[国立演芸場]は、皇居半蔵門近くの[国立劇場]の裏にある。
原爆にも耐えられそうな、巨大な[最高裁判所]が直ぐ隣にあって、演芸場らしい賑わいなど全く無い気の毒な場所にあった。
弥生・夢二美術館のお返しに、先輩が誘ってくれた。
中に入れば、お役所ながら、内装にはそれなりの華やかさはあるが、入場客の99.999パーセントは、残念ながら爺婆ばかりだ。約300席はほぼ満席。爺婆の暇さと元気さの証しではある。
落語は立川志遊(A)、三遊亭円馬(B)、三遊亭円遊(C)、桂伸治(D)、笑福亭鶴光(E)、歌謡漫談アンクルベイビー(F)、コントD51(G)、奇術松旭斎小天華(H)、紙切り林家今丸(I)の面々が出演で、一応豪華。
傑作は、GとEだった。満場爆笑の渦だった
老婆とガードマンに扮したコンビのGは、品が良く、意匠も綺麗で、筋も面白く、何でTVに出ないのか不思議。客をからかっても、嫌味が無い。
Eは食わず嫌いだった。師匠を笑いのめし、西行法師をからかい、落語というより漫談だが、間の取り方や、駄洒落が巧みで、上方落語も悪くないと思った。
Dは若手の落語家。落語家は全体にいい着物を着ているが、この人は皺皺の安物で、着付けも悪く、終る頃には前がはだけて、ステテコが覗く醜態。
有名な廓話を演じたが、年齢的に無理。
Aは将来有望の若手。Bは中堅らしく、ゆったりと構えて、いい雰囲気。
Cは先輩の高校の後輩で、63歳だそうだ。失礼ながら、下手と先輩に伝えたら、同感された。
今日が2回目の鑑賞。いい着物を着ているが、風采は貧相。左とん平に似ているが、とん平の愛嬌が無い。ダミ声で、話がよく聞き取れない。
笑わせる回数が極めて少なく、パンフを読み出す客も居た。
Eだって、声は悪いのに、よく聞き取れるのは修練の結果だろう。
森男の性格が悪い所為で、悪口ばかりかいているようだが、満足しました。
皇居側に回って、国立劇場を眺めた。
正倉院風の外観で、要塞のような最高裁判所と大きさで拮抗している。
しかし、どうしても倉庫風で、赤提灯を沢山吊るしているが、劇場らしい華麗さが無い。歌舞伎座や大阪の文楽座のような外観は、場所柄無理にしても、奈良の大和文華館くらいの雰囲気は欲しい。
猛暑。半蔵門駅近くの[一元屋]で、東京で一番旨い金鍔を買った。
目立たない小さな店だが、流行っている。
場所は、千代田区麹町1-6。電話は03・3261・9127。
*今日の経費
交通費1,700円、食事・休憩1,610円、土産1,888円、合計5,198円。勿論入館料は0円。