林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

ダンチョネ烏賊

2007-11-19 | 歌の翼に

 浴衣の夏、亜紀、おでんの冬。

 「舟歌」  阿久悠作詞 浜圭介作曲 竜崎孝路編曲 八代亜紀歌

       お酒はぬるめの 燗がいい
       肴はあぶった イカでいい
       女は無口な ひとがいい
       灯りはぼんやり 灯りゃいい
       しみじみ飲めば しみじみと
       想い出だけが 行過ぎる
       涙がポロリと こぼれたら
       歌いだすのさ 舟歌を

       へ 沖の鴎に深酒させてョ
          いとしあの娘とョ 朝寝する
                 ダンチョネ

       店には飾りがないがいい
       窓から港が 見えりゃいい
       はやりの歌など なくていい
       時々霧笛が 鳴ればいい
       ほろほろ飲めば ほろほろと
       心がすすり 泣いている
       あの頃あの娘を 思ったら
       歌いだすのさ 舟歌を

       ぽつぽつ飲めば ぽつぽつと
       未練が胸に 舞い戻る
       夜ふけてさびしくなったなら
       歌いだすのさ 舟歌を
       ルルル..........

既に夜更けである。
しみじみと「林住記」を書いている。
耳をすますと、国道299号線では暴走族が爆走している模様である。

わが猫額亭の灯りは暗い。
あの頃あの娘との浪漫スは何も無かった。浪漫一つ無かった。

お酒はお燗もなんも冷蔵庫に.......、そもそも無いや。
保険外の入歯でも、炙った烏賊は食えやしない。好きだった烏賊の塩辛、ピーナッツも柿の種も...........。
ああ、プッチンプリンしか食えやしない。
断腸ネ。

涙がホロリとこぼれて、まだ「林住記」を書いている。
すいませんね、お喋り爺で。

沖の鴎のまえの「へ」は右斜面の途中に山があり、これから歌、との記号です。
これだからメリケンの作った漢字辞書は困る。

▲画像は大阪「日本橋経済新聞」様からお借りしています。


オン・ザ・ワル

2007-11-19 | 床屋放談

 一郎君のことについて多くの人が色々書いていて、それぞれご尤も。

森男には「辛酸なめ子」とかいうフザケタ名前の人が書いたものが一番分かり易い。
少しもフザケタところは無く、マトモ。下に掲載したのでご覧下さい。

一郎君は悪事をアメリカに握られて、アメリカはそれをウフフの福田さんに知らせた、という根も葉もありそうな噂がある。
そうならば、一郎君の考えたことは理解できる。

ところで、「小沢る」は流行るかな、と思ったが流行りそうもない。
つまり、一郎君はとことんオン・ザ・悪。


再出発

2007-11-18 | 先輩のお言葉

 愛読した「愛しの座敷わらし」がそろそろ完結する。
朝日新聞夕刊連載第239回では、5人家族の晃一パパによる述懐である。

晃一は4ヶ月前に東北支社に左遷されて、敷地400坪の古い大きな家を借りた。
移住直後は家族はこの家を嫌がっていたが、次第に愛着を覚えるようになる。
晃一以外は地元民との交流も始まる。
それは、この家に時々現れる「座敷わらし」のお陰だった。

座敷わらしに一番初めに気付いたのは晃一の母親だった
次は女子高生の娘で、小学生の息子は座敷わらしと兄弟のような気分にまでなる。
妻が気付いた時は、驚きで精神に変調を来たすほどだった。

座敷わらしの出没が、東京ではバラバラになっていた家族の絆を取り戻す効果を生んだ。
母には生きる希望が芽生えケータイを買おうとしている。息子は健康になりマドンナも出来た。娘は田舎で素晴らしい学友を得た。
妻も葱のように田舎に根っこを張り、自信が持てるようになった。
会社人間だった晃一も家族が大切になって、会社第二人間に改心したのである。

ところが好事魔多し、晃一は支社の上司に疎まれて、格下げ同然で東京に呼び戻されることになった。
今日はいよいよこの家最後の日。
ガランドウになった家の戸締りをしながらの述懐である。(前置き長くてすみませんね)

 

・もう、会社に振り回されることには、疲れた。

・いままでは自分が人生の下り階段にいると思っていた。でも、実は階段には上りも
 下りもないのだ。上がろうとすれば、そこは上り階段になる。

・心の中に辞表を抱えて仕事をしていれば、会社はきっといままでとは違う場所にな
 るはずだ。

・この数が月で身につけたスチャラカ社員の居心地は、そう簡単にすてられそうにない。
 後ろ指をさされたって構わない。後ろを振り向かなければいいだけの話。

そうそう、そのとおり。
これは晃一パパにとって、吉兆だと思う。会社にとっても偽装無しの吉兆である。
この線でガンバッテね。

原文は荻原浩先生。画像(挿絵)は浅賀行雄先生です。


準備体操の後は

2007-11-18 | お節介

 

 今日は山野草組と雑木林組が合同で落葉掃きをするはずだった。
だが、紅葉や落葉が例年より遅く、別々の作業になった。

始めに合同の準備体操。
きつ過ぎる、と注文を付けた人がいるそうで、若い職員さん、気を使っている。
詰まらぬ注文を付けたのは誰だ?
でも、気持ちは分かります。お互い、膝痛いし、ふんばり効かないもんね。

山野草組はカタクリ群生地の掃除をし、雑木林組は分山沼手前急傾斜地で枯枝の清掃と枯木の伐採をしてお昼。

林間の昼食は汗をかいているので寒かった。
常連の多くが不参加で余計寒かった。

 

午後は嬉しい常緑樹の伐採である。雑木林組はちまちま枯枝を拾うより、勇ましい伐採の方が好きなのである。
場所を変えて緩傾斜地なので作業も楽。
だが、貸してくれた鋸の切れないこと! 

伐採した常緑樹を小さく切って、目立たない場所に積み上げるのだが、枝や葉を小さく切り刻む剪定鋏が用意されていないので、嵩張って山積みになってしまう。
遠くの物置には錆びるほどしまってあるのに作業現場には持ってきていない。

我が猫額亭の偽庭師稼業なら、少しくらい切れない鋸や選定鋏でも我慢するのに、他人のモノとなると不満が出るのは、つくづく身勝手でヤな性格であるな。
次からは鋸・剪定鋏・鎌くらいは家から持ってゆこう。

それに、見境無く枝葉を積み上げるが、やはり赤松や形が良いので残したい落葉樹の根本は避けたいもの。
木も傷むし、景色も悪い、伐採した常緑樹に積み上げればいい。
積み上げ方にも作法があるのだ。

 

3時前に作業は終了した。
急に北風が強くなった。
夜、楓見本園で「紅葉で見☆ナイト!」という催しがある。職員さんからお誘いがあったが、木枯らしが寒過ぎる。
これで今夜から本格的な紅葉と落葉が始まるだろう。
落葉掃きと堆肥床の手入れは来月になった。

おお寒ぶ。上越国境は雪だろうか。
皆、木の葉が舞い散る森林公園を、木枯らしに追われるように後にした。
そういえば、われら多くは枯れ落葉のようなもの........。

☆まだ竜胆が咲いていた!

積み上げ方の作法・・・①等高線に沿って積み、土留めとする。
②枝葉はなるべく小さく切る。
③以下略。

森林公園の紅葉情報や「紅葉見☆ナイト!」はHPでお確かめ下さい。


筆塚

2007-11-18 | 高麗便り

 ........「大澤舎新井家」の前に出せば良かった記事ですが。

巾着田へ行く道の右手、少し高くなった所に筆塚がある。
筆塚とは、使い古した筆の供養のために、筆を地に埋めて築いた塚、のこと。
文化的な活動をした故人を顕彰する意味合いもあるようだ。

以前から気になってはいた。
字が読めないので見過ごしていたが、最近、説明看板が設置された。

それによると、新井家11代新井丈右衛門定孝寛斎翁を顕彰する石碑、と分かった。
石碑中央の「筆塚」という文字は勝海舟のものである。
だいたい「筆塚」と書いてあることさえ読めなかったのだから情けない。

大澤舎を訪れる前に気付き、HPを見て見学申込をした時は、金属棒に取り付けただけの無機質な設置方法だったような気がする。
ところが写真を撮るためにまた行って見ると、丸太に囲まれて設置してある。

説明看板は以下のとおりです。

 

扁額とは普通、門戸・室内などにかける細長い額のこと。
この場合は石碑上部の長方形のことのようである。
扁額部分は七卿落ちの一人東久世道禧の揮毫で「宿老庵貫斎翁」と書いてあるそうだ。

その他、宿老、年寄役は、辞書を見て今まで知っていたこと以外の意味が分かった。
勝海舟、七卿落ち等は日本史でおさらいをしなければならない。
人物調査や同一人物の名前を書く順番など、調べ始めたらキリが無い。
調べていないから「林住記」の書き方はいい加減です。

以前「三筆」に触れた際、元祖、寛永、幕末といろいろあって、調べようとしたがそのままになっていた。
今度もそのままになってしまうだろう。

筆塚の傍には夜笙庵新江こと13代新井繁五郎定孝の句碑。
岡上一斎こと菊翁こと新井五郎兵衛定儀の墓碑。
などがあるこちらも曰く因縁がどっさりで、誰が誰やら何だか間違っていそうだな。

高麗は狭い地域だが懐が深い地域である。
もっと、大切にしなければ、ね。


2007-11-17 | うわごと

 

 11月22日は「いい夫婦」の日とか。

生涯学習の「ユーキャン」が400人に、夫婦関係を漢字1字で表すとしたら?、と尋ねたら.......。

20代は「絆(きずな)」。他に「愛」や「信」など前向き漢字が。
この、未熟者がっ。

60代は「忍」。......そんな60代は、、

       ・生まれ変わっても今の配偶者と結婚する
       ・今度は穏やかな人と
       ・気楽に過ごせる人と

など、悟りきれない熟年の本音もチラホラだそうだが、これ、男女別に調べたら怖い結果が出そうだ。

50代は「逸」、60代は「忍」。そして70代は「惨」。そして「死」でお終い.......。
では拙いんじゃないの?

それで、そんなご同輩にはあと1週間あるから、まだ間に合う。看板に偽りがありますが、抱腹絶倒かつ有益なHP、

       「全国亭主関白協会」 をどうぞ。

妄言多謝。

◎詳しい調査結果分析は「ユーキャン」の「ニュースリリース」をどうぞ。
◎協会HPは「会長コラム」と「お悩み相談」が傑作です。



全国亭主関白協会会長天野周一氏


目薬

2007-11-16 | うわごと

 

 黄班変性症の薬とは別に市販の目薬を使っている。
道路製薬製のEXであり、スッキリするので、もう十何年も使っている。

以前はそんなことは無かったのだが、最近は矢鱈にこぼしてしまう。
200mL入りの半分は目に入らず、無駄にしてしまうようだ。

昔、味の素は容器の穴を大きくして消費量の拡大を図った、と言われて、必死に否定したことがあった。

もしかすると、道路製薬は目薬の容器の穴をおおきくしているのではあるまいな。
目玉の上に容器を持って来る前に、口や鼻の穴に入ってしまうぞ。
......味は悪くはない。

人は信用しなければ、とまだ思う。
けれども、人が集まって「法人」になると全く信用出来ぬ。

以上、妄言多謝。


会食

2007-11-16 | うわごと

 

 やっぱり会食にはセンセイがいて、センセイには記憶が無い。
そりゃそうだろう、年中接待されてるんだから、いちいち覚えてはいまい。

森男を接待する業者なんかセッタイ無いから、何十年も前のトコロテンのご馳走さまを覚えていた。情けないね。
場所は千葉県佐原市香取神宮奥高台の茶屋。季節は夏。
ご馳走してくれたのは、前項「枯れすすき」のとおり。

センセイたちはダブルブッキングを避けるために、行動予定表を持っている。
それを見せれば会食の有無は明白。説明もへちまも無い。

防衛省の幹部にGPSを持たせる由。結構結構。
ついでに、閣僚全員に持たせるべし。
国家国民のために日夜邁進しているセンセイ方には、プライバシーもへちまも無いはず。

以上、妄言、多謝しませんっ。


枯れすすき

2007-11-15 | 歌の翼に

 

 朝日新聞に懐かしい写真が載った。霞ヶ浦の帆引き舟である。
50年代までは白い帆だけだったが、今は実用ではなくなったので7色の総天然色とは情けないが........。

あの頃、名匠今井正監督の「」を観た。
名脇役の望月優子が貧農のおかみさんに扮し、それはそれは重く辛い内容だったが、霞ヶ浦や水郷潮来周辺の1年を撮影した素晴らしい風景は楽しめた。
映画には木村功が漁師に扮して帆引き舟に乗っていた。

その少し前に、日本橋高島屋で洋画の金山平三の大規模な回顧展があり、潮来周辺の美しい風景画に圧倒されて以来、絵が好きになった。
現在では金山は忘れられているが、現代洋画でありながら「御物」として出品された作品が多いので、恐らく皇居外苑の「三の丸尚蔵館」に収蔵されているのだろう。
もう一度観てみたい。

そういうことがあって、潮来や霞ヶ浦や、佐原の古い町並み や香取鹿島神宮が好きになって、何度も出かけたものである。
佐原の掘割沿いの古い家は宮尾登美子さん原作のNHK本格TVドラマで役割を変えて何度も出ている。

明治百年記念事業として「ジャパンツ」を開発した頃は、デカパン問屋の腕っこき営業マンが佐原の出身だった。
あの辺のことを絶賛したら、大喜びでご招待して下さった。
香取神社の奥の高台で、水郷方面を眺めながらトコロテンの饗応があったけれど、別にパンツの仕入れを増やした覚えは無いから、守屋前次官と較べて随分器が小さかった、と後悔している。

潮来と言えば、「枯れすすき」であろう。
だが野口雨情中山晋平組の「船頭小唄」ではなく、「さくらと一郎」なんである。
演歌には珍しく斉唱ではなく、和音を使うデュエットで、胸掻き毟られる名曲だけれど、あのお二人は、どこでどうしているのやら.......。

      「昭和枯れすすき」   山田孝雄作詞
                      むつひろし作曲 伊部晴美編曲

      貧しさに負けた  いえ 世間に負けた
      この町も追われた いっそきれいに死のうか
      力の限り 生きたから
      未練などないわ
      花さえも咲かぬ 二人は枯れすすき

      踏まれても耐えた  そう 傷つきながら
      淋しさをかみしめ 夢を持とうと話した
      幸せなんて 望まぬが
      人並みでいたい
      流れ星見つめ 二人は枯れすすき

      この俺を捨てろ  なぜ こんなに好きよ
      死ぬ時は一緒と あの日決めたじゃないのよ
      世間の風の 冷たさに
      こみあげる涙
      苦しみに耐える 二人は枯れすすき

この春、あやめ祭りで賑わう潮来出島をTVで見た。
水路はどこもかしこも剃刀護岸が出来てアッケラカン。金山平三の風景は無い。
霞ヶ浦の芦は護岸工事で刈り取られ湖水の汚染が酷いという。芦原には湖水の浄化機能があった由。
今になって芦原の復元を始めていると聞く。
鹿島港が出来て鉄道が開通した。鹿島神宮の森厳な森はどうなったろうか。

行きたいけれど想い出だけにしておこう。

さくらと一郎はHPがあり、現さくらは2代目なんだとか。


増築

2007-11-15 | じゃじゃ馬馴らし

林住記」はお客さまがサッパリですが、また増築します。
カテゴリー「妄言多謝」です。

goo blog には筆者が決めるカテゴリーの他に、goo が定めた共通カテゴリーが有るのだけれど、テンプレート同様いっぱしのオトナのものとしては、ドーモです。
また、売れ残り記事ばかり増えて、再度、再々度売場に出すことを予防するための倉庫整理の目的もあります。なにしろ goo blog の記事内検索機能がアテになりませんからね。
そこで自己流カテゴリーをまた一つ足しました。

内容は大したものじゃないのですが、

 ・天動説に基づく我論記事、
 ・書いた森男自身にも理解出来ない記事、
 ・裏づけなぞ全く無い与太記事、
 ・単なる穴埋め手抜き記事、
 ・消費賞味期限切れ記事
 ・嘘捏造記事、

等々です。

まぁ、全てのカテゴリーが妄言ではありますが、ここは特に妄言度の濃い、もう限度なまでには達していない生煮え記事で、他のカテゴリー同様、責任は取りませんよ。
ただ、「多謝」と始めから謝っているとおり、特に誤りが多い記事になるはずです。

なお、画像は原則として山藤章二先生のブラック氏だけとします。
あれこれ画像を選ぶのは楽しいけれど、草臥れますので。

以上、妄言多謝。

071115

その後「妄言多謝」は都合により、「うわごと」に変更しました。多謝。


助け舟

2007-11-14 | 歌の翼に

 

 「林住記」は一向に人気が出ず、従ってコメントやTBは殆どありませんっ。
ブログマニュアル本や goo blog の嘘つきめっ。
たまにあっても、エロや物販や金儲けばかりで、そろそろプッツン閉鎖しようかな、と思っていたら、有難いじゃありませんか、「お猿さん」という数少ないお客様からおコメントを頂きました。

「君をのせて」という素晴らしい歌の作詞作曲家が分からない、と書いたら、嬉しいじゃありませんか、教えて下さったのである。

作詞は岩谷時子、作曲は宮川泰。何とアキラさんのお父上ではないか!
更にこの歌の解説ウィキペディアURLまで教えて下さった。

この歌を始めて歌ったのは、あのギンギンギラギラ沢田研二さんで、彼はこの歌を2番目に嫌いな歌だと言ってることまで分かった。
確かに、ジュリーには向いていない。許せない発言ではあるが、團伊玖磨先生のご意見に従い許してあげる。

歌詞はグーグル検索で見つかりました。
「夕方クインテット」は子供用に拵えてあるので、大幅に歌詞を割愛していた。
歌はフラット氏の方が、聞いたことはないがジュリーよりこの歌に合っている、と思う。

それでは、完全版の歌詞。

        「君をのせて」     岩谷時子作詞  宮川泰作曲

        風に向かいながら 皮の靴をはいて
        肩と肩をぶつけながら
        遠い道を歩く

        僕の地図はやぶれ くれる人もいない
        だから僕ら 肩を抱いて
        二人だけで歩く

        君のこころ ふさぐ時には
        粋な粋な歌をうたい
        ああ 君をのせて 夜の海を
        渡る舟になろう

        人の言葉 夢のむなしさ
        どうせどうせ 知った時には
        ああ 君をのせて 夜の海を
        渡る舟になろう

        らららー らららー ららーらー
        らららー らららー ららーらー

        ああ 君をのせて 夜の海を
        渡る舟になろう

        ああ 君をのせて 夜の海を
        渡る舟になろう


森林療法

2007-11-14 | お節介

  秋の山道で

 フィトンチッドを浴びる「森林浴」という健康法があるが、本当に効くのだろうか。
会社を辞めて以来、都会に住んでいる人に較べて、近所の森林を歩く機会が多くなった。
しかし、特に健康になったという自覚は無く、相変わらず血圧や血糖値はすぐ治療を必要とするほどではないが、要注意と指摘されている。

そこで、「日高ライブラリーカレッジ」の森林療法公開講座を聴講した。
講師の准教授のお話しでは、非常に効き目があるそうである。
「森林浴」なぞというチンケな「健康法」ではなく、最近では「森林療法」どころか「フォレストセラピー」にまで格上げされた模様である。

「森林療法」とは、

  森林の地形や自然を利用した医療、リハビリテーション、カウンセリング等を指し、
  森林浴を通じた健康の回復、維持、増進活動

をする「療法」、つまり気取って「セラピー」、だそうである。
各医療機関の中高年健康対策として関心が集まっている、そうである。

効果は、

  高血圧や高血糖値を下げ、
  高齢者の認知症を抑え、改善し
  虐待されて心を閉した児童の心を開き
  非行少年を改心させ、
  疲れたおじさんやおばさんのイライラを癒してくれる、

その他等々、良いとこずくめである。
そうかなぁ、なんである。

講演後、先生が(気味悪いほど)絶賛する具体的に突っ込んだ質問がいくつかあった。
ご回答は拙いことに、森林ならどこでも構わぬ、ではなく、

  よく手入れされた明るい針葉樹と広葉樹の混交森林、
  車や工場や航空機など人工的な騒音が無い、
  せせらぎがチョロチョロ流れ、静かな池など水辺があり、
  風がソヨソヨとf2ゆらぎ(かな?)のそよぐ、
  小鳥が囀る森林、

でなければならない。

  飯能市天覧山西麓

難しいね。日高や飯能じゃ無理だ。
森林は荒れ放題だし、夏から晩秋までは薮蚊と虻、冬から春先は烈風だ。町の騒音も聞こえてくる。
爽やかな高原の良く管理された森林とは異なり、街中のケアが必要な人には耐えられないだろう。
市の職員がもしこの講演を聴いていたら、おっ、清流文化都市の活性化になり、地元にカネが落ちるベエ、となるのだろうが.....。
先生は長野県信濃町の「癒しの森」を紹介してくれたので、見学体験してからにして下さいよ。

効果についても頼りないのである。
科学的、組織的に効果を保証するには、まだ研究不足らしいのであった。
効果の測定対象数は、新薬の場合の3000人でも不十分だと言う先生もいるのに、わずか十数人の被験者で効果を云々している場合が多いようだ。
つまり、科学的な裏づけがマダマダなのである。
そして、効果は個人差が大きい、と予防線。

それに、カウンセラーが同伴する必要があるし、プログラムなるものを用意して、それに従わなくてはならない、などいろいろ決まりごとが多くて、窮屈なのである。

やっぱりな、ではあったが「森林療法」は、「心のケア」と同様に今後大いに流行るのではなかろうか。
何かとカタカナが多いし、「癒し」も乱発していて何より格好いい。
先生はHPをお持ちで、今日の講演も最後にはご自分が代表になっている「NPO法人日本森林療法協会」への入会をお勧めでした。

期待の森林療法は健康食品程度のものでした。
ま、短期間で劇的に効き目のある「療法」なんかあるわけが無いよね。
だから「フォレストセラピー」にして、曖昧にしたのだろう。

カウンセラーに従い、森林をぶらぶら歩き、大木にハグハグすればもっと癒されるなんて破廉恥です。他人に見られて恥ずかしくないのかぃ。
近所の雑木林整備作業の方が効き目は確かである。身体も雑木林も健康になる。
証拠は近くの「丘の上公園」とボランティアの人たちです。


ネクタイの発祥地

2007-11-13 | 知ったかぶり

 薄気味悪い絵葉書

 普通、ネクタイの発祥地は?と問われれば、フランスとかイギリスとか答えるだろう。
しかし、

  「”ネクタイの発祥の地はクロアチア”ということをご存知でしたか?」

と日本語で書いてあるクロアチアの絵葉書を貰ったのである。

くれた韋駄天さんは古い友人で、同じ会社に勤めていた頃は、はっきり言ってちょっと敵わない人だった。
今でも敵わないのだが、会社を止めれば利害は対立しないし、お互いカドが取れた。だから今ではごく親しい人になっている。

韋駄天さんは退職後、一年発起。英会話を習得し、ニュージーランドでホームステイをしてから後、世界の僻地を東奔西走している。
つい最近は旧ユーゴスラビア諸国を見てきたところで、絵葉書はそのお土産。

クロアチア国ドゥブロブニク(Dubrevnik)市の「SALON CROATA」というネクタイ専門店が作ったものだそうだ。
絵葉書に英語、クロアチア語、日本語の説明文があるように、同市は矢鱈に日本人観光客が多い街だそうだ。

絵葉書によると、350年以上前にクロアチアの兵隊が襟巻きを着けて、フランスに進駐したらしい。
それが格好いいのでフランス人が真似をして、ネクタイに進化し、世界中の6億人の首を絞めているぞ、どうだい、の由。

それは恐れ入りました。
でもね、今手元にある世界地図にはクロアチア共和国なんか載っていない。
韋駄天さんによると、旧ユーゴスラビア諸国は貧しいが、クロアチア共和国、中でも首都のドゥブロヴニク市だけが美しく整備され、安全でもあるそうだ。

絵葉書の日本語は、どうも要点がはっきりしていない。
韋駄天さんもそれを認めているから、在日大使館に忠告するようけしかけたら、とっくに実行済み。
アドリア海に面した美しい街は、微妙な均衡の上に成立していて、絵葉書の文言さえあちこちに気を配るため、ぼんやりした記述になっているそうだ。

ドゥブロヴニク市旧市街  

と書いてから、念の為にウィキペディアを調べたら、クロアチア共和国の首都はザグレブでした。
あれれ、ドゥブロヴニク市は、ボスニアヘルツゴビナ共和国に分断されて、飛び地になっている。そして世界遺産に登録されている。
やはり、世界地図を新調しなくちゃな。

50年代、今のようにデザイナーブランドのネクタイなぞ無く、専ら国産品のネクタイばかりで、裏地には「CRVAT」と刺繍した布切れが付いていた。
あの頃気になっていたことを思い出して、電子辞書で調べてみると、

  cravat <古語>男性用首巻き クラバット
       <英商用語>ネクタイ 米では necktie の気取った語

とある。
首巻とは可笑しいが、ネクタイの気取り語だったとは.......。

本当はネクタイをお土産に欲しかった。しかし考えてみればもう20年も、葬儀用の黒いネクタイしか使ってないのでした。
猫額亭の押入れにはまだ20本はあるかな。
だから、絵葉書と新知識だけでいいや。


君をのせて

2007-11-12 | 歌の翼に

 

友情を歌った「明日に架ける橋」は誰もが知っている。
全然違う「君をのせて」という歌も、友情を歌い素晴らしい。
この歌に気付いたのは例の「夕方クインテット」という子供のための音楽番組です。

貯金箱収集趣味のシャープ君①は、実はお金を溜めていた。
もうじき貯金箱が一杯になりそうで、開けようかいや止そう、と悩んでいる。
そこにアリアさんが通りかかった。

アリアさん②、開けさせたくて、褒めたりすかしたり侮辱したり、とあの手この手。だが、結局シャープ君は開けなくて、アリアさんは怒って行ってしまう。

それを陰で見ていたフラット氏③。
おためごかしに、困ったこと悩んでいることがあったら力になってあげる。
と肩を寄せてこの歌を歌うのだ。髭面の人形ながら、艶のある声でロマンティックに。

   「君をのせて」

   風に向かいながら 皮の靴をはいて
   肩と肩をぶつけながら
   遠い道を歩く

   君の心 ふさぐ時には
   粋な粋な歌を歌い
   ああ 君をのせて 夜の海を渡る舟になろう

   ラララ........
   ラララ........

   ああ 君をのせて 夜の海を渡る舟になろう
   ああ 君をのせて 夜の海を渡る舟になろう

どうです? いいでしょ。
TV見ながら速記したので間違いがあるかもしれませんが、素晴らしいですね。
短いけれど、サイモンとガーファンクルに匹敵する名曲です。

君のために、ポール・サイモンは激流に橋を架けて渡してやる。
この歌は暗い海の舟になってやる。

フラット氏にも貯金箱を開けさせたいという下心がある。
そばにいたスコア爺さん④が、

  気を付けよう 甘い言葉と暗い道

とシャープ君にささやいて、フラット氏の企みは水泡に帰すのですが......。

作詞作曲は誰か、TVでは分からない。だが、編曲は明らかにアキラさん。
グーグル検索してみても、出て来る歌はアニメの主題歌で、明らかに別の歌。
誰だろう。

  ⑤は天才少年チー坊です。
  この話にはからんでいませんが、番組最後の演奏会では大活躍。


ときめかれて

2007-11-11 | 先輩のお言葉

 

 お登紀さんこと加藤登紀子さんは素敵な女性だ、と心から思う。
何故なら、綻びている男性に惹かれるそうだからだ。
シャツの擦り切れた袖や襟から生き様が丸見え、いやほの見えるような人が好き、とまで言って下さっている。

装いでも佇まいでも隙間や綻びや、頭と心が空っぽの男性でないと、女性は恋に落ちないかも、とも。
既成概念に捉われた装いはダメ、とも。

加藤登紀子さんは獄中結婚した最愛の旦那様を亡くされて、今、ひとり寝の子守唄。
NHKで旦那様との愛の想い出を語られた「男と女の旅路」には、心を打たれました。
包容力があり、情けも深いし、場数を踏んでいる。

この度の「女はここを見ている」(11/5朝日夕刊)を読んで、まるで森男のことを言ってくれてるみたいで、お登紀さんに百万本の薔薇を差し上げたくなっちゃった。

お登紀さんは、思いもよらないことが起るのが、人生の醍醐味です、そうです。
そうですそうです、人生まだまだですね。