古より百物語という事の侍る。
不思議なる物語の百話集う処、必ずばけもの現れ出ずると.......。
理性では説明のつかぬ不思議なものの存在が、まだ信じられていた江戸の時代。
当時流行した怪異譚集のかたちを借りて描く〈あやかしの物語〉。
と杉浦日向子が描いた漫画本の腰巻に書いてある。
で、盆休み中に読んでみたけれど、残念ながら化け物は現れず、ちっとも怖くなかった。
むしろ、ほんわか、まったりとしている。
絵は巧いが、ごく短い文章(特に文語体の場合)に違和感がある。
また3巻、全99話が、入口とお終いだけで中身がなく、宙ぶらりんにさせられる。
しかし、この百物語は名作漫画とされる。
実際、各巻末尾で高橋克彦・高橋源一郎・高橋治が絶賛している。
森生はそうかなぁと思った。
......もっとも、読み方がいけなかったのかもしれない。
読んだ時間は、エアコンで涼しくしていた真昼間。
うつらうつらしながら1日1冊1時間余り、計3~4時間で読み終えた。
壱・弐・参巻にもなる「百物語」。
灯りを暗くした夜中、じっくり読むべきだったようだ。
そして、一度に読むのはせいぜい2~3話にしておくべきだった。
作者が敢えて省略した中身を想像しながら。
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