レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

人魚の眠る家

2021年11月03日 23時32分47秒 | ドラマ

「人魚の眠る家」
2018年 日本 120分
■監督:
 堤幸彦
■出演:
 篠原涼子
 西島秀俊
 坂口健太郎
 川栄李奈
 山口紗弥加
 松坂慶子

●あらすじ
東野圭吾の同名ベストセラーを「SPEC」シリーズ、「RANMARU 神の舌を持つ男」の堤幸彦監督が映画化したミステリー・ドラマ。
“脳死”と判定された我が子を巡って夫婦の運命が大きく狂っていくさまをエモーショナルに綴る。
主演は篠原涼子と西島秀俊、共演に坂口健太郎、川栄李奈、田中泯、松坂慶子。
2人の子を持つ播磨薫子だったが、IT機器メーカー社長の夫・和昌とは別居中で、
娘・瑞穂の小学校受験が終わったら離婚することになっていた。
そんな時、その瑞穂がプールの事故で意識不明となってしまう。
医師からは回復の見込みはないと脳死を告げられ、夫婦は苦渋の決断で臓器提供を受け入れる。
しかし薫子は直前になって翻意し、和昌の会社の研究員・星野のある研究成果に最後の望みを託すのだったが…。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
つい先日観た「22年目の告白-私が殺人犯です-」は、劇場公開の予告編をふと観たら
凄い面白そう。観たい! と思ってたんだよね。劇場行こうと思ってたくらいだったからね。
でそれと同じく本作も気になってた一作。
こちらは駅に貼られていたポスターが気になったかな。
篠原涼子の表情と「娘を殺したのは私でしょうか」と言うキャッチコピーに。
東野圭吾は読んだことないんだけど、うちのかみさんは好きで良く読んでいる話は聞いていた。
前から観たいと思ってた「22年目の告白-私が殺人犯です-」に触発されて、
同じように思っていた本作も観てみたが、
こちらも傑作だった!
ただ本作はいくつかの目線で描かれていると感じた。
話の軸となるのは勿論母親である篠原涼子の”愛”と”狂気”。
そこに狂った科学者としての菅波先生の人。
そして眠る娘を奇異な目で見つめる周りの人間だろうか。
まず私が強く感じたのは、篠原涼子の”愛”は当然と感じたことだ。
これは子供を持つ親なら大なり小なり共感できると思う。
ただ本作で違和感と言うか納得がいかないのは、脳死の娘を何とか助からせたいという親の気持ちを
誰一人理解する人間が周りにいないことだ。
一番それがひどいのが篠原涼子の妹の山口紗弥加で、山口紗弥加は篠原涼子の娘は死んでいると思っているだけでなく
恐らく自宅で自分の娘にもそう口走っていること。
脳死状態になっている篠原涼子の娘は山口紗弥加にとってみれば自分の姪になるのに
山口紗弥加は姪に対して愛情が欠片も無いかのように映る。
自分の子供がやらかした時も、子供は庇うが実の姉に対しては謝罪の一言も無し。
元々は自分が原因で自分の子供が失言して篠原涼子のことを深く傷つけたのに。
篠原涼子の母親である松坂慶子も、自分が孫を連れてプールにいった時に起きた事故が原因になったせいか
自責の念は相当強いがそれだけなんだよね。孫への愛情より自責が強すぎと言うかそれしか見えてこない。
これ他人ならともかく自分の家族の娘がそんなことになり、必死になっている母親を
そこまで冷たい目で見るかね。って言うのが素直に感じたことだった。
だがこれは観る人の感想によって大きく変わると思うよ。
実際本作は母親である篠原涼子がどんどん”狂気”に陥っていくホラー・サスペンスと思う人も多いだろうし。
だが一番狂っていたのは菅波先生だねえ。
彼は正にマッド・サイエンティストで、やっていることはフランケンシュタイン博士や
「死霊のしたたり」と全く同じだ。いわゆる科学だけに囚われすぎて、人間の感情など全く無いところが。
ただ最後は改心したのかどうか微妙な描写だったけど、きっと彼は一生変わらないだろうな。
とまあ色々とつらつら書いてみたが、泣ける場面も多く最後の方は心がちょっと暖かくなるような良い映画でしたよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする