「夕陽のギャングたち」
原題:GIU LA TESTA/ONCE UPON A TIME...THE REVOLUTION
1971年 伊 156分
■監督:
セルジオ・レオーネ
■出演:
ロッド・スタイガー
ジェームズ・コバーン
ロモロ・ヴァリ
マリア・モンティ
●あらすじ
メキシコに流れ着いたアイルランド革命の闘士マロリー。
彼はそこで、山賊のミランダという男と知り合う。
やがて二人はメキシコ革命に巻き込まれ、反政府軍のために戦うことになるが……。
「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」の巨肖・レオーネが、
20世紀初頭のメキシコを舞台に、二人の男の活躍を描いたマカロニ・ウェスタン。
R・スタイガーとJ・コバーンという二大スターの存在感、豪快と哀愁の緩急を見事に操る演出、
それにかぶさるE・モリコーネの美しくも切ないメロディ……。
戦場における男同士の友情をドライに、そしてしんみりと描く傑作アクション。これぞ男泣きの映画!
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
これ、凄い面白かったよ!
あの「ウエスタン」の後だから、てっきりつまらないもんだと勝手に思ってた。
世間の評判もよろしくないし。
だが観てみたら、これがあまりの面白さにビックリした!
もっと早く観ておけば良かったと後悔したくらいに。
まず、「ウエスタン」の時に書いた、次は主役が五人かもと言うのはあってなかった。
今回は二人。これはあの大傑作である「夕陽のガンマン」と同じ構図である。
実際、二人を見ているとロッド・スタイガーはイーライ・ウォラック。
ジェームズ・コバーンは「夕陽のガンマン」時のリー・ヴァン・クリーフを想起させるキャラクターである。
実際にイーライ・ウォラックにはオファーを掛けたらしいが、正にその通りと言えるキャラのロッド・スタイガー。
一方、ジェームズ・コバーンの役にはイーストウッドをオファーしていたらしいが
これはどう見てもリー・ヴァン・クリーフだろう!
しかしジェームズ・コバーンはリー・ヴァン・クリーフよりも笑顔が多く
実際本作の役はジェームズ・コバーンで良かったと思える。
他にアクションがのっぴきならない事になっていて、とにかく派手。
ジェームズ・コバーンが爆薬使いなせいか、至る所爆発だらけ!
「ウエスタン」に見られたような冗長性・水増し感も無く
「夕陽のガンマン」のようにストーリーがどんどん進展していく小気味よさ。
これはひとえに、セルジオ・レオーネが自分が監督するつもりが無くて立てられた企画だからかも知れん。
実際、レオーネが作りたくて作った「ウエスタン」も「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」も
無駄なシーン満載でかったるい事この上なかったからね。
とにかくレオーネ西部劇の集大成とも言える内容の本作。
俺的には大オススメできる傑作であったと言えよう。
なお、本作のテーマはメキシコ革命であり、本来なら西部劇(マカロニ・ウエスタン)のテーマに入らないかも知れないが
多くの評価でメキシコ革命物はマカロニ・ウエスタンに含まれているため
本作もジャンルは西部劇にカテゴリーしました。
あしからず。