林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

花椿

2007-11-10 | 重箱の隅

どーんと見開き全15段新聞広告を決行したのは「資生堂」だ。
新聞2頁全体を臙脂色で染め、紙面の下部に美女11人と少女1人を贅沢に並べている。

美女は、上の左から

  いいなぁマイコさん
  早稲田の男子学生の評判を落とすほど熱狂させた広末涼子さん
  ハスキーボイスに参っちゃった阿川泰子さん
  若かった森男に優しくお声をかけて下さった秋川リサさん
  (お子様は省略)
  麻里也さん

下は左から、

  高橋マリ子さん、かっわいい
  ロッカーの花子さんの幽霊ともさかりえさんと勝負したOL吹石一恵さん
  ラウア・リサさんごめんなさい
  タイプの大出真理子さん
  老舗旅館「加賀美屋」の頑張り若女将比嘉愛未さん
  ムダが無さ過ぎる伊東美咲さん

え? 違う?
そんな細かいこと、どうでもいいじゃないですか。

大きく開いた空間にはたった3行。

  一瞬も 一生も 美しく

洒落てますねぇ。「美しく=資生堂」だなんてヤボは言わない。
代わりに花椿のロゴ。偉いもんです。

  

薬9層倍、坊主丸儲け、と言う。
化粧品は容器と広告に経費がかかるそうだが、製薬会社の広告だって頑張って全15段1頁。
資生堂さんは恐らく9.5倍くらい儲けているのかも。

でもいいじゃないですか。
税金を納めて戦争に協力するより、女性を綺麗にしてやって下さい。

  

ところで、資生堂さんにもウッカリがある。
それは白衣の美女たちが手にしている一輪の白い椿です。
まるで薮へ押し入って椿の花を無造作にオッペショって、そのまんま持たせたみたい。
広末涼子さんが持っている椿だけが正しい持ち方です。

何故なら谷啓さんのNHK教育TV「美の壷・京都特集」によると。
京都の生け花のお師匠さん曰く。

  西洋の盛花は足し算、日本の生け花は引き算。
  だから一輪挿しは、余計な花や蕾や枝葉は切り取ってスッキリさせること。

    森生画

10年以上前の資生堂「ブラバスオーデコロン」をまだ、時々使っている。
東京ミッドタウンへ行く時も使ったけれど、かぶれませんでした。
男性化粧品には賞味期限が無いようです。

071110


メイド喫茶探訪記

2007-11-09 | 風に吹かれて

 

韋駄天さんが一緒だったので、やっとメード喫茶に入れた。

秋葉原駅からは旅の恥はかき捨て。
尋ね尋ねて、ようやくメード喫茶がある雑居ビルに辿り着いた。

雑居ビルには、何と4店ものメード喫茶がある。
和風メード喫茶にも興味があったけれど一番空いている店に入ると、

   お帰りなさいマセ、だんなサマ。

嬉しいね。あなた、この台詞、長い間聞いてないでしょ。

二人はおずおずと一番奥の窓側の席で小さくなった。
意気込んで「メードの手作りナンタラカンタラ650円」を注文。

.  .......なーんだ、これ。
  アイス珈琲をしゃかしゃかカクテルみたいにシェークしただけじゃん。

係りのメードちゃんは、黒い別珍のふりふりドレス。
肩飾りのあるエプロンをつけている。
頭には、布製の白いティアラ(って言うのかな?)だ。
要するにフランス女中人形だが、スカートに少し工夫がある。

後ろは踵まであるのに前は膝上までと短い。
だから白い腿に黒い靴下の刺繍のガーターで食い込んでいる。
分かり易く言えば、「ムーランルージュ」のカンカン嬢ですね。
これ、デザインした人、秀逸です。

メードさんの身元調査を敢行した。

   埼玉県の親元から通っている。  おっ、同郷じゃん。
   アルバイトではない。正業である。  エライ!
   厳しい面接試験があった。  そうでしょうそうでしょう。
   仕事は楽しい。  結構結構また結構。

胸のバッジの名前「たのか」は源氏名(って言うのもヘン)である。
業界ではこの種のロマンティックな命名が流行っているそうで賛成だ。好きだね。
漢字では「田の香」。クンクン、いいニホヒだなぁ。

化粧っ気は全く無く清楚。西武電車の女子高生の方がずっとケバい。
話し方は丁寧で、恥じらいがあり、おじぃさんたちはすっかりいいキモチになった。
経営者は偉い。よくぞここまで躾けました。ヨメに欲しいね。

彼女は芝居はしてない、と思う。ご両親は安心していい、と思う。
紀伊国屋書店通販の画像▲は過剰です。この店はずっとオトメチックでした。

韋駄天さんのクロアチア土産の絵葉書を前にした。
電子辞書を使ってああでもないこうでもないとやっていたら、水をコップに追加しながら、

  まあエライ! お勉強ですか?

嬉しいねぇ。そそりますねぇ。

いかにもオタクの青年が、こっちをチロチロ羨ましそうに眺めている。
元気を出せ、キミは男だろ。

他の階の繁昌するメード喫茶のことを、残酷だけれどたのかちゃんに聞いてみた。

ステージショー付きが二つ、一寸入りにくい雰囲気の和風のメード喫茶。
そしてここは一番普通の喫茶店だそうな。

ふ~む。ステージショーも和風も入ってみたいっ。
他所には、お色気メード喫茶やメード整体マッサージなどなど懐は深そうである。
これ等システムを考案した人に、起業家大賞を進呈したい。

だが、残念ながらそろそろ夕方の学生のラッシュアワーだ。
おじぃさんたちは席は欲しいが勧められるのは嫌い。名誉毀損である。
かと言ってシカトされるのは辛い。飯能まで立ちっぱなしは耐えられない。
涙を呑んで、店を出た。

  行ってらっしゃいマセ、旦那サマ。

  うむ、留守は頼む、お金を溜めて帰って来るよっ。

上階のメード喫茶は、メードさんたちが3人、ステージで歌い踊ってた!
平日の昼間、舛席で大勢の青年たちがタンバリンを打ち鳴らし、狂っていた。
日本は大丈夫かぃ?

年初の懸案は中途半端に解決した。また出直そう。
と思ったら、今度は「名古屋式喫茶」が台頭中の由。家には居れんな。

▲画像は紀伊国屋書店通販から。

071109


鳥獣戯画へいってきた!

2007-11-08 | 色めがね

 

 動物を擬人化した甲巻は知っていた。観たこともあったかもしれない。
これ、よく観ると相当な毒がありますね。
乙、丙、丁巻は初めて観た。

乙巻は擬人化していない動物尽くしであり、線描が実に巧みである。
鉛筆で写生をして、絵の具を厚塗りしている現代の売れっ子日本画家には出来ないことだろう。

丙巻は人物画である。
貴族はいない。庶民や怪しげな僧侶たちが勝手気侭に遊び呆けていて、実に楽しい。
丁巻も同じ内容だが、制作が鎌倉時代に下がり、描線がふやけており、あまりいいとは思わなかった。

鳥獣戯画の成り立ちや経緯を説明した展示は親切である。
鳥獣戯画の模写や、影響された後世の作品も展示してある。
下品ではあるが、陽物較べ絵巻や放屁合戦絵巻はケツサクである。おおらかな笑い声が聞こえてくる。

開始早々の平日だったが、入館客は多い。
列に並ばないと、肩越しでしか絵巻は見えない。
だが、壁面上方に写真版絵巻が展示されていて、大変分かり易く、観易く出来ている。

韋駄天さんに誘われて、招待券を使ったので、1300円の入館券を買わないですんだが、韋駄天さんに合わせて、写真を見て、肩越しに実物を確かめる、という鑑賞法だった。
行列に身を任せて、ゆっくりと観て歩けばもっと勉強になっただろう。

東京ミッドタウンが出来たばかりに来た時は生憎「サントリー美術館」は招待客しか入れず、口惜しい思いをしたが、始めて入ってみれば感じの良い美術館である。
装飾はあまり感じられないものの、「国立新美術館」よりずっと潤いがある。
亡くなった黒川紀章氏の「新美術館」はケレン味たっぷりで体育館。ここを設計した隈研吾氏は穏やかで寛げる美術館にしてくれた。

森男たちは招待券を使ったので、絵葉書やらクリアファイルやら、安物をどっさり買い上げ、新聞社へのお礼と致しました。
ところが韋駄天さんの分までリュックザックに詰め込んで、いやはや.......。

ダ・サイタマの山猿二人  

美術館を出て、「十五夜米八」で650円の弁当を買い、芝生で昼飯にした。
利用は2回目。ここの弁当は安くて美味い。
「東京ミッドタウン」に勤めている人たちも、結構そうしているようですよ。

OLのバトミントンを横取りして、ラケットを危なっかしく振り回す幼児をしばらく鑑賞した。幼児はいつ見ても心がほっこりする。
鳥獣戯画は山藤章二先生の、遊ぶ幼児は和田誠先生の世界であるな。

この後、年初からの懸案事項を解明すべく、韋駄天さんを説得し秋葉原探訪へ行った。
絵巻の庶民もいいが、現代の娘さんも、なかなか、のものだろう、と。


壊し屋一郎

2007-11-07 | 床屋放談

 ねじれ国会、ねじれハンマー

 安倍さんに劣らぬ大失態を演じた小沢一郎クン。
オレのユーこと聞かなきゃ、もう止めた、は晋ちゃんと変わらない。

もともとこの子は心臓に剛毛が生えてるくせに心臓が弱く、日向には向かない子だった。
かげでコソコソ陰謀を張り巡らす悪い子だった。
政権を取れないで良かった。

理の人とも情の人とも言う人がいるが、本当はダメの人である。
「憂国の情」なんていうセンセーもいるが、とんでもない、政治を弄んでいるだけのこと。政権を獲ったら、危ない危ない。

官僚の腐敗は、形式的に官僚の上にいる自民公明議員の腐敗不勉強が原因である。
一旦政権から引きずり下ろして、頼り無げだが野党に任せる手はあった。

だが、党代表自ら、未熟、と保証するようじゃね。
そこまで言われて、豆鉄砲食らったハトポッポやカンカンはうろたえて慰留に走り回っている。まさに未熟を証明している。それでも男の子かい?
恥を忍んで、また頑張ると居座る一郎クン、それでも男の子かい?

ここまで落ちたら、たった二日で形勢を大逆転させた大古狸の福田センセーにお任せしよう。きっと、余裕のウフフだろう。
そして、徹底的に腐敗堕落させよう。

次の衆議院選挙には行くまい。
今の得票選挙ではなく、減票選挙にするならば、行ってもいい。
投票率を10%まで落とそうよ。

それでやっと、大甘な選挙民も目が覚めるだろう。

ところで、議員は何故互いに「センセー」と呼ぶのだろう。
日教組、どこにいる?

▲イラストは針すなお。11/6朝日新聞から。


ナタリー ベッサメムーチョ

2007-11-07 | 歌の翼に

 

 家元の鶯谷麗さんに紹介されて、ステージに立ったのは、タキシード姿の院長先生だ。
 譜面台に厚い楽譜を乗せて、ピアノ伴奏で歌いだしたのは「黒い瞳のナタリー」!

  ♪ ナタリィ エン ラ ジスタンシア ツ レクエルド ビバ ミ.....

メモを取れるほど正確な日本語で、朗々と歌い出した!
ここ、端唄の会なんですけど......。

          
       
                     
先生の歌唱はフリオ・イグレシャスのような下品な媚が無く、ワグナー歌劇である。
楽譜どおり正確に声を出してはいるが、ちょいとテンポに難ありありあり。
また、字余り気味でもあるあるある。
だが、ナマピアニストが巧みにフォローして破綻は無い。

続いて、ラテンの名曲中の名曲、「ベッサ メ ムーチョ」である。
もっともっと愛して、である。サスってじゃないよ。

先生は拡声器の助けを借りて、会場が割れんばかりに絶唱した。

歌う前に、この歌はもう3000回は歌っている、と豪語された。
しかし先生、歌は注射と違って回数じゃ無い、と思いますが.......。

今までお行儀良く端歌を鑑賞していた市長閣下は、身を乗り出して拍手喝采雨霰だ。
家元さんは手を振っている。
聴衆は唖然呆然。

院長先生は、相当授業料払っていると思う。
市長閣下や家本さんが熱烈応援する謎が解けたような気がする。
早くからタキシ-ドを着ていたはずである。

でも、あんなにシワシワシミシミのご老体がお洒落して、ご機嫌で絶唱する。
誠に気持ちが良く、お金があれば老後にも希望がある、と嬉し楽しく口惜しかった。

夜は半分満足じゃ。


端唄ライブがんがん

2007-11-06 | 歌の翼に

 

 地下に降りる階段前でタキシード爺さんが3人を迎えてくれた。
愛想が無いが、まぁ、この歳で夜のお仕事は辛い。仕方が無いや。

「アコースティックライブハウス」はほぼ満席だった。
端唄の会はこれまでご婦人が多かったが、今夜は紳士も多い。
皆さんリュウとした背広やジャケット姿で、森男は正直たじろいだ。箪笥に沢山寝かしているのに、と後悔した。

席は指定席。
前回の彩翔亭と違って椅子席で助かる。
3人は本職の津軽三味線の若者、貫禄の紳士たちと同卓。何故かあのタキシードも。

ワンドリンクサービスで少し元気が出て、紳士たちの身元調査をした。
飛行場がある某市市長閣下、恰幅社長、我がまち市長のご親戚である自称「百姓」。
タキシード姿は、レレレ、市長閣下お膝元某有名大病院の院長先生だっ。
それに牡丹のような、濃い洋装姐さん。

三味線は7棹。(数詞は津軽三味線君から教わりました)
一寸音を外しても、全然大丈夫であること、第九の合唱の如し。
それなり美人の6人の名取さんは、無表情だけれど、良い席を指定してくれた麗華さんは笑顔で婉然。一番ス・テ・キ
でも、こんなに近くよりも、少し離れた席の方が本当はいい。
理由は内緒。

この会は4回目で、既に聞いた歌が多い。
でも、聴き込むほどにしっぽりと艶で、悩ましい。
家元の鶯谷麗さんが時々脇から出てきて、演奏中に三味線の調弦をする。
麗華さんは瞬間だが、顔顰めたぞ。出しゃばり家元め。

曲目は三味線伴奏で14曲。
今回はおっさんも3人出演して、正調博多、相撲甚句、月落烏啼、玉川、柳の雨、柳橋から、などを歌った。
ぞろりとした鶯色の着物に野袴はまぁいいけど、裾から白い股引とは野暮ですよ。
仙台平の袴でばっちり決めたお父さん、胴間声で、はぁどすこいどすこい。

ご婦人連は先ず家元のお江戸日本橋。
そして、そして、そして........。
家元の名前を取って、丸やら、輔やら、美やら、蝶。
会が退けたら何が誰だか分からなくなって、貰ったプログラムと一致しなくなってしまった。ごめんなさいね。
いずれにしても、いずれあやめか姥桜。
何度も書くが麗華さんが一番ス・テ・キだった。

仏子の喫茶店同様、今回も拡声器付きである。
巨大拡声器の前に家元は陣取り、三味線のアラを探しているが、大音響ガンガンを何とも感じないのが不思議である。
森男たちの卓は直ぐ傍で、大音響は実は迷惑だった。商家彩翔亭の方が良かった。
50人足らずで満席なのだから、地声で歌ってほしい。アコースティックで行こう。端唄はジャズじゃないんだからサ。

2回休憩を入れて、第3部15曲目からはピアノ伴奏の端唄である。
家元さんが、梅は咲いたか、秋の夜。春雨、さのさ、を歌い上げたのである。
「ライブ」だからピアノはしょうがない、と思ったが、これが案外、頗る良いのである。

ピアノ伴奏は、氷川きよしや石川さゆりの「スタジオミュージシャン」だそうだが、小沢昭一さんのハーモニカ伴奏で全国の舞台にも立っている由。
編曲は全てこの先生。装飾音符をちりばめて、ショパン、リスト、メンデルスゾ-ンも逃げ出す情緒纏綿じゃあないか!

でもなあ、家元麗さんはトップランナアのように自負されてるが、これって市丸姐さんが大昔、もっと大舞台でやってたんじゃないの。
森男は子どもの頃、本職名人の尺八や三味線の練習をライブを聴いていたから、邦楽には煩いんです。

マイクを使って歌えば、負けずにグランドピアノを叩く。
その音量にに圧倒されてしまい、これって端唄なの? でも、悪いわけではない。「ニュー・ハウタ」と考えれば、十分楽しめる。

........で、名曲「秋の夜」。

      秋の夜は長いものとは..... まんまるな月見ぬ人の心かも

      更けて待てども来ぬ人の 訪づるものは鐘ばかり......

      数ふる指も寝つ起きつ わしゃ照らされているわいなぁ..........

待てど暮らせど来ぬ人を、宵待ち草のやるせなさ、ですね。
待たせるなんて、いいなぁ......。

ま、少しケチ付けたけれど、楽しかった。
ワンドリンクサービスのシコスオレンジ(?)は美味かった。少し酔ってしまった。
端唄ワールドは素晴らしい。

花束贈呈は家元さんとピアニストに。
盛大な拍手に包まれて、家元さん、アンコールと思いきや.......。
意外や意外、呆気にとられるデキゴトが.......。

......長い「林住記」は股引です。
人生は短く、秋の夜は長い、のです、とまた繰り返すヤボテン。
お後は、明日、投稿しますね。

 お写真は25年前のイメージです。ちょっとずつ違いますからね。
イメージばっかり膨らんじゃって......。


昇給と賠償

2007-11-05 | 床屋放談

 

 9年ぶりに国家公務員給与が引き上げになるそうである。
一応、幹部職員のボーナスなどの引き上げは見送った、というがフザケタ話ですね。

厚生労働省と社会保険庁、防衛省、林野庁など不祥事の続出の上に、深刻な財政難の中で、よくまあ図々しい話だ。

人事院が出した昇給案は「民間準拠」だそうだが、人事院が比較の対象としているのは従業員50人以上の民間企業で、近年増加しているパートや派遣など非正規雇用者は対象から除いたし、年金保険料負担は民間より負担が少ないそうだ。お手盛りもいいとこでだっ。

ところで、朝日新聞の「経済気象台」という囲み記事で、啄木鳥氏が素晴らしい意見を出してくれた。→「損害賠償と役所の責任」
以下、その要約です。

薬害C型肝炎はじめ政府の責任で起きた損害を購うのに、国民の血税を以ってする、という損害賠償の構図を改めるべきだ。
現在、賠償額がいかに多額になろうとも当該役所職員には何の痛痒も与えない。

民間企業であれば自社の商品やサービスの不具合から顧客に迷惑をかけ多額の損害賠償金を支払えば、企業存続すら危うくなる。

当然責任ある人たちは解雇され、新体制の下、幹部以下全社員がボーナスを返上し、給与を削って会社の再建に励むだろう。

■そして顧客の信頼回復のため、業務や商品の品質やサービス体制の改善に総力を上げる。

国が責任を認め損害賠償金を支払う際には、その件に関係する役所の職員全員がボーナスを返上し、報酬を削減する仕組みを導入すべきである。

その他、読みにくいけれど、上に出した囲み記事を是非読んでみて下さい。
多分同感される、と思います。

ところで、例の防衛省のミスター・ジュゴン元事務次官は、受け取った退職金が8000万円に達するそうだ。
返納を求めているそうだが、退職した今では誤魔化すに違いない。
彼への懲罰は別途考えるとして、こういう場合でも、直属部下である幹部たちが見逃していたのだから、退職金分を彼らに負担させるべきであろう。

この冬、社会保険庁職員にボーナスを支給する、なんて話があったら、近くの社会保険事務所に押しかけて............。(以下省略)

もう手遅れだが、軍人恩給もヘンだと思っていた。勝ったのならともかく、
負けていながら階位に対応した恩給を支給しているのに驚いたことがあった。


ガロン責任

2007-11-05 | 重箱の隅

 インド洋の無料ガソリンスタンドのそもそもは別にして。
80万ガロンを20万ガロンにして、「単純な間違い」を複雑に隠していたのも、揉めてる理由。

そもそも、当初の報告は200000ガロンだったのか、20万ガロンだったのか?
マルを並べたのなら、桁違いは時々ある間違いである。

だが、ノートパソコンで8を9や7に押し違えることはあっても、2には間違えまい。
デスクトップなら、7、5、9に間違えるかも。

足し算を暗算でやったのなら、算盤くらいは買ってやれ。

森男たち平民は、車の運転をつい間違って歩行者を轢き殺したら、相当な罰を言い渡されるだろう。

政府はそれほど国益大事なガソリンスタンドなら、不注意で間違いを犯した下っ端役人を死刑にすればいい。
どうせ普段から、人の命は軽いと思っているのだから。

そして死刑にされる下っ端は黙っていないだろう。
あれこれ全てをバラしてしまうだろう。
だから、本当に単純な間違いなら、間違った人間を名指しして処罰すればいい。

話代わって。

歴代社会保険庁長官の責任は重い、と調査委員会は報告したが、名指ししていない。
これを問題にする朝日だが、そんなことは資料室で調べて、委員会に代わって名指しすればいい。

それよりも、歴代13人の長官の内、調査に協力した元長官は3人だった由。
文書で回答した元長官も無責任な回答の由。

誰が調査に協力しなかったのか、誰が無責任な回答をしたのか、朝日は報道することが責任である。


傾斜角度論争

2007-11-04 | お節介

 

 珍しく晴れた日曜日、おじさんおばさんたち20人は、西武団地西端の薄暗い檜林で除伐作業に汗をかいた。

公園は殆ど手入れは済み、最近は市境を越えて飯能市側に入り、地主さんの了解を頂いて常緑広葉樹を伐採している。
檜は密植したままである。手入れをしていないから商品にはなるまい。
だが地主に遠慮して、檜は枯れたものだけを伐採した。

作業場所は急傾斜である。
足を踏ん張っていないと沢の方へと滑り落ちそうだ。
傾斜角度は45度か60度、と言い合っていたら、上の方で伐採した木の枝を細かく切って片付けていた先輩が、イヤ30度だ、と割り込んできた。

さっきまで、いいご機嫌でアベマリアを裏声で歌っていたのに、凄い剣幕である。
もともと、この先輩、裏声というと「カウンターテナー」と言い直させる。
薄暗い檜林のアベマリアさまは物の怪姫でもある。

30度を越えたら直角同然で立っていられない、と力説し、傾斜角度の見立て方をルルご説明して下さる。
先輩、いいからここまで下りて来て。

先輩、目で笑ってるから、お顔を立てて30度にしたが、木の根っこの上方は30度、下方は60度、平均45度ですよ。
つまり、除伐は大変なんです。

休憩時間は、お姐さま方が持ち寄った柿のご馳走である。
ご当地西武団地産、会長の故郷の群馬県産、ほか新潟県産など関東甲信越柿巡り。
このほかお菓子類もあるから、腹が膨れて木の伐採には邪魔になるのだが、こんな大御馳走をやり過ごせやしないね。

話題は近場の紅葉狩。
吾野の東郷公園、白亜の名栗三観音、それに美杉台団地........。
会長さんによると、12月始め、この公園の蛍池の周りが一番なんだそうだ。
蛍池は手造り。そのお気持ち、分かります。

除伐は屈むので腰が痛くなる。
腰はみしみし、膝はがくがく、目はしょぼしょぼ、耳はじいじい.....はお互い様なんだそうだ。みんな我慢の子だそうだ。
ここに来て、木を伐れるだけでも幸せなんだそうだ。
そのとおり、そのとおり。

約3時間で宅地二つ分くらいがサッパリした。
後片づけをシッカリするので、税金で実施する森林整備よりずっと綺麗になる。
随分明るくなった檜林に大満足だった。


どっきりがっくりひっそりしっかりきっちり

2007-11-04 | 重箱の隅

 大連立を仕掛けて、小沢さんをドッキリさせた福田さんでは、したたかで書きようが無い。相当な権謀術数家かも。
やはり、孫より子の方が血が濃いね。
今となっては、まごまごしていた安倍こべさんが懐かしい。

一郎クンに会わないと言われてガックリして椅子を投げ出した晋ちゃん。
どこでどうしているのやら、晋ちゃんの便りも絶え果てた。
仕方がないから、奥様のブログを見た。

10月5日に、既に官邸からヒッソリ引越ししていた。

  最後まで必死に頑張り、本当に日本を愛し、この国に尽くしてきたことだけは
  理解して下さい。

と書いている。
まるで死んじゃったみたいだね。お可哀相に........。

だが、売り物の「美しい国」づくり企画会議2回に約4900万円も使って、よく言うよ、です。

プロフィルでは「現職総理大臣「安倍晋三」の妻」が、「前総理大臣「安倍晋三」の妻」
に変わった。
相変わらずどこかヘンですね、このご夫妻は。

次々と不祥事が起きて、晋ちゃんのことは遥か昔のことになってしまった。
だが、晋ちゃんのしたこと、しなかったことを忘れたら、今より汚い国になる、と思う。

政治生命を失った晋ちゃんに代わり、ベルサイユ宮殿から奥様アッキーが立候補する、との噂がある。それで、スマイルトークをしているんだとか。
そうなれば、選挙民の良識が試される。
山口県の皆さん、シッカリお願いしますよ。

ところで。

近頃、「サカイ引越センター」のCMが真面目になって詰まらない。
徳井優さんが活躍していた頃のCMが良かった。
会社が大きくなった今でも、仕事、キッチリやってるだろうか?
やってるよね。

■CMは2000年以前のものをお勧めします。


欅坂楓坂

2007-11-03 | 風に吹かれて

 ご老人は早起きなので昼前ならもう空いているだろうと目医者に行った。
生憎ご老人で満席で、順番を待っていたら2時頃になるだろう。

そろそろ昼時である。
飯能駅南の高台にある美杉台団地の洋食屋へ行こうと、名栗川に架かる飯能大橋を渡り、坂道に差し掛かった。

 

坂道の両側の欅並木が見事である。
黄、赤、緑が入り混じって、まさに写真にならない美しさ。

交差点を右に折れて、広い坂道を登る。
やがて、見事に揃った円錐形の楓の並木が赤く染まって、ここもまた見事である。
日本産の楓にしては葉が大きいので、カナダ生まれだろうか。

高麗の団地の唐楓よりずっと華やかに見える。
高麗の唐楓は毎年徹底的に枝下ろしをしているが、ここは放任のため亭々と聳えている。
そろそろ住民から苦情が出るだろうが、他所者としてはこのままにして欲しい。

この団地の美しさを考えた。
答えは無粋な電柱と電線が無いからである。看板が無いからである。
並木が自由に育っているからである。

 

雨のあと、生憎の曇天のため、数年前に来た時ほど鮮やかではなかった。
だが身近な場所で、ガソリン抜きのお手軽な紅葉狩を楽しめた。

坂の途中に広大なハーブ園がある。
洋食屋に入った。

(以下「ヤハラテナ」へ続く)


ヤハラテナ

2007-11-03 | 風に吹かれて

 
 
  お店は見てのお楽しみ

 「ヤハラテナ」、とは洋食屋の名前である。
インドかセイロン紅茶に関係があるらしい深遠な店名であり「洋食屋」では失礼かも。

飯能美杉台団地にある広大なハーブ園の施設の中にある。
この施設が大したもので、ハーブ尽くしの施設である。

「生活の木 薬香草園」という日本語を正面に押し出した殊勝な施設である。
もっとも、「ハーバルライフカレッジ」という控えの名前の方が、カタカナながら分かり易いとは困ったものであるな。

施設の入口には、ハーブ関連商品の売場がある。東京でもこんなに大きなハーブ専門店を見たことはない。
更にハーブギャラリーやハーブ相談所や、何やら訳分からんハーブのいろいろ。2階には集会場研修室などがある。

「先人が愛し活用したハーブを現代生活に取り入れて健康な生活を実現する予防医学としての........」とか看板に書いてある。
覚えきれない立派な宣言は、実地に確かめて下さい。

そして、一番奥に「ヤハラテナ」がある。

天井は高く、ガラス窓は床から軒までと広く、ハーブ園に囲まれて、明るく、洒落た洋食屋である。
幼児を連れて友達同士でやってきた若いお母さんが多かった。飯能の商店街ではちょっと見かけない小洒落た若奥様たちである。
BGMはオルゴールで、早くも達郎山下の「Christmas Eve」が、この雨は夜更けて雪になるだろう、と鳴っていた。

今日のおすすめランチ、「ナントカカントカのナントカカントカ」を注文した。
勿論、全部カタカナではあるが、要するに「魚肉のハンバーグランチ」だろ?
野菜のポタージュ、パンまたはライス、珈琲または紅茶またはハーブティが付いて森男の普段の2食分強、僅か1300円である。

ポタージュはトロ~リと美味だった。
ナントカカントカは、台風の後の泥濘に難渋するガンモドキ。葉っぱやトマトがかぶさったようだが、偏見を捨てて眺めて見れば、それなりに美しい野分のあと。

味は良かった。立派に合格である。
わが猫額亭の食堂ならば、皿に残ったソースを舐めたかったほどの美味さ。
ライスよりパンにして、耳で皿を拭ってクリンクリンにして洗剤節約に協力やりたかった。

洋食屋の出入り口にパン売場がある。クッキーもある。
美味そうであるが、お金を溜めてまた出直そう。

ハーブ専門店の品揃えを1点ずつ見て回るのは楽しい。
あれこれ買ったとして、ロマンスを想像すると、もっと愉しく悲しい。
客は全くいない。しかし、商品に埃は被っていないし、痛んでもいない。
不思議である。

立派な宣言文を書いた看板には、開設は96年とある。
美杉台団地の住人以外は、まず来ないだろう。
よく11年も持ち堪えたものである。

ハーブ園は広くて珍しい。施設は洒落ていて、清潔で広い。
食事は美味いし、ハーブ専門店の品揃えは大したものである。
お客さまはそれなりに素敵だ。ハーブグッズを買って........。......そして涙。

応援したいけどなぁ。
ちょっと高いね。

あのハンバーグ、がんもどきもどきじゃないの?


遠慮名人の後悔

2007-11-02 | 拍手

  色絵金銀彩羊歯大飾皿 富本憲吉

 ドナルド・キーン先生は「遠慮名人」、と自称している。
そして、名人であったことを後悔している。

・後悔することは大体、何のためにもならないが、50年を超える日本での生活を
 振り返れば、やはり後悔がないとは言えない。

そうである。そして具体的に後悔している事柄をあげている。
  
・始めに、留学生だった頃、骨董品が安かったが、学者だから本ばかり買っていた。
 いまその本は粗末な紙質のために粉になってしまい、読めないものが多い。
 美しい骨董品を買っていなかったことを後悔している。

ここまでは普通に読めたけれど、以下がもの凄い。それを要約します。

・雑誌に民芸運動「批判」記事を載せたら、富本憲吉が記事を褒めてくれた上に、作
 品を一つ贈ろう、と言われた。
・マンションを探しているときに、吉田健一から、ウチにしばらく泊まらないか、と。
・川端康成からマンション購入祝いに、長持ちを差し上げる、と。

キーン先生は、これらの素晴らしい贈り物を、日本の遠慮文化を習得している事を示し、毎晩の晩酌に付き合うのは大変だし、マンションは狭いので、断ったことを後悔している。

ただ、一時帰国する際に、谷崎純一郎から、お土産は何がいい?、と聞かれて、いっぱしの粋人であることを見せるために、谷崎夫人の狂言小舞を所望し、願いは叶えられて、それはそれで満足した。
しかし本当は大谷崎の色紙も欲しかったらしい。

それで、先生の教訓は、

・尊敬する人が物を下さる好意を示す場合、躊躇無く頂かないと、相手はガッガリ
 するだろうし、自分も後々まで後悔するだろう。

と書いている。

う~む。羨ましいなぁ。
森男だったら躊躇無く頂いてしまい、後悔なんかしないだろう。
長持ちは頂いて、中で寝起きしているだろう。

キーン先生には失礼だが、例のジュゴン前事務次官である。

前次官は打ち出の小槌のような素晴らしい親友に恵まれて、自分ばかりでなく夫人や部下や、怪しい先生たちにまでご馳走や贈り物をした、はずである。

森男も貰い名人だから、家族どころか近所の方々までお裾分けして、今頃はもしかしたら、社長か市長になっていたかもしれない。
つくづく親友作りに失敗したことを後悔している。
ま、相手だって、お互いさま、と後悔してるだろうが.......。

ただ、前次官のような体力を親から授からなかったけれど、あり難い親友がいなかったので、糖尿病で失明もせず、片足を失うことも無かったことは、不幸中の幸いではあった。

前次官は、現在、どんな心境だろうか?
大勢親友がいる。後悔なんかしてないやね。
元親分は病院に逃げ込み、親友たちは知らん顔。
きっと、怨んでいることだろうね。

 

朝日新聞11/1付け「遠慮の名人 私の後悔」ドナルド・キーン氏随筆を材料にしました。


大澤舎新井家

2007-11-01 | 高麗便り

  通用門

通勤電車から見える屋敷林の中の大きな瓦屋根が気になっていた。
3箇所もある門は固く閉されていて、板塀に囲まれた屋敷は覗くことすら出来なかった。

その屋敷が控えめだけれど公開されたのである。
名前は「大澤舎新井家」。
高麗郷の名主の家柄で400年前にこの地に居を構えたそうである。

三方は地形を生かした空濠状になっている。

正門を入ると視野からはみ出す大きな総二階の母屋に驚かされる。
家族用玄関とは別に客人用の式台がある。
デイの間、居間、奥の間は瀟洒な造りで欄間や書院窓の建具は繊細華麗。
長押の釘隠しや襖の取っ手は凝った造りである。

日常の玄関は以前は土間だったそうだが今風に改装されている。
但し天井に目をやるとまさしく名主風の堅牢な木組みであり柱も太い。
同じ屋根の下に全く雰囲気が異なる部屋があるのだ。

家は現役の住居だからあちこち改装してあるし、公開していない場所が多い。
茅葺屋根は戦後瓦屋根にし、数年前に銅板葺きになった。

式台で挨拶をしたら、ご当主がじきじきのお出迎え。
書画骨董、家屋の構造、一族の歴史などを、丁寧に説明して下さった。
季節によりしつらいを替えるそうだから、何度も訪れた方が良さそうである。

代々の主は教養豊かな人たちだった。
狩野探幽、与謝蕪村、谷文晁、円山応挙、英一蝶他...........。
どこかで名前だけは聞いたことがある、作家や名筆達の作品を蒐集した。

これらの書画骨董は室内にさりげなく、しかるべき位置に置いてある。
真贋の程は定かでないがそれぞれ上等上質な作品だと思う。
だから絶対に触らないこと。

一緒に行った端正さんは美術を本式に勉強した人で、名山さんは中部小京都の出身。
濃い会話になった。

庭園は三ヶ所もあり、野趣に富んでいながら手入れもいい。
周囲は深い森に囲まれているので、夏、2mの青大将がお出ましになるそうである。
森男は落葉掃きが趣味である。
寒い季節なら奉仕作業をしたいけれど、春夏はねぇ......。

瓦屋根時代の巨大な鬼瓦が庭先に置いてある。
まだ新しいが、ご当主はその価値を十分にご存知で、安心した。
このまま苔むしたら、庭の立派な飾りになる。

  旧道から右手奥に正門

場所は国道299号線下の狭い下り坂にある。
手前から裏門、通用門、正門と、不自然な順序に配置してある。
理由は、この狭い坂道が飯能から秩父へ行く街道だったからの由。

市に旧道を復旧してもらいたい。
滝不動、高麗峠に通じれば、国道299号線を避けたハイキングコースになる。
巾着田一辺倒の行政では到底思いつかないことだろうが。

大澤舎新井家は西武高麗駅から徒歩約7分だ。
巾着田に近いが川と森に隔てられ、彼岸花の喧騒もここは届かない。

素敵な場所だけれど、物見遊山気分で押しかけないで欲しい。
また、日本家屋なので大勢での訪問は無理。

森男たちは裏門から入り、勝手口前車寄せに車を停めてしまった。
屋敷の手前に数台分の駐車場所があるが、旧街道の入口が分かりにくい。
近くの東急ショッピングセンターに内緒で停めて、歩いて行った方が楽しめる。
その代わり、帰る時にどっさりお買物して下さい。

             大澤舎新井家見学は有料。予約が必要。
                      詳しくはHPをご覧下さい。→「大澤舎新井家」です。

  
雪の日の正門

▲上下の画像は新井家HPと栞から拝借しました。