イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ファナスティ知ってる?

2008-12-24 22:09:53 | お笑い

M1グランプリ2008、最終決戦にもれた組についても書いておこうと思っていたら、このブログの大家さん=ブログ人週替わりトラバテーマ“ブログ人投票箱”←←(左柱)←←にも登場していますな。こうして不特定多数に投下してもいいくらい、年末の恒例として定着したということでしょうか。

月河はここ5年ほどは、少なくとも『紅白歌合戦』なんかよりはくっきりはっきり楽しみな番組ですね。師走に入って、仕事や体調がきついとき、「大晦日には『紅白』が観られるから頑張ろう」とはまず100%思わないけど、「もうすぐ『M1』があるから頑張ろう」とは一度ならず脳裏をよぎります。

家族や、大晦日夜も職場で過ごす年は休憩室仲間に付き合うにしても、『紅白』が大半“見たこともない人たちの、聴いたこともない楽曲”になって久しいですが、『M1グランプリ』は、名前すら知らない組が出場の過半数を占める年であっても、観れば外れなく、尻上がりに楽しめた。演者たちのネタの総体的なデキや、司会進行がスムーズだったかどうか、個人的に気に入った組が好成績をおさめられたかどうかなどで、毎年感想に多少のデコボコはあるものの、やはり“ここへ来るまでに、13回戦、準決勝と、時間をかけステップを踏んで、選りすぐって選りすぐってやっと到達した”という、出場者・製作スタッフ共々の積み上げ感が、番組としての見応えにつながり、前の記事でも触れたような“良きお祭り感”を醸し出していると思う。

トップバッターのダイアンが、素直なすっとぼけ漫才で、思った以上にデキがよく席の温っためにも貢献してくれたのは今大会の大きなプラス材料になりました。昨年はネタの選択も誤ったしひとつもいいところが出ませんでしたが、サカナ顔で“いけしゃあしゃあ飄然”のボケ西澤と、サル顔で暑くるしい滑稽味のツッコミ津田、2人水と油みたいなのが、今年はプラスに転じた。決勝進出決定通告時のVTRでも2列ぐらい離れて座っていたように、このコンビどう考えても芸風的に合わないんじゃないか?と今年も思ったんだけど、逆に、その合わなさがうまく行けば素晴らしい相乗効果を生むこともあるかも。あのダウンタウンも、子だくさんで恐妻家のツッコミ浜ちゃんと、四十路半ばにしていまだ独身風俗帝王のボケ松っちゃんだからこそここまで保っているということもある。

ただ、ダイアンに話を戻すと、序盤の「指さすな、指はやめとけ」のやりとりがちょっと長すぎてくどかったか。オチの明解さ、伏線との呼応具合は全組一番だったと思います。

笑い飯に関しては、実は04年ぐらいから「早く優勝して勝ち抜けてくれないかな」と思っているんです。それくらい、有体に言ってしまうとこの芸風に飽きた(爆)。そりゃ言い過ぎか。彼らのガチネタが観られるのはM1だけだもんでね。ここまで来ると(02年から連続決勝ラウンド出場)、彼ら単体の中でのお祭り感、ひと皮剥けを期待するより、“『M1』のシンボルキャラクター”としての定着を目指しちゃったらどうかな。「この顔を見ると今年もM1だ」みたいな。「自分達のスタイルを茶化してみるようなセコいことやってみました」と短髪の哲夫が自虐していましたが、“斬新”“自由”に殉じるという、その方向性もそれはそれとしてカッコいいと思う。昨年はトップバッター、今年は2番手、そのうち演順と前の組までの流れにものすごく恵まれれば、あの足踏みは何だったのかってぐらいの圧勝するかもしれない。実力具合は嫌になるほどわかっているだけに、逆にちょっと番組のお荷物化してきました。

モンスターエンジンは、コントやピン芸の印象が強かったからなのか、客席も審査員も漫才として受け止めるのに若干手間暇を要してしまった分点が伸びませんでしたが、若手さんたちが好んで演りたがるヒーローネタ、特撮ネタの地合いに置くと図抜けて面白かったと思う。ただ、「この人たちなら漫才で評価しなくても、他ジャンルでじゅうぶんやっていけるだろう」という空気が、会場になんとなく漂っていたことは確か。器用でいろいろできるのも良し悪し。

U字工事『爆笑オンエアバトル』でよく見ていたオンエア時のノリをよく失わずに演れていたし、司会今田耕司さん、楽屋リポート木村祐二さん、敗者復活会場レポート藤井隆さん以下圧倒的に“西寄り”会場の中、よく栃木弁の持ち味を出した。ただ磯山さやかという個人名を契機に展開していく方法がちょっとどうかな。キングオブコント08バッファロー吾郎でも思ったのですが、有名人名やアニメタイトルなど“有りモノネタ”は“安い”気がしてどうも評価できない。栃木を使った可笑しさで勝負するなら他にもネタがあっただろうに。

ザ・パンチは初見。点数ほど悪くはないと思いましたが、ネタ後採点待ちトークでの今田さんの「死んでー~!」の、見事にこなれた取り込み方を見るにつけても、この人たち自身、“M1汁(じる)”の滲み込みがいかにも浅いうちにラストチャンス(デビュー10年)になってしまった感じ。

昨年に続いての決勝進出となったキングコングは、2年連続の決勝がそれ自体目標になってしまったようで、昨年と同じ職業ネタで来たのに昨年2本に比べて明らかに緩く、間が空き過ぎ。特にツッコミ西野、昨年の逸勝後号泣したところで事実上緊張が切れたのか、漫才師には珍しい円らな瞳ゆえに、歴然と映ってしまう色が完全に“仕事”“営業”。審査員の中田カウスさんが「アタマで漫才してる感じで、ハートがついていってない」と見事に言い当ててくれました(それに続けて「ネタの選択間違えたんちゃうかな」とフォローしてくれる辺りがカウス師匠さすがですが)。

出場者とネタ以外では、サブ司会の上戸彩ちゃんが思いのほか自然体でのびのびやっていて気持ちよかったですね。二の腕出す衣装だと、結構上半身の肉付きいいのね(オヤジか)。オードリー春日の「ウォイ」がお気に入りだったみたいですが。NON STYLEの最終決戦「あ、室伏?」で抜かれていたのは、オロナミンCCMで共演済みだったことだしカメラさんナイス。

審査員席に目を移すと、島田紳助さんが終始、何で?ってくらいの仏頂面を続けていたのがものすごく気になりました。決勝進出の顔ぶれに納得が行ってなかったんでしょうか。それにしても、ご自身単独司会の番組ではあれだけ盛り上げ上手なのに、抜かれるたびあの険しい顔つきはお笑い・バラエティのプロとしてどうかと思いました。少し審査員休んだらいかがかな。

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ほら―!

2008-12-23 01:01:10 | お笑い

とりあえず上沼恵美子さんの「オートバックスのCMが浮かびました」は、クラスや職場に、可笑しな2人ないし3人組がいたら速攻使えそうですね。M1グランプリ2008、決勝ラウンドの時点で、7番手登場のNON STYLEに優勝してほしいなと思ったので、当たりで嬉しい結果になりました。よほど緊張していたらしい白ずくめのボケ石田は、一気にほどけ過ぎて、フィギュアスケートの織田信成選手みたいにグシュグシュになってましたな。

昨年「これはいけそう」と思った、ラストチャンスのトータルテンボスがここで次点の後、3ヶ月後に『爆笑オンエアバトル』チャンピオンになったことでもあり、そこで防衛成らなかったNON STYLEが今年のM1を獲れば、形としてもきれいですよね。

演ってみなけりゃわからない、当日生放送での演りデキも、一番文句なしだったと思います。最終決戦進出の他2組がナイツ、敗者復活からのオードリーと決まった次点で、ノンスタ勝てる!と実はひそかに思ったんです。ナイツ・オードリーともに基本は“行っては止まり、流れては遮り”という変則的な漫才。水難少年救出、ホラー映画と、ひとつの状況設定からボケツッコミ、ボケツッコミを重ねてゴロゴロ雪だるま式にエスカレートさせて行くコント漫才の醍醐味、堪能させてくれたのは彼らだけでした。

新人演芸大賞(当地は1122日当夜、地震のためオンエア中断)受賞のナイツは寄席経験を強みにしていますが、漫才としての巧さとは別に、存在感がなぜかしら暗い。古いと言うより暗い。いまさら宮崎駿、いまさらSMAPという“敢えていまさら”な材の取り方は戦略として認めていいと思うけれど、『笑点』にしても先般の演芸大賞にしても、この人たちの名前を番組表で見たとき、録画してでもネタを見たいという気持ちにさせてくれる“何か”が決定的に欠けている。ここまで来ると島田紳助さんがずばり言っていた“好み”に尽きるかもしれませんが、決定的なものはどこまで行っても決定的。

片やオードリーは、形としては今回の決勝組の中でいちばん斬新だったかもしれない。しかし基本的にはボケ春日のキモ可笑し・キモ可愛キャラ芸なので、いかにも飽きられるのが速そう。この方向では『オンバト』常連組に限ってもイワイガワやハイキングウォーキング、スマイルなど枚挙に暇がありませんが、そういった一連のキャラ押しグループの中でも「一ネタ後、是非もう一本別のネタを見たいと思わせる」力において、頭ひとつ抜けているとは言い難い。なんか、お腹一杯感、「何本見ても一緒そう」感が生じてしまうのです。昨年のサンドウィッチマンの快挙で、敗者復活組からの最終決戦進出は注目されましたが、これまた“好み”の問題かもしれないけれど、サンドのようなシャイな可愛げ、愛嬌含みの山だし感が、オードリーって、ありそうでない。ナイツの“暗さ”同様、これもかなり致命的。

昨年春、NON STYLEがオンバトチャンピオンになったときにここで書いた記憶がありますが、日本人がTVのお笑い、特に2人以上の対話によって紡ぎ出されるジャンルである“漫才”に求めるものの第一は、良き“お祭り感”だと思う。TVドラマなら良き“非日常感”に相当する。巧さも、渋さ、斬新さも、これに先んじる要素ではない。可愛さやキモさにおいてをや。

お祭り、つまりは高揚感です。NON STYLEは今回の決戦参戦組中、この点で一歩前に出た。地元大阪の上沼恵美子さんや島田紳助さんが「彼らがこんなに(漫才が)できるとは」と驚いていた通り、ネタ番組以外でのレギュラーをすでに多数抱えていて、そこでの露出とのギャップ=高低差も、うまく高揚感に結びつけることができた。

あのダウンタウンも80年代に数々の新人タイトルをものにしながら、東京進出成功までには何度かの試行錯誤や巻き直しがあったように、大阪出身の芸人さんには、東京発全国区の番組で認められるというのは本当に悲願なんですね。昨年の『オンバト』におけると同様、NON STYLEはこういう、大阪由来の東京コンプレックス…と言って失礼なら、発射角度を誤れば嫌みやクサみになりかねないハングリー精神みたいなものを、お笑い瞬発力に変換するのが、本当に達者だと思う。彼らのネタをオンバトで初めて見たとき、元気良かった頃の「ビキビキ」ビッキーズを思い出したものですが、“ビッキーズのヤングでスマート版”と言ってもいい。

それにしても、昨年1年オンバトでチャンピオンに君臨、今年3月の防衛戦でも3位と堂々たる成績をおさめている彼らが、「フリートークはともかく、ネタはできる」との定評を、若手の芸ウォッチに熱心と聞く島田紳助さんにも得られていなかったらしいのは意外も意外。お笑いの本場・大阪でもこの程度の体温なんでしょうかね。“ブーム”に終わらない高原状態が続いていると思っていたお笑い界の、ひそかな冷え込みが垣間見られた気がします。若手芸人の露出の機会は多くても、必ずしもネタ披露のチャンスは多くないんですね。

最終決戦進出ならなかった組についても改めて書くとしましょう。

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193の753

2008-12-22 00:27:26 | 映画

ここではなんとなく『炎神戦隊ゴーオンジャー』について書く機会が多くなっているのですが、スーパーヒーロータイム後半担当『仮面ライダーキバ』も、ちょっと目を離すと、(いい意味で)とんでもないことになっていますな。

特にイクサ名護さん(加藤慶祐さん)がここまではじけきってくれるとは、登場初期に誰が予想したでしょうか(おもに今日2145話終了後のプレゼント告知中心に見て言ってますが)。

もともと仮面ライダーはオリジナルが“改造人間”でしたから、全方位に健康的で明朗快活、善良フレンドリーなキャラであることは稀で、どこか哀愁やトラウマを背負っていたり、市民生活になじめそうになく友人も少なそう、思想や言動も変身前から奇矯だったりするのがつねではあり、イクサ名護のような“唯我独尊”あるいは“正義原理主義”ライダーも毎作1キャラは必ず登場するのですが、序盤はヤなヤツキャラだった名護さんの“おもしろ開花”は、『龍騎』におけるおカネ大好きナルシスト弁護士ゾルダ北岡(小田井涼平さん)や、『カブト』におけるやさぐれブラザー・キックホッパー矢車さん(現ゴーオンゴールド徳山秀典さん)のポジションシフトを思い出させるものがあります。或る週の、或る特定のエピソードが、目で見て「ここから」と指差できる転機になったということではなく、デフォルトの設定が深化し、俳優さんの役読み込みともどもこなれていくうちに、自然と重心が移動していき、ベクトルができてきたということでしょうね。

『キバ』も『ゴーオン』以上にアイテム数投入面でも大攻勢をかけていますが、おかげで家計簿がレッドになったお母さん、顔面がブルーになったお父さんも多いことでしょう。来年こそなんとか帳尻ブラックに戻るといいですね。

今日の放送終了後は、例年ならDVDリリースのみで公開になるヴァーサス・シネマ『ゴーオンジャーvs.ゲキレンジャー』が、来年124日から劇場公開になるという、聞き捨てならない告知もありました。ついこの間、買うに事欠いて60型フルハイビジョンTV買っちゃった知人宅で『デカレンvs.アバレン』を再生して見て、いちいちあまりにでかいので、あきれたり感動したりしたばかりですが、今作はいきなり映画館の大スクリーンで皮切りですか。そいつは春から縁起がでかい。

例年ならば40分ちょっと止まりのヴァーサスOVAも、劇場版としてのお披露目となれば若干尺も長くなるかな。昨年の『ゲキレンジャー』に関しては、本編放送中は大半脱落だったのですが、最近某動画サイトで、セクシーでデレでブリなメレさん(平田裕香さん)を見つけ、彼女のキャラクターソング『ちぎれた羽根』とともにいまさらながら心惹かれ始めているんです。あの、くるくるストローみたいなヘアスタイルがなんとも“女子ゴコロ”をくすぐる。とことん細くて小顔なプロポーションに、筆で描いたような目鼻立ちの平田さん、まさにアニメの立体化。

本篇では最終回前に美しく退場してしまった理央様(荒木宏文さん)・メレさんに、無間龍ロンの臨獣殿チームも予告に登場、初期からの『ゲキレン』ファンにも劇場公開からのスタートは嬉しいことでしょう。仄聞するところでは、中村雅俊さん主演の映画が製作会社の資金ショートで公開頓挫してしまい、全国東映系の配給スケジュールに1クールの空白を生じたアクシデントが直接の原因らしいですが、今作の動員成績が良ければ戦隊ムービー、恒例の夏休みに加え、正月も劇場公開が定例になるかもしれません。実績貢献のために、年明け暇と資金を作って映画館に走るか。

…しかし、例年ヒーローの交代期は、リリースラッシュで手元資金が“どレッド”になるしなあ。悩ましいところです。

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飩飩飩、丼丼丼

2008-12-21 00:43:14 | お笑い

M1決勝が明日(1221日)に迫ってきたところで、『爆笑オンエアバトル』18日放送分をさらっと振り返っておきますか。前週11日放送分も録画視聴はしたのですが、きわめてそれなりな結果(1位フラミンゴ497kb、同点5381kbでしずる、ヒカリゴケ)だった上、最後の次回予告の部分がそっくり録画ミス。したがって現時点でのディフェンディング・チャンピオン、トータルテンボスの出場も知らず出会いがしらとなりました。

そのトタテン、485kbで本日の2位と、チャンピオンとしてはまあまあの結果でしたが「まだこんなのやってるのか」ってぐらい安全パイな、“聞いたふうな態度のヘン店員”ネタでしたね。戴冠後ガチでネタ演っているのを見るのは久しぶりだったので、安定感以上のものを期待したのですが。演順三番手で、客席はまずまず温ったまっていたし、出の空気も最高で、“オンバトが育て送り出したチャンピオン”としてこれだけ好意的に迎えられているのだから、いま少し新境地を披露しようという姿勢があってもよかった。

初挑戦のモンブランズが僅差の3481kbと大健闘。太鼓・お囃子ネタ自体は他の組も演っているし、ひとりのナレーションに合わせて、動く紙芝居式にもうひとりがアクションボケという形も珍しくないのですが、勢いは今週一番。冒頭の、恐る恐る試し叩き・試し打ちのくだりを丁寧にやったのがよかった。でもやはり真価は次オンエア待ち。

上々軍団4465kbは、例によっての歌ネタにしては、“告白オリジナルソング”に絞った分、いつもよりくどさや押しつけがましさがなくてスマートにまとまっていたと思うけど、サファリパークのくだりは何がおもしろいのかまったくわからなかった。関東地方限定かな。ツッコミ鈴木がボケ岡見を「トキちゃん」と呼んでいるのに初めて気がつきました。それにしても、この人たちが昨年1回、満kbを出したのはいまだに返す返すも信じられません。あれはいったい何だったんだろう。

5445kbトップリードが、ネタの着眼や演じ方はいちばん緻密で完成度が高かったと思いますが、ちょっと小さなハコ向き、単独ライブ向きに過ぎたかな。全体に“大きめのクスクス笑い”に終始した感じ。でも、これくらいの小作りなネタで着実にオンエアを重ねられるようになったのは心強いですね。「下ネタになっちゃう~」は笑ったな。

で、演順9番手のトップリードがこのように“内向き”だった反動で、彼らに続いた演順ラストのブロードキャストがまさかの509kb1位だったわけです。冒頭ツッコミ房野の「子供好き」からサッカー審判ネタへの持ってき方の強引さといい、粗いわ、房野は声の通り、ボケ吉村は滑舌が、例によってところどころ悪いわで、めちゃくちゃ乱暴なんだけど、なぜか不思議にここ最近のオンエア時のこの人たち、ひと皮剥けた頃のパンクブーブーや、勝ちパターンが決まってきた頃の三拍子、タイムマシーン3号辺りを思い出させる空気があります。ただ、“勝ちパターン”がどんなのかと言うと、まだふわふわして、海のものとも山のものとも。とりあえず、“吉村のボケを房野が入れ替えて演ってみて、結局さらにボケられる”構成は、もっと洗練してしつこく追求してみる価値あるかも。

今夜(20日深夜)は決勝イブということでM1特番もあるようですが、まだ決勝進出組の面子も未チェック。忙しくなってきました。

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以上です。

2008-12-19 17:47:42 | 夜ドラマ

さて、『相棒』Season7、『レベル4 亀山薫最後の事件』前・後編(1210日・17日放送)に触れないわけにはいかなくなりました。

昨年の今頃を想像すると、このシリーズ、ロングラン人気作として放送継続していることは知っていたし、たまさか不定期で再放送される2時間SPなどは高齢組随伴で観てもいたんですが、まさか「見逃せない」「避けて通れない」級の体温に、自分がなるとは思いませんでした。

春の劇場版公開に事寄せて、当地のローカル局が旧Season各エピを猛烈な勢いで、しかも順不同で再放送し出したため、過去の経緯や人物ごとの時間経過が、『アタック25』のパネルを飛び飛びにめくるようにわかってきた、その隔靴掻痒さが逆に興味をつないでもくれました。

とりあえず“亀山卒業”の部分限定で言えば、目先の事件のために事態急変して、亀山本人も周囲も「思ってもみなかった」形で特命係を去る展開でなくて安心しました。「思ってもみなかった」の極北には“永遠の別れ=殉職”がありますが、その他にも不本意なペナルティを取られての配転とか、障碍を負って休職帰郷など、“余儀なくされる”悲しいサヨナラパターンはいくらでも考えられましたからね。亀山くん(寺脇康文さん)自身が、何ものからも強いられることなく自由意志で考えて考えて、望んで選んだ前向きの退職として描いてくれたのは(伏線が少なくて唐突だとか、亀山の刑事職への執着を軽く扱い過ぎなどのそしりは免れないにしても)素直に良かったと思える。

なかんずく“サルウィンに根を下ろしに行く行かない”“警察官・公務員の職を辞する辞さない”の決断に当たって、亀山が上司の右京さん(水谷豊さん)にいっさいご意見うかがいをせず、あえて「少し様子が変わってきましたかね~」と右京さん持ち前の観察力で“何か方向転換の決意を固めているなと察し読み取られるまま”でいたことが爽快でしたね。

Season4『天才の系譜』冒頭、“右京さんがホテルの前でモデル風グラサン美女(←実は遠縁の姪)と抱擁、現金渡してる”現場を目撃してしまい、翌朝出勤後、どう切り出していいか逡巡に逡巡を重ねる亀ちゃんに右京さん「キミは朝からもう6回、何か言おうか言うまいか考えて、その都度言わないほうを選択している。僕はその選択を尊重しているつもりなのですが」の場面を思い出さずにいられません。何を考えどう決めようと、右京さんはお見通しなのを、亀ちゃんがいちばんよく知っている。打ち明けても打ち明けなくても一緒なら、「打ち明けるのを待ってくれている」と考えるべき。亀ちゃんと右京さんの、静かな、揺るぎない信頼関係です。

愛妻・美和子さん(鈴木砂羽さん)にもギリギリまで表明してなかったのはさすがに意外で、そりゃないだろと思いましたが、こちらは単純に“怖くて言い出せなかった”っていう薫ちゃんクオリティでしょうな。実家母への美和子さんの電話、ありゃ発信ボタン押してないブラフくさかったね。個人的に「“わぁうれしい~(←手踊りつき)”」が良かったな。

もともとこのカップル、Season3で前触れなし(←再放送未確認)に美和子さんが鹿手袋くん(西村雅彦さん)に走ったり、家族とか夫婦というより“部活仲間”みたいな空気感がある。どちらが前線でどちらが後方でということはなく、「力を貸してくれ」「私にできることがあるなら」と“コラボ”の地合いができれば一生どこでも行けそう。

「お世話になりました」と亀山に最敬礼されたときは「特に何も」言えなかった右京さんが、翌日小野田官房長に「また1人になったね」と言われた後、「ひとつ、言い忘れていました」と亀山くんに電話するラストシーンは最高でした。小野田と歩いていた場面とは、背景が違っていたので、小野田からの食事の誘いをことわってから心の整理をつけるべく、右京さん1人でだいぶ歩いたっぽい。

気をつけて「行って来て」下さいではなく、「行って」下さいなのが、右京さんとしては亀ちゃんの“根を下ろす”意志を尊重したつもりなのでしょうけど、何だか特攻隊か「アムロ行きます」みたいで、ぎゅっとせつなくなりました。「言い忘れていました」と「気をつけて行って下さい」との間に、「キミが僕の相棒なのではなく、僕が……………いや、ちょっとまとまりません、失敬」とかなんとかもうちょっとデレ発露な台詞があっても…と思ったのは月河だけではありますまい。“知力は天才、運動能力も抜群なのに、人間関係力皆無で、味方ができにくく敵をつくりやすい”という設定がこのところ影をひそめ、おもしろスーパー名探偵化していた右京さんですが、最後に来て不器用口下手キャラ炸裂。

そんなこんなで、亀山卒業パートを余情こめて描くために、『レベル4』のウイルステロ事件本体部分が放送時間的に駆け足になったのは惜しまれるところです。

まぁそこは亀ちゃんの顔を立てて大目に見るとしても、“亀山薫最後の事件”として記憶に残すにはちょっと陰惨に過ぎる、おぞましい事件でした。

ウチの高齢組などは、後から本物ウイルス注射されて発症してしまい、間一髪亀山が右京の指示のもと防護服で隔離した警官(鑑識課員?)を、隔離室で症状悪化するのをただ見守っている(=注射されない他の警官たちが発症しないことを確認している)くだりで完全に引いていましたね。「血を吐いてあんなに苦しんでいるのに、なぜ外に知らせて処置を乞うてやらないのか」「既存の抗生物質なんかは効かない新ウイルスだとしても、死に至る苦痛を僅かの時間やわらげてやることぐらいどうして考えないんだ、皆、警察の僚友だろうに」、高齢組その2に至っては「右京は真実のためなら12人死ぬのは平気だからな、亀山も右京の薫陶よろしくどっか冷血だ」まで言ってましたよ(その舌の根も乾かないうちに、「気をつけて」のくだりでは普通に半泣きでしたが)。

月河が改めて知る美声に軽く惚れそうになった袴田吉彦さん(昼ドラ来演待望)扮する、ゲーム好き研究員・小菅の、理系頭デッカチくんで身体軟弱なくせにじんわりねっとり愉快犯体質な佇まいも、高齢者にはことのほか不快を催すキャラだったようです。

「ダメですー!私たちは警察官ですー!」と漢(おとこ)っぷりを見せた米沢さん(六角精児さん)が独走でカッコよかったですね。死のカウントダウンかもしれない隔離室から右京さんに携帯で状況報告するなど、ほとんど戦隊における“知性担当のイエロー(イエローかよ)”みたい。来春公開のスピンオフ主演劇場版に、絶好の橋渡しとなったことでしょう。逃げた前夫人が、惚れ直して戻ってくるかも。

米沢さんたちが動揺をこらえて(泣いてヘタリ込んでる課員もあり)必死に応急封鎖した部屋に特殊部隊が入るとき、ガラスの外にいた刑事たちが「ガンバレよー!」「助けてやるからなー!」と根拠なき激励投げかける場面が、“ムラ社会日本における感染症の恐怖もの”らしくていいリアリティでしたが、今週はとにかく“亀山卒業”を優先したので、その部分での食い足りなさ、おぞましさフォローの不足は仕方がないかな。

元日SPまで2週間あるし、ゆっくりリピートしてまたここでいろいろ書きましょう。

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