「散歩する霊柩車」
1964年 日本 88分
■監督:
佐藤肇
■出演:
西村晃
春川ますみ
渥美清
曾我廼家明蝶
金子信雄
●あらすじ
グラマー女房の浮気に悩まされる小柄な亭主が、
浮気の相手から五百万円をユスリ奪ったことから続発する事件を、エロチックなムードで描いたコミック・スリラー篇。
小柄な麻見に対して、妻のすぎ江は大型な豊満な女性であった。
すぎ江は、タクシー運転手の夫の留守に、医師の山越、初老の北村、ハリキリボーイの小倉と、浮気心を満足させていた。
喧嘩の絶えない夫婦が思いついたのは、すぎ江が恋の清算をして、
自殺という仕掛けで、麻見がその死体入りの棺桶をかつぎ廻り、山越や北村をゆすろうということであった。
小心者の北村は五百万円、山越もまた札束を積むかにみえたが、彼こそこの狂言の作者で、すぎ江を騙し、人のいい麻見を利用したのだった。
樹下太郎原作。ビデオ未発売。
(東映チャンネルより)
★感想など
西村晃・春川ますみ・渥美清の名優三人が繰り広げるスリラー劇。
昭和の時代にスリラーという内容は、非常に良く似合う。
西村晃の演技が上手すぎて、最後まで飽きることなく一気に観れてしまう傑作。
渥美清も以外な役処とも言えるが、最後まで話に絡んでくるのは強引と見るか当然と見るか。
途中で金子信雄がいつも通りの演技を見せてくれ、だれそうになる中盤に活を入れてくれる。
とにかく脚本が面白く、ラストのオチも話しにあった終わり方。
今では絶対にあんな終わり方にはしないだろうと思うと、時代性を感じる。
観る機会は少ないが、チャンスがあったら是非見て欲しい一作です。