豊島園駅から歩いて中村橋駅。NOVAみたいに美術館がある。
練馬区立美術館では「近藤浩一路の全貌展」をやっていた。
この人の名は最近耳にするようになったが、若手か貧困の中に死んだ画家くらいにしか思っていなかった。
ところが大外れ。写真姿は結城紬なんか着ているし、経歴も交遊関係も一流でした。
美大卒業制作の東海道五十三次の油彩画は、額は安物だが実にいい。
若い頃の油絵は、セザンヌ・ゴッホ・ルノワールに似ているが、これは修業中だからやむを得ない。
漫画から墨絵に転進してからが良いんですね。
画風は多彩で、与謝蕪村あり、川端龍子あり、洋風あり、漫画風ありと、賑やか。
一寸頼りが無さそうで、しっかりしている不思議な水墨画だ。
「光の水墨画」という展覧会サブタイトルに同感。
竹林の逆光、陋屋の灯火、雑木林の木漏れ日、鵜飼の松明など惚れ惚れする。
真正面から描いた富士山は、大観に負けないし、梅花図は水墨ながら色彩感がある。
器用貧乏で、あまり有名にならなかったんじゃないかと思った。
美術館の説明では「高い評価を得ていた」といっても、森男が知らないんじゃ有名ではない。と、勝手。
練馬区立美術館は、西武中村橋駅に近く、草臥れない面積。
マスコミの後援が無くて空いている。入館料も高齢者割引でたった300円。
喫茶室は営業中止のため遠慮なく休憩出来る。
良いとこずくめの美術館だ。
この展覧会は深川偏屈さんの発見。感謝します。
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