浴衣の夏、亜紀、おでんの冬。
「舟歌」 阿久悠作詞 浜圭介作曲 竜崎孝路編曲 八代亜紀歌
お酒はぬるめの 燗がいい
肴はあぶった イカでいい
女は無口な ひとがいい
灯りはぼんやり 灯りゃいい
しみじみ飲めば しみじみと
想い出だけが 行過ぎる
涙がポロリと こぼれたら
歌いだすのさ 舟歌を
へ 沖の鴎に深酒させてョ
いとしあの娘とョ 朝寝する
ダンチョネ
店には飾りがないがいい
窓から港が 見えりゃいい
はやりの歌など なくていい
時々霧笛が 鳴ればいい
ほろほろ飲めば ほろほろと
心がすすり 泣いている
あの頃あの娘を 思ったら
歌いだすのさ 舟歌を
ぽつぽつ飲めば ぽつぽつと
未練が胸に 舞い戻る
夜ふけてさびしくなったなら
歌いだすのさ 舟歌を
ルルル..........
既に夜更けである。
しみじみと「林住記」を書いている。
耳をすますと、国道299号線では暴走族が爆走している模様である。
わが猫額亭の灯りは暗い。
あの頃あの娘との浪漫スは何も無かった。浪漫一つ無かった。
お酒はお燗もなんも冷蔵庫に.......、そもそも無いや。
保険外の入歯でも、炙った烏賊は食えやしない。好きだった烏賊の塩辛、ピーナッツも柿の種も...........。
ああ、プッチンプリンしか食えやしない。
断腸ネ。
涙がホロリとこぼれて、まだ「林住記」を書いている。
すいませんね、お喋り爺で。
沖の鴎のまえの「へ」は右斜面の途中に山があり、これから歌、との記号です。
これだからメリケンの作った漢字辞書は困る。
▲画像は大阪「日本橋経済新聞」様からお借りしています。