どうもこんばんは、若年寄です。
今回は、市議会開会中に議員が居眠りをしていて、市長がツイッターでつぶやく。これに議会が反発して全員協議会を開き市長を呼び出して・・・というニュースをお題に。
安芸高田市長、市議会から「どう喝」 ツイッターで市議の居眠り指摘後 「敵に回すなら政策に反対するぞ」 | 中国新聞デジタル
======【引用ここから】======
石丸市長は9月25日、一般質問で市議の1人がいびきをかいて寝ていたとツイッターで指摘した。今月1日には、前日の定例会閉会後の市議会全員協議会に呼び出されたとし、「議会の批判をするな、選挙前に騒ぐな、事情を補足してやれ、敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝(どうかつ)?あり」と投稿。「これが普通かどうかわかりませんが、実態なのは確かです」と書き込んだ。
======【引用ここまで】======
この話題についてツイッター上の反応をざっくり見た感じでは、
「議員は議会で議論をするのが仕事で、そのために高い議員報酬を貰っているのに、居眠りなんてけしからん」
という論調が多かったように思います。
けしからんとお怒りになるのも分からなくはないのですが、ちょっと違った視点を提示したいと思います。
一般質問とは何かというと、市議会の本会議において、市政における課題や特定の事業について議員側がテーマを絞って質問し、市長や幹部職員がそれに答えるというものです。この一般質問は、条例案や予算案といった議案とは異なり、議決の対象とはなりません。
一般質問の質問者となった議員は、議会ごとに定められた質問時間や発言回数の中で市長や職員に対し質問するのですが、では問題です。
質問者以外の議員はその質問時間中に何をしているのでしょうか?
質問した議員に対し反論しているのでしょうか。
質問した議員を後押しするための補足説明をしているのでしょうか。
回答した市長にダメ出ししているのでしょうか。
正解は、何もしていません。
何もできません。議論に参加できるわけではありません。質問者と市長のやり取りを聞いて、どちらが優勢だったかジャッジする場面が出てくるわけでもありません。ただただ、ひたすらジッとしているしかありません。
(ヤジが飛び交う市議会もあるかもしれませんが、それは正式な発言ではありません。)
質問者一人あたりの持ち時間が1時間とすれば、その間、質問者と市長とのやり取りを終わるのをただ待っているだけなのです。質問者である議員にとってその1時間は、市長に対し公の場で言いたい放題に言える貴重な1時間なのですが、他の議員にとってはする事の無い1時間です。
他の議員にとって、質問者の設定したテーマが自分も取り組んでいるものであれば、
「何を質問してどんな答弁が出てくるのだろう?」
「質問者はきちんと市長から言質をとることができるか?」
と意欲をもってやり取りを聞いていられると思います。
あるいは、会派(政党や支持団体、考え方ごとに集まった議員のグループ)の中で質問テーマを練って分担して質問している内容であれば、
「会派でテーマを練る際、私も気になっていた。市長はどう答えるのか?」
と、我が事として興味をもって聞いていられると思います。
しかし、質問テーマが興味のないものであったり、前の日に前の質問者が既に同じテーマで質問していたり、一般質問と言いつつ個別事例についての陳情活動であったり・・・・となると、他の議員からすれば、退屈でしかないというのは十分に理解できます。
※参照
議員はなぜ居眠りをしてしまうのか | 西東京市議会議員 田村ひろゆき | いいね!西東京
======【引用ここから】======
ただ、そうなってしまう理由もわからなくはないのです。というのも、3日目ともなると、同じ内容の質問が出てくることがあります。すると、一言一句同じ答弁が繰り返されます。原稿丸読みなので本当に一言一句同じです。別の会派が聞いたからやめますとしてもいいのですが、たいがい「すでに質問がありましたが」と前置きしつつ同じ質問を繰り返します。正直飽きます。
======【引用ここまで】======
そうすると、
「議論に参加できるわけではないし、その議論を経て採決が控えているわけでもないし、その場で何かすることがあるわけでなく、むしろ何もしてはいけない。なら欠席した方がマシだ」
という議員が出てきても、私は無理の無いことと思っています。
このように退屈な場面に嫌気がさして欠席してしまった議員が居たとします。そして、時には本当に体調等が悪くて欠席する議員も居るでしょう。欠席者の合計が半数を超えてしまうと、本会議は成立しません。議員の過半数が出席しなければ会議を開くことはできません。途中で退席してしまった場合も、過半数を下回れば本会議は止まってしまいます。
「質問議員の質問が程度の低い内容で、市長も通り一遍の答弁しかしないことも分かりきっている。退屈極まりない」
と思っている議員が、それでも本会議に出席し、目を瞑って質問中ずっと座り続けているからこそ、一般質問は成立しています。
「議員なんだから、ありとあらゆる市の公共事業、市政課題に関心を持って目を光らせておくべきだ。一般質問で他の議員が質問した項目、質問内容、答弁発言の全てを把握しておくべきだ。一般質問の最中に居眠りしている暇なんてあるか」
と。
しかし、市議会議員はそういった意識の高い有権者の票だけで当選しているわけではありません。市内の特定の地域の代表者、特定の業種の代弁者として、その地域、業種の票だけで当選する場合もあります、というか、その可能性が高いのです。国政でもワンイシュー政党が成立するように。
公立学校における教員の待遇改善・教育予算拡大を掲げ小中学校の教員票で当選する議員がいる一方で、公共工事の増加を掲げて建設業界の票で当選する議員がいます。他方、「うちの家の前の道路を舗装してくれ」といった声を届ける事を使命としてA地域住民の票で当選する議員がいて、B地域の経済振興を掲げてB地域住民の票で当選する議員がいます。
教員票で当選した議員にとって、公共工事増はそれほど関心あるテーマではありません。同様に、建設票で当選した議員は、教員待遇改善を、有権者からの付託を受けたテーマとは思っていないでしょう。合併前の旧A地域の票で当選した議員にとって、合併前旧B地域の事は他人事と思っているかもしれません。
そんな個別利害票を背負って議員になっている人に、自治体の行政課題全般に目を光らせろと要求しても、そりゃあなかなか難しいでしょう。そうした議員が一人で行う一般質問は個別業界・団体・地域の利害を代弁するものでしかなく、他の議員から見れば
「また自分の票田への利益誘導のための一般質問か。そういう事は個別に市長室で要望活動してればいいだろ。なんで一般質問の体裁で無関係な議員の時間を拘束するのか。」
ということにしかならないのです。
個別の地域、団体の要望のレベルから、議会と市長の二元代表制にふさわしい質問に脱皮させるためには、それなりの仕掛けが必要です。
【議員2万人のホンネ】同僚議員…この人、大丈夫か? | 注目の発言集 | NHK政治マガジン
この中から、私が注目する議員コメントをいくつか抜粋してみましょう。
======【抜粋ここから】======
「レベルが低い。居眠りは当り前、会議の欠席が多い人もいる。議案書や書類が読みこめない人、議場に置きっぱなしの人もいる」(40代男性議員)
「居眠りですが、一般質問の場合ですが、各議員が議題をつくり通告して持論を展開するので時々的外れや認識違いの内容のものがあり、黙って聞いているのが辛い時がある(居眠りしてしまうこと…)」(50代男性議員)
「会議で一般質問を4年間まったくしない議員がいること。質問もとんちんかんが多かったりと勉強しない議員が多い」(70代女性議員)
「『議員間討論』はほとんどない。更に、常任委員会での発言が制限された。また、本会議での『討論』も時間を1人20分に制限された。」
「議員間討論など、議員同士の活発な意見交換の場を、もっともっと増やしていただきたい」(60代男性議員)
======【抜粋ここまで】======
会派やグループで勉強会をして、市政のどの事業やどの予算支出に問題があるかを洗い出し、質問項目を整理して問い質すポイントを明確に絞り、内容の重複を避けるようにすれば、少なくともこの勉強会に携わった議員がこの一般質問の最中に居眠りをするような事はないでしょう。
私は、
「居眠りをする議員がけしからん」
という側面よりも、自分の支援者の個別利害を一般質問に持ち込む議員、一般質問の内容や焦点が定まっていないのでのらりくらりの答弁しか出てこないような質問をする議員、市長にヨイショしてお手盛りの答弁を貰って満足する議員、そうした質問者の側に大きな問題があると思っています。
定足数を満たすためだけにそこに座らされている議員を責めるのではなく、居眠りさせてしまう質問しかできない議員をこそ責めるべきです。そして、質問の水準や練度を上げるために有効な方法が、上記議員コメントで出てきた議員間の勉強会・意見交換です。
もし、市議会議員全員が一堂に会して勉強会を開いて議論をし、事務事業評価を行い、勉強会の内容を踏まえ議員ごとにテーマを割り振り、個別の議員ではなく議会として一般質問を行い、そこから出てくる市長側の答弁如何によっては市長提出予算案を大幅に減額する修正案を可決成立させてしまう・・・なんて事になれば、冒頭の安芸高田市の若き市長なんかは全く太刀打ちできなくなるでしょう。
ツイッターで
「説得?恫喝?」
なんて舐めた口を叩く余裕はなくなります。
就任直後の若い市長に舐められてネットで晒される、そんな態度を取られてしまうのは、居眠りする議員と居眠りさせてしまう程度の質問しか出来ない議員とがいて、
「そんな議員・議会に対してはのらりくらりとした答弁で躱せばOKだしテキトーな議会対応でOKだ」
と市長や幹部職員から思われていることの延長線上にあります。
安芸高田市議会の皆様、どうぞ議員間で勉強会をし、議論をし、市政に非効率・不公平な事務事業が山積している事を把握し、市長提出予算案・条例案に鋭く切り込んでください。市議選で当選したままでは、個別利害の代弁者から脱皮できません。個別利害を餌に切り崩して多数派工作が出来てしまえば、市長や幹部職員にとって市議会はお飾りでしかありません。そのレベルであれば市長や幹部職員から舐められっぱなしになります。
先ほども挙げた
【議員2万人のホンネ】同僚議員…この人、大丈夫か? | 注目の発言集 | NHK政治マガジン
の中に、面白いコメントがあったので最後にご紹介。
「・・・
また、いまだに、議員特権が横行していることも問題です。海外視察や、費用弁償(議会出席手当)、国保の助成上乗せした人間ドックの補助…これだけ市民の生活が苦しく、また市財政が逼迫している中、議員だからという理由で優遇される理由が分からない。
・・・」(女性市議)
メディアを利用して、市議である自分専用の託児室やベビーシッターを公費で用意しろ、と議会事務局に圧力をかけて特権的待遇を要求していた熊本市議会の緒方夕佳さん、大いに反省してください。
今回は、市議会開会中に議員が居眠りをしていて、市長がツイッターでつぶやく。これに議会が反発して全員協議会を開き市長を呼び出して・・・というニュースをお題に。
安芸高田市長、市議会から「どう喝」 ツイッターで市議の居眠り指摘後 「敵に回すなら政策に反対するぞ」 | 中国新聞デジタル
======【引用ここから】======
石丸市長は9月25日、一般質問で市議の1人がいびきをかいて寝ていたとツイッターで指摘した。今月1日には、前日の定例会閉会後の市議会全員協議会に呼び出されたとし、「議会の批判をするな、選挙前に騒ぐな、事情を補足してやれ、敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝(どうかつ)?あり」と投稿。「これが普通かどうかわかりませんが、実態なのは確かです」と書き込んだ。
======【引用ここまで】======
この話題についてツイッター上の反応をざっくり見た感じでは、
「議員は議会で議論をするのが仕事で、そのために高い議員報酬を貰っているのに、居眠りなんてけしからん」
という論調が多かったように思います。
けしからんとお怒りになるのも分からなくはないのですが、ちょっと違った視点を提示したいと思います。
【居眠り議員がいるから一般質問できる】
今回の居眠りが問題となった場面は、記事にもあるとおり、本会議における「一般質問」においてです。一般質問とは何かというと、市議会の本会議において、市政における課題や特定の事業について議員側がテーマを絞って質問し、市長や幹部職員がそれに答えるというものです。この一般質問は、条例案や予算案といった議案とは異なり、議決の対象とはなりません。
一般質問の質問者となった議員は、議会ごとに定められた質問時間や発言回数の中で市長や職員に対し質問するのですが、では問題です。
質問者以外の議員はその質問時間中に何をしているのでしょうか?
質問した議員に対し反論しているのでしょうか。
質問した議員を後押しするための補足説明をしているのでしょうか。
回答した市長にダメ出ししているのでしょうか。
正解は、何もしていません。
何もできません。議論に参加できるわけではありません。質問者と市長のやり取りを聞いて、どちらが優勢だったかジャッジする場面が出てくるわけでもありません。ただただ、ひたすらジッとしているしかありません。
(ヤジが飛び交う市議会もあるかもしれませんが、それは正式な発言ではありません。)
質問者一人あたりの持ち時間が1時間とすれば、その間、質問者と市長とのやり取りを終わるのをただ待っているだけなのです。質問者である議員にとってその1時間は、市長に対し公の場で言いたい放題に言える貴重な1時間なのですが、他の議員にとってはする事の無い1時間です。
他の議員にとって、質問者の設定したテーマが自分も取り組んでいるものであれば、
「何を質問してどんな答弁が出てくるのだろう?」
「質問者はきちんと市長から言質をとることができるか?」
と意欲をもってやり取りを聞いていられると思います。
あるいは、会派(政党や支持団体、考え方ごとに集まった議員のグループ)の中で質問テーマを練って分担して質問している内容であれば、
「会派でテーマを練る際、私も気になっていた。市長はどう答えるのか?」
と、我が事として興味をもって聞いていられると思います。
しかし、質問テーマが興味のないものであったり、前の日に前の質問者が既に同じテーマで質問していたり、一般質問と言いつつ個別事例についての陳情活動であったり・・・・となると、他の議員からすれば、退屈でしかないというのは十分に理解できます。
※参照
議員はなぜ居眠りをしてしまうのか | 西東京市議会議員 田村ひろゆき | いいね!西東京
======【引用ここから】======
ただ、そうなってしまう理由もわからなくはないのです。というのも、3日目ともなると、同じ内容の質問が出てくることがあります。すると、一言一句同じ答弁が繰り返されます。原稿丸読みなので本当に一言一句同じです。別の会派が聞いたからやめますとしてもいいのですが、たいがい「すでに質問がありましたが」と前置きしつつ同じ質問を繰り返します。正直飽きます。
======【引用ここまで】======
そうすると、
「議論に参加できるわけではないし、その議論を経て採決が控えているわけでもないし、その場で何かすることがあるわけでなく、むしろ何もしてはいけない。なら欠席した方がマシだ」
という議員が出てきても、私は無理の無いことと思っています。
このように退屈な場面に嫌気がさして欠席してしまった議員が居たとします。そして、時には本当に体調等が悪くて欠席する議員も居るでしょう。欠席者の合計が半数を超えてしまうと、本会議は成立しません。議員の過半数が出席しなければ会議を開くことはできません。途中で退席してしまった場合も、過半数を下回れば本会議は止まってしまいます。
「質問議員の質問が程度の低い内容で、市長も通り一遍の答弁しかしないことも分かりきっている。退屈極まりない」
と思っている議員が、それでも本会議に出席し、目を瞑って質問中ずっと座り続けているからこそ、一般質問は成立しています。
【議員は有権者を映す鏡】
それでもまだ、けしからんと思う方も居ると思います。「議員なんだから、ありとあらゆる市の公共事業、市政課題に関心を持って目を光らせておくべきだ。一般質問で他の議員が質問した項目、質問内容、答弁発言の全てを把握しておくべきだ。一般質問の最中に居眠りしている暇なんてあるか」
と。
しかし、市議会議員はそういった意識の高い有権者の票だけで当選しているわけではありません。市内の特定の地域の代表者、特定の業種の代弁者として、その地域、業種の票だけで当選する場合もあります、というか、その可能性が高いのです。国政でもワンイシュー政党が成立するように。
公立学校における教員の待遇改善・教育予算拡大を掲げ小中学校の教員票で当選する議員がいる一方で、公共工事の増加を掲げて建設業界の票で当選する議員がいます。他方、「うちの家の前の道路を舗装してくれ」といった声を届ける事を使命としてA地域住民の票で当選する議員がいて、B地域の経済振興を掲げてB地域住民の票で当選する議員がいます。
教員票で当選した議員にとって、公共工事増はそれほど関心あるテーマではありません。同様に、建設票で当選した議員は、教員待遇改善を、有権者からの付託を受けたテーマとは思っていないでしょう。合併前の旧A地域の票で当選した議員にとって、合併前旧B地域の事は他人事と思っているかもしれません。
そんな個別利害票を背負って議員になっている人に、自治体の行政課題全般に目を光らせろと要求しても、そりゃあなかなか難しいでしょう。そうした議員が一人で行う一般質問は個別業界・団体・地域の利害を代弁するものでしかなく、他の議員から見れば
「また自分の票田への利益誘導のための一般質問か。そういう事は個別に市長室で要望活動してればいいだろ。なんで一般質問の体裁で無関係な議員の時間を拘束するのか。」
ということにしかならないのです。
個別の地域、団体の要望のレベルから、議会と市長の二元代表制にふさわしい質問に脱皮させるためには、それなりの仕掛けが必要です。
【議員同士で勉強、議論を】
一般質問における居眠りは、今回の安芸高田市議会に始まったわけではなく、地方議会にとっては「あるある」ネタです。【議員2万人のホンネ】同僚議員…この人、大丈夫か? | 注目の発言集 | NHK政治マガジン
この中から、私が注目する議員コメントをいくつか抜粋してみましょう。
======【抜粋ここから】======
「レベルが低い。居眠りは当り前、会議の欠席が多い人もいる。議案書や書類が読みこめない人、議場に置きっぱなしの人もいる」(40代男性議員)
「居眠りですが、一般質問の場合ですが、各議員が議題をつくり通告して持論を展開するので時々的外れや認識違いの内容のものがあり、黙って聞いているのが辛い時がある(居眠りしてしまうこと…)」(50代男性議員)
「会議で一般質問を4年間まったくしない議員がいること。質問もとんちんかんが多かったりと勉強しない議員が多い」(70代女性議員)
「『議員間討論』はほとんどない。更に、常任委員会での発言が制限された。また、本会議での『討論』も時間を1人20分に制限された。」
「議員間討論など、議員同士の活発な意見交換の場を、もっともっと増やしていただきたい」(60代男性議員)
======【抜粋ここまで】======
会派やグループで勉強会をして、市政のどの事業やどの予算支出に問題があるかを洗い出し、質問項目を整理して問い質すポイントを明確に絞り、内容の重複を避けるようにすれば、少なくともこの勉強会に携わった議員がこの一般質問の最中に居眠りをするような事はないでしょう。
私は、
「居眠りをする議員がけしからん」
という側面よりも、自分の支援者の個別利害を一般質問に持ち込む議員、一般質問の内容や焦点が定まっていないのでのらりくらりの答弁しか出てこないような質問をする議員、市長にヨイショしてお手盛りの答弁を貰って満足する議員、そうした質問者の側に大きな問題があると思っています。
定足数を満たすためだけにそこに座らされている議員を責めるのではなく、居眠りさせてしまう質問しかできない議員をこそ責めるべきです。そして、質問の水準や練度を上げるために有効な方法が、上記議員コメントで出てきた議員間の勉強会・意見交換です。
もし、市議会議員全員が一堂に会して勉強会を開いて議論をし、事務事業評価を行い、勉強会の内容を踏まえ議員ごとにテーマを割り振り、個別の議員ではなく議会として一般質問を行い、そこから出てくる市長側の答弁如何によっては市長提出予算案を大幅に減額する修正案を可決成立させてしまう・・・なんて事になれば、冒頭の安芸高田市の若き市長なんかは全く太刀打ちできなくなるでしょう。
ツイッターで
「説得?恫喝?」
なんて舐めた口を叩く余裕はなくなります。
就任直後の若い市長に舐められてネットで晒される、そんな態度を取られてしまうのは、居眠りする議員と居眠りさせてしまう程度の質問しか出来ない議員とがいて、
「そんな議員・議会に対してはのらりくらりとした答弁で躱せばOKだしテキトーな議会対応でOKだ」
と市長や幹部職員から思われていることの延長線上にあります。
安芸高田市議会の皆様、どうぞ議員間で勉強会をし、議論をし、市政に非効率・不公平な事務事業が山積している事を把握し、市長提出予算案・条例案に鋭く切り込んでください。市議選で当選したままでは、個別利害の代弁者から脱皮できません。個別利害を餌に切り崩して多数派工作が出来てしまえば、市長や幹部職員にとって市議会はお飾りでしかありません。そのレベルであれば市長や幹部職員から舐められっぱなしになります。
【追記:熊本市議会の緒方夕佳さんへ】
さて。先ほども挙げた
【議員2万人のホンネ】同僚議員…この人、大丈夫か? | 注目の発言集 | NHK政治マガジン
の中に、面白いコメントがあったので最後にご紹介。
「・・・
また、いまだに、議員特権が横行していることも問題です。海外視察や、費用弁償(議会出席手当)、国保の助成上乗せした人間ドックの補助…これだけ市民の生活が苦しく、また市財政が逼迫している中、議員だからという理由で優遇される理由が分からない。
・・・」(女性市議)
メディアを利用して、市議である自分専用の託児室やベビーシッターを公費で用意しろ、と議会事務局に圧力をかけて特権的待遇を要求していた熊本市議会の緒方夕佳さん、大いに反省してください。