イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

アイスでアールグレイ

2008-12-14 19:51:18 | 世相

安倍晋三さん、福田康夫さんと、総理大臣がズタボロになった挙句にキレ辞めしちゃうケースが続き、現職・麻生太郎さんにも“それフラグ”が立ち始めたせいか、いつも言われることですが「自民党政権は、自分ら党員・代議士で総理総裁を選んで担ぎ上げておきながら、世論調査で支持率が下がって旗色が悪くなると寄ってたかって叩いたり足引っ張ったりするのは良くない」「自分たちが選んでトップに戴いた人が、批判にさらされているときほどフォローし支えるべきじゃないのか」と、“政局前がかり”に警鐘を鳴らす論調が目立ちます。

しかし、まぁこれも仕方がないかなという気もする。世間的人気のない権力者を、閣僚や側近ら彼に任命された部下たちが一生懸命庇ったり弁明にこれつとめたりしていると、テメエらが互選の結果選んだトップだから当然ということとは別に「ポストもらった義理果たすためだろ」「それ以上に、ポストに付随する利権が惜しいから、トップを擁護すんだろ」「トップがこけたら自分もただの人、年収激減だもんな、ヘッ」と思われてしまいがち。

 基本的に、“権力の座にある者の味方をする”のはいつの時代もカッコ悪い。小泉純一郎さんの在任中みたいに、トップが世間的にも人気だったら安心して「ボクも味方です、賛成です、推してます」「トップもボクを見込んで重用してくれてますんで、評価してくださいヨロシク」と世間にアピールできますけどね。

あんな具合に「ボクも味方」「ワタシも腹心」「ワタクシも見込まれてるのよん」と“チルドレン”がうじゃうじゃ湧いてくるのも気持ちが悪いし不健康だったけどな。政界再編か?総選挙か政権交代か?なんて話題が賑やかしくなるたびに、多数決に基づく民主主義ってこの国に合ってるんだろうか?民主主義を標榜し、実地運用するに足る民的力量が、この国にいま有るんだろうか?とつい考えてしまいます。

 今日はそんなことより、このところ連続して考察している『相棒』の、虚構としての磐石さを支える一要素として“『相棒』では常に世界が秋~冬である”を挙げたかったのです。

これは、レギュラー化後のテレビ朝日の当該放送枠水曜夜900で『相棒』に充当されるクールが常に10月~3月だからで、実際の撮影は真夏から行われていることもあると思うのですが、おかげでいつも右京さん(水谷豊さん)はサスペンダーの三つ揃い、特命ルームのコート掛けにはブリム付きのハットがかかっていて、聞き込みにはロングコート。亀ちゃん(寺脇康文さん)はおなじみエンブレム付きブルゾンとカーゴパンツを場面転換に合わせて何着も着替え、「ヒマか?」の角田課長(山西惇さん)はペールカラーのいろいろなニットベスト。

過去の事件を振り返る回想フラッシュなどを含めても、“東京のむせ返る夏”がほとんど画面に登場しないのは、リアルタイムの放送を追尾していれば単純に現実世界とシンクロしているだけなので、特筆すべき何ものも感じないでしょうが、再放送やDVDで観た場合、かなりの“巧緻な人工的虚構感”があります。

逆に言えば、角田課長や課員大小コンビ(久保田龍吉さん志水正義さん)のお盆休み帰省、たまきさん(高樹沙耶さん)・美和子さん(鈴木砂羽さん)の浴衣姿、炎天下でYシャツの袖まくって汗拭き拭き現場検証するトリオ・ザ・捜一(川原和久さん大谷亮介さん山中崇史さん)、“夏服”で指紋遺留品などを探索する鑑識米沢さん(六角精児さん)、「それにしても暑いと思いませんか、この部屋、空調がどうかなってるんじゃないかしら」と扇子使いつつぼやく小野田官房長(岸部一徳さん)など「あるんだろうけど、映像化したらどんなんだろう」ともろもろ想像力を刺激する契機ともなっているのでした。

亀ちゃん、真夏はもちろんブルゾン脱いでるだろうし、インナーのTシャツにエンブレム?パンツはまさか短パン?“きちんとオフィシャル”にこだわってそうな右京さんは、まさか羽田元総理ばりの省エネスーツ?英国トラディショナルにはないしまさかね?等興趣尽きない。画面でつまびらかに見せられ、描写されることなく、“描かれないこと”によってこそ存在感が際立つ。“『相棒』の夏”は幻なるがゆえに心惹かれまさるものがあります。

コメント
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