キャンプサイトの入り口にもクリスマスのデコレーションが出来上がった。町に只一箇所ある小さなショッピングセンターにも1カ月ほど前からこのツリーらしくないツリーが立っている。しかし今年のポルトガルの不況は深刻で、いつもは街路を彩るクリスマスデコレーションは廃止された。貧困層にはチャリティが食事提供や、市民からの物品提供を募ってプレゼントするとのこと。
先週の土曜日、町の中心の教会横で、ポルトガルの伝統クリスマスケーキを切り分けて一般市民にプレゼントしていた。私も小さな2切れを貰って味見してみた。スポンジケーキに色とりどりの砂糖漬けのチェリーやナッツが入っていて上もカラフルな砂糖漬けのくだもので飾られている。特にオレンジを皮ごと砂糖漬けにしたものは今まで食べたことが無く珍しい。まるでマーマレードの塊のよう。
スーパーマーケットで買ったポルトガルのクリスマスケーキはイギリスのどっしりしたフルーツケーキやドイツのマージパンが入ったシュトールンと違って、甘いパン生地の中にフルーツやナッツが入っていてとにかく甘い。ポルトガルのお菓子は種類が多くバラエティーに富んで居るが全体にとっても甘い。イギリスのフルーツケーキは半年も前に作ってブランディを入れて熟成させるから、ずいぶん長持ちする。シュトールンもイーストを入れて膨らませた生地にたっぷりの干しブドウを入れて焼いたもので上には粉砂糖が雪のようにかかっている。私はこのシュトールンが大好きで一年に一回はこれを食べないで年を越せない。
ポルトガルはカソリックの国で国民のほとんどは聖母マリアを深く信仰しているから、街角にはキリスト生誕の馬小屋の再現が行われている。
ショッピングセンターの3階は食堂街でウイークディのお昼でも若者が多いことに驚かされる。彼らは仕事を持っていないのだろうか?
毎日青空が続いて気持ちのよい日々、このキャンプサイトへやってきて一週間目に近くのイギリス人夫妻から、大きなテレビ受信機はサイトで預ってくれると聞いて1.2メーターの巨大受信機を買い設置してもらった。これを買いに行った時は2日かかった。まず初日はポルトガルはスペインほどシアスタも無いからと思って朝から町へ出かけたのにショッピングセンターでお昼を食べてゆっくりしていったら、この日は午後1時で閉まると書いてあり、翌日朝11時にお店に行ったらば、午後2時半からオープンと書いてある。3時間もあちこちで時間つぶしをしてやっと店に入ることが出来た。
いったん予約したら翌日午後には受信機が設置されて(英国では考えられない)、これで英国のBBC, ITV 等が見られる。NHKのワールドニュースやドイツの沢山の番組はキャンパーの後ろに取り付けた小さな受信機で見ることが出来る。これで来年3月までどこにも行かず、(実際動けず)このサイトに落着くことになった。
毎週土曜日に魚市場やローカルの野菜マーケットへ行くのが楽しみで、ショッピングトローリーを持っていって山ほど買ってくるから、亭主からはひんしゅくをかっているが、彼も半分は食べるのだから文句言うことは無いと思う。
サボテンの花の蜜を吸っている鳥は雀では無いが名前は知らない。