雑感日記

思ったこと、感じたことを、想い出を交えて書きたいと思います。

ものを金に変えるー4 昔話ー15

2006-12-22 06:53:49 | カワサキ単車の昔話
「ものを金に変える」-4

「ものを金に変えること」の難しさを書いてきたが、「ものが簡単に金に変わること」も現実には多くの例がある。

物を売る商売に於いては、商品力がそれを左右する。
カワサキでの永い営業経験の中で、幾つもの優位性のある商品を持って営業をした時期がある。

国内市場に限って、そのベスト3を挙げるなら、
Z-2,Z400FX,そしてZEPHYRだろう。

Z-2はカワサキがはじめて胸を張ってNO1バイクと言い切れた、そんな商品であった。
Z-2で国内の新しい販売網、特約店制度が出来たと言っていい。

Z400FXは、破綻寸前にまで追い込まれた販売会社を1年で復活させたと言ってもいい、そんな記念すべき大ヒット商品だった。

ZEPHYRは、まだ記憶に新しいが、予想もしなかった大ヒットで、他の商品の販売にまでも好影響を与え、カワサキが国内ではじめて7万台の販売を達成した。

いずれの時期も、バックオーダーは2年にも及び、金の回収に頭を悩ますことは全然なかった。
いずれの時期も、その営業を担当できた幸運に感謝したい。
ZEPHYRの時期は、国内の販社の銀行借入金はゼロ、所謂無借金の超健全経営であった。


このようなことから見ても,如何に商品力が事業を左右するか、技術開発がこの事業の最優先課題であるかが解る。

然し、商品力は競争相手の商品との比較において評価されるので二輪業界のように厳しい競争が絶えず展開される中で、常にベストの商品をもって戦うことは難しいと言わざるを得ない。
超ヒット商品をもたぬ時期にでも、自然に「ものが金に変わる仕組み」を構築し、体質化することが必要である。


「ものを金に変える」のは難しいのだが、「金をものに変える」のは至極簡単なのである。要注意である。


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