
「荒野のストレンジャー」
原題:HIGH PLAINS DRIFTER
1972年 米 101分
■監督:
クリント・イーストウッド
■出演:
クリント・イーストウッド
ヴァーナ・ブルーム
マリアンナ・ヒル
ミッチェル・ライアン
●あらすじ
イーストウッド監督の第2作目にあたる、自らが主演した異色のミステリアス西部劇。
陽炎の中から馬に跨がり現れた謎の男は、いいがかりを付けた男どもを目にも留まらぬ早業で撃ち殺しその町ラーゴに居着く。
その頃、以前逮捕した無法者たちが刑期を終え、ラーゴに仕返しにくる事を知っていた町の保安官は、
その男の腕前を見込んで用心棒を頼む。
その役を引き受けた男は町の男どもに射撃訓練をさせるが、町中を赤いペンキで塗らせたり、
野外パーティの準備をさせたりと奇妙な行動も取って行く。
そしていよいよ無法者たちが町になだれ込んでくるのだが……。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
本作を観る前に「真昼の決闘」を先に観ていてよかった。
本作を最後まで観ると、「真昼の決闘」のその後を描いているとも思える作りにしごく納得する。
イーストウッドの正体も、当時山ほど作られている西部劇にはないパターンであり
監督二作目でありながら、イーストウッドの作家性が現れていて非常に興味深い所でもある。
そういえば監督第一作目である「恐怖のメロディ」もそうだったが、予算は多くないように見受けられる。
まあ、当時はまだそこまで予算が与えられなかっただけかも知れないが、低予算な作りも好みな所ではある。
ストーリーの方は、冒頭イーストウッドが三人を一瞬で射殺する辺りは、流石マカロニ出身と言える点だが
全体的に話の進みが遅いきらいはある。
街の人間への奇妙な行動や、弱者への救済辺りをもっと強調して描いても良かったのではと思えたが。
話にメリハリがなく、のっぺりとした作りになっているのは娯楽性が薄く感じるが
「恐怖のメロディ」もそんな感じだったので、イーストウッド監督はそうなのかも知れない。
後年、本作のセミ・リメイク的な内容の「ペイル・ライダー」を作ったらしいが
その内観てみる事としよう。