階的な手順を踏んでのものです。
【Q2.出席停止は、保守政党・男性議員による子育てママへのイジメではないか?】
A2.今回の懲罰特別委員会の設置や懲罰内容の決定については、男女や会派の別を問わず全会一致で可決されています。子育て支援に熱心な政党の会派や他の女性議員も、緒方氏の一連の言動を問題視しているということです。品位を欠いた行為に対する最初の注意の時点で、適切に謝罪していれば、議会の空転も出席停止も無かったと思われます。
【Q3.のどあめごときで8時間も休止するな】
A3.本会議中にイレギュラーな事態が生じ、これに対応するために議会運営委員会を開いて協議するとなると、1回につき準備等を含めて30分くらい要してしまうことがあります。ましてや、滅多に発生しない懲罰特別委員会の設置、開催となると、開催のたびに手順確認、資料作成、会派内の協議等で相当な時間を要します。議会運営委員会、懲罰特別委員会を複数回開催しなければならない状況となったことで、結果として当初予定されていた議事日程が8時間休止になったものです。確かに、手続きが煩雑であるという印象は拭えません。しかし、本会議での議決はそのまま自治体全体の意思決定、または議会という機関の意思決定となるために、本会議の運営には厳格な手続きが定められているものです。
【Q4.請願の質疑の途中で緒方氏を退席させ、質疑を中断したまま表決を行ったのは請願権の侵害ではないか?】
A4.今回の請願は、請願権に基づき紹介議員を介して本会議で議題とされた後、所管する委員会に付託されました。委員会での審査を経て審査結果が本会議で報告され、表決に至りました。一方、請願の委員会審査報告に対する質疑は議員の発言権の一環として実施されるものであり、請願権の一環として必ず質疑が行われなければならないというものではありません。質疑の途中で発言者が出席停止となったのは発言者の事情によるものであって、請願者の請願権侵害には当たりません。
【Q5.赤ちゃんを連れて議場に入るのをなぜ拒否したのか?】
A5.議場は、議題となった議案について説明を受け、質疑、討論、表決などを行う場所であって、子供の世話や高齢者の介護をするための場所ではありません。そのための設備もありません。熊本市議会事務局からは「議員がベビーシッターを手配して、会議中は議員控室で子供を見てもらったらどうか」という回答がなされています。同じような対応をとった議会として、沖縄県北谷町議会があります。議員控室を保育スペースとして使用することを認め、会議中は議員が手配した有償ボランティアに子どもを預けるという対応をとっています。
【Q6.自費でベビーシッターを手配するのではなく、議会側が手配してあげるべきでは?】
A6.熊本市議会議員には1年間で議員報酬約1000万円が支給され、さらに議員活動に対する補助金として政務活動費が年240万円支給されています。一般の子育て世代の親とは異なり、緒方氏に対しては議員として十分すぎる金額が支払われています。緒方氏の要望に応じ税金で議員用ベビーシッター代や議員用託児室の整備費用を支出することは、過剰な議員特権と評価されるおそれがあります。【Q7.ニュージーランドのアーダーン首相は国連に赤ちゃんを連れて出席していた。これが国際水準ではないのか?】
A7.アーダーン首相は事前に国連側に相談し、赤ちゃんに対し特別な身分証を発行してもらっていました。事前の相談・了承が必要なのは国際的に共通しています。しかも、緒方氏はルールを作る立場の人間であるにも関わらず、事前に赤ちゃんを議場に連れて入るためのルールが無いまま無許可で強行しました。赤ちゃんを議場に連れて入ること自体が問題視されたというよりも、こうした緒方氏の政治姿勢が問題視されています。
【Q8.イギリスのメディアは、子連れ市議会/あめ玉市議会における議会側の対応を批判している。やはり前時代的な対応ではないか?】
A8.イギリスでは、ロンドンを除く地方議会の議員は無報酬(手当てのみ有)の名誉職という扱いになっています。イギリスのメディアは「地方議員=無報酬」という自国でのイメージに基づいて語っている可能性はないでしょうか。このイメージに基づき、
「無報酬で頑張ってるんだから、会議時くらい議会側でベビーシッターを手配しても良いのでは。」
という誤った認識が形成されていないでしょうか。
熊本市議会議員の待遇を知ったら
「そんなに報酬を貰っているなら、ベビーシッターは議員側で手配し自費で対応して当然だ。」
と考えるのではないでしょうか。
また、イギリスのメイ首相が党大会演説中に咳が出て、財務大臣から渡されたのど飴を舐めながら演説を続けたということがあったようです。
Blomberg
これは、党大会における首相演説というメインの最中で首相が咳き込みだし、水を飲んでも咳が止まらないことから、財務大臣が見かねてのど飴を差し出すほどの場面。飴を舐めながらの演説がやむを得ない状況であるのは明らかです。緒方氏とはまず状況が違います。
また、周囲の聴衆に
「飴を舐めながらの演説でも、この人の演説をもっと聴きたい、最後まで聴きたい。」
と思わせたメイ首相の人柄や演説内容も背景にあるのだと思います。
少なくとも、
「いつまでこの演説を続けるのか。喉が痛いなら早く演説止めたらいいのに。」
という周囲の反感を買ってはいなかったでしょう。