「新・仁義なき戦い 謀殺」
2002年 日本 110分
■監督:
橋本一
■出演:
高橋克典
渡辺謙
南野陽子
遠野凪子
伊原剛志
高知東生
小林健
山田純大
坂口憲二
誠直也
志賀勝
隆大介
石橋蓮司
夏木マリ
小林稔侍
●あらすじ
西日本最大の暴力団・佐橋組の傘下、大阪・尾田組の幹部、頭脳派の矢萩と武闘派の藤巻は、
対照的な生き方ながら親友同士で兄弟分でもあった。
本家の佐橋は組の若返りの為二人のどちらかを尾田組組長に昇格させようと考えていた。
だが、現組長の尾田は今の地位に固執し、2人を牽制して3番手の幹部を次期組長に指名。
怒り心頭の藤巻は巨大利権を求めて名古屋に進出、地元の竜紋会と抗争を始める。
事態の悪化を懸念する矢萩は不本意ながら藤巻の暴走を抑えに掛かる。
これをきっかけに2人の関係に亀裂が生じる。
まさしく尾田の思惑通りの展開となっていくのだが…。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
まず本作が2000年に制作された「新・仁義なき戦い」と、話が繋がっているとは知らなかった。
「新・仁義なき戦い」はかなり前に観たので細かい事は全部忘れているが、対して面白くなかった事は覚えている。
なんか布袋寅泰が在日コリアン役と言うのがフィーチャーされていた気がするが、
ストーリーにあまり上手く絡んでいなかった気がするんだよな。
それでいて本編の組のゴタゴタに主演の豊川悦司が巻き込まれていたんだかいないんだかみたいな話じゃなかったかなあ。
確か豊川悦司の役が幹部とかじゃなくて、チンピラみたいな下っ端じゃなかったっけかなあ?
それもあって話がつまらなかった気がする。
だがしかし本作は前作の事を知らなくても別に気にしなくて良いらしく、実際それでも問題なかった。
ストーリーも割と悪くなかったが、出ていた役者陣の演技が良かったので、結構面白かったよ。
まずイケイケの兄貴分渡辺謙と、実直で裏切らない弟分の高橋克典の関係は
千葉真一がイケイケ兄貴分、松方弘樹が弟分だった「沖縄やくざ戦争(1976)」を思い出した。
「沖縄やくざ戦争」の千葉真一は、基本が大友勝利で、そこに当時のカラテアクションをミックスした最高の役だった。
そんな無茶苦茶な兄貴分に苦労しながらも一生懸命ついていく弟分の松方弘樹の真面目さも良かったなあ。
まるでその「沖縄やくざ戦争」がベースになっているかのような、本作の二人。
とくに弟分役の高橋克典は、今まで観てきた東映やくざの中で一番実直だったと言っても過言ではない漢だった。
そこにまるで金子信雄のような嫌らしい組長を演じる小林稔侍も加わり
さらに元祖「仁義なき戦い」のBGMを一部アレンジして使用するなど、
全体的に「新・仁義なき戦い」と名乗って良い出来栄えだった。
突然鉄砲玉として敵対する組事務所に乗り込み、大暴れしてすぐ射殺される役に坂口憲二が出てきたり
渡辺謙の舎弟として山田純大が出ているの嬉しかったなあ。
南野陽子も相変わらず変わらない可愛さと言うか美貌を持っていたし。
ラストシーンが何か「仁義なき戦い 第一部」へのオマージュかなと思ったのは、きっと気のせいではないと思っている。
そういった意味で、東映やくざ映画のファンであれば、割と面白く感じられると思うよ。