林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

ウグイスカグラ

2008-03-18 | 遠い雲

 

 「ウグイスカグラ」の花がひっそりと咲き始めた。

実家の庭にもあり、子どもの頃は「グミ(茱萸)」と言っていた。
ルビーのような小さい実が成り、少しも腹の足しにはならないけれど小鳥のようについばんだものである。

猫額亭に引っ越して自分の庭を持った時に、あの「グミ」が懐かしく、実が大きいという「びっくりグミ」の苗を移植した。

「びっくりグミ」は、の形は似ているが、色は黄白色で記憶よりずっと大きく、葉は大型で強健。冬になってもなかなか落葉しない。
茎には棘まであり、実はビックリするほど大型。味はなかなか美味である。

それ以後、あのグミは一体何だったのだろうと長い間、気になっていた。

何年か前の今頃、丘の上の公園で作業中、会長さんが、

   あれっ、「ウグイスカズラ」が咲き始めた

と言ったのを聞いて、近寄って見ると、子どもの頃の「グミ」と同じ花だった。
あの「グミ」は「ウグイスカズラ」だったのか、とあやふやな記憶を訂正した。
よく見ると、雑木林の中にはいっぱい自生している。

それから何年かはあの「グミ」は「ウグイスカズラ」だったのか、と腑に落ちていたが、カズラは「葛または蔓」。蔓草(つる草)の総称のはず。
どう見ても蔓ではない。

図鑑を調べたら、「ウグイスカグラ(鶯神楽)」だったのである。
現在、植物の名前を書く時はカタカナを使うべし、と決められているそうだ。
お陰で、正しい名前に辿り着くまで、60年も掛かってしまった。
だからカタカナ表記は味も素っ気も無く、イヤなのだ。

●会長さんは「神楽」と言ったのかも知れないけれど、「蔓」と覚えている人が多い。
森男は「紀伊上臈杜鵑」を「黄女郎杜鵑」と覚えていた時期がある。

鶯神楽はスイ科スイ属で、グミはグミ科グミ属。


こどものまち

2008-03-18 | 重箱の隅

 

 楳図かずお邸が東京吉祥寺の住宅街にとうとう完成してしまった。
景観を害する、と近隣住民が外壁の赤白模様などの変更を求めて訴訟を起こしていたが、法律的には問題が無い、とされている。

蓑虫は、好き好きの問題でしょ、同業の黒漫画家は、表現の自由を縛る気か、と見当違いのご大層な楳図擁護をしていた。
大方の意見は、可愛らしくていいじゃん、というところのようで反対派は分が悪い。

吉祥寺の住宅街はディズニーランドではない。
目立ちたければ、赤白柄はせいぜい自分の服装くらいにして、本業の漫画で人目を引き付けて欲しいもの。

最近、大のオトナが「可愛らしさ」最優先のようだ。
そうして、どんどん「こどものまち」に落ちてゆく。

隣にこういう騒々しい家が建ったら、森男は黒いペンキをぶっ掛けてやるぞ。

▲記事は朝日新聞から。この写真では柔らかい赤にして楳図応援。
TVで見た赤は、マッカッカの赤でした。

TV出演の不動産屋さんの鑑定では、土地は億が付くが、建物は奇抜過ぎて転売不可。
従って建物の価値はゼロの由。


スラブ舞曲10番ホ短調

2008-03-17 | 歌の翼に

 

 切符の売れ行きは好調らしい。
少し前まであの美輪明宏さまがご主演なさる「黒蜥蜴」のラジオCMが盛んに流れていたけれど、最近はやっていない。

明宏さまがあのヘナヘナ声で「おいで、おいで」と仰る時のBGMが、この「スラブ舞曲第10番ホ短調・Op72-2」だった。

黒蜥蜴」は江戸川乱歩原作、三島由紀夫脚色の舞台劇。明宏さまのおはこ。他に坂東玉三郎嬢(じゃなくなく、丈)も評判を取ったが、やはり明宏さまの方がピッタリであろう。
大昔、京マチ子さんがミュージカル映画で主演し、男装で見事なダンスを披露されたが、肝心の映画は仕掛けがチャチで残念だった。

でも、明宏さまにこの曲は勿体無い。もっと爛れた音楽、例えばタブーが似合う。むしろ、岩下志麻さんの方に似つかわしい。

実際、岩下志麻さん、津嘉山正種氏主演のNHK連続コメディ「夏の日の恋」で、この曲は効果的に使われた。

勝気で美しい志麻さんは夫に蒸発され、家業の仕出屋を必死に支え、真面目一方の一人息子のお見合いに臨んだ。
渋い津嘉山氏は女房に先立たれた紳士服の仕立て屋紳士。ぶっ飛んでる娘のお見合いに付き添い、互いに電波が走った。

息子と娘は喧嘩続きだが、志麻さんと津嘉山氏は逢瀬を重ね、志麻さんの舅の池辺良さんは、ありがとう、良かったね、これからは自分の幸せを、と理解がある。

夫と諍いで実家に居候の義妹のダンス教師松坂慶子サンは津嘉山氏に色仕掛け。
それを見る志麻さんは悶々。

夏の日の夜、湘南海岸で公認の逢引をするが、一晩中渚を歩くだけでな~んも起らないで朝なのね。

こういう状況で二人が会う時、流れるBGMがドボルザーク作曲のこの曲だった。
遣る瀬無く、豪奢。カッカと燃え滾るが、破綻はしない。

手許のCDは、アンタル・ドラティ指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の胸掻き毟る、絢爛豪華な演奏である。楽器が粒立ち、煌いている。

他の15曲はチェコの伝統的な舞曲から曲想を得ているが、この10番だけはウクライナ起源である。
この豊かな叙情性を持つ交響曲をクライスラーがバイオリン独奏曲に編曲。一層広く親しまれるようになった。
........と解説には書いてある。

試しに、この曲のバイオリン独奏を庄司沙矢香さんの情熱的な演奏でお聴きの上、外山雄三指揮のNHK交響楽団の演奏の一部を聴けば、その辺の事情はお分かり頂けるはず。

ドラティは外山よりテンポが速いが、最後のフェルマータが物凄く長く余韻嫋々です。
美輪明宏さまの選曲は上手いけれど.......。

▲美輪明宏さまの画像は雑誌「宝島」の広告です。この広告は数々の賞を獲得しています。
お互いに、「生年月日は捨てましょう」ね。


鹿童子

2008-03-16 | 床屋放談

 来年は平城遷都1300年の由。
奈良県は色々仕掛けているが、マスコットキャラクターについて、騒がしい。

 

描いた人は仏師でもある彫刻家の藪内左斗司先生。先生が作る「童子」を森男は大好きで、昨年は高島屋の個展を観に行ったほど。(北枕・童子七変化

ある偉い坊様は

   この童子の長耳や眉間の白毫(びゃくごう)は仏様特有のものである。
   その仏様の頭に鹿の角とは、冒涜である。

なんて息巻いているが、それを言ったらお仕舞ぇよ。
でもなぁ........。

奈良の鹿は角を切っているんだから、角が余計だったのかも。
もっとも、藪内先生は、

   こういうものは好悪の対象になり易い。だんだん慣れて、みんな好きになるよ。
   皆さんの話題を呼んで、光栄です。勉強になりました。

意気軒昂です。

でもなぁ........。
ちょっと時間がかかるなぁ。

▲藪内先生の童子を大仏殿で写した絵葉書を一挙に4枚載せました。左上から時計回りに、
「こぼすなさま」大仏殿基壇(ブロンズ)。「鹿角童子」大仏殿回廊(檜・漆・顔料)。
「狸寝入り童子」大仏殿基壇柱(〃)。
「うたたね童子」大仏殿連弁上(〃)。

下の1枚は「おきあがり童子」大仏殿基壇(檜・漆・顔料)。


捨て梅

2008-03-15 | 庭いじり

  猪口
  大盃

 空地に移植した梅に花が咲いた。

庭の紅梅の下に自生した苗を鉢に上げ、50センチ位の大きさになった時に移植したいわば捨て梅である。
それから約10年、今年は一杯に花を付けた。

親梅は八重咲きの紅梅で、名は「大盃」という。
同じ花色になるかと思っていたら、子梅は薄桃色の八重咲きになった。
親梅は、けしからぬことを働いたようだ。

移植した空地は椿や山吹で藪状態であり、夏は草むらになってしまう。
こんなにいい花が咲くなら猫額亭庭園に植えとけばよかった、と後悔している。

「大盃」の子なので品種名を「猪口」と命名した。


花粉症

2008-03-15 | 知ったかぶり

  杉の花

 空気が黄色い。
杉の花粉が飛んでるようだ。

以下は、ある講演会で聞いた飯能市の奥地に住む林業家のお説である。

  ・山に杉が多過ぎる。
  ・戦後、林野庁がやったことは、ことごとく間違っている。
  ・花粉症はその結果である。

という意見だった。更に詳しく書くと.......。

  ・山の上半分は雑木林、下半分は杉檜林にする、が古老の常識だった。
     林野庁は補助金をばら撒き、山の上下全てを杉檜林にしてしまった。
     安価な外材の輸入が無いとしても、供給が需要を上回ってしまった。
  ・雑木林があれば熊、猪、獣類は里に下りて来ない。
     雑木林は実が多く成り、生態系が豊かで、餌が多い。
  ・雑木林の落葉で出来る栄養素が山肌を浸み下り、杉檜の養分になる。
  ・里に近い杉檜は手入れが楽である。
     山を崩して車が入る林道を建設する必要は無い。
     林道を作らなければ、土砂崩壊は起らない。
     粗大ゴミの投棄は無い。
  ・手入れ(間伐と枝打ち)をシッカリやっていれば、花粉はさほど飛散しない。
  ・杉檜は根張りが浅く、強風で倒れ易く、土砂流失を招くき、河川の改修が必要。

高麗川や名栗川の上流の山岳地帯に入ると、林業家のお説のとおり、と実感する。

夏、わが埼玉県は首都東京の熱気を引き受けて炎熱地獄になり、頭を使わないで済む。
酷暑の夏は杉に花粉の発生源になる花芽が多く付くそうだ。
今、夏のお礼として、風に乗せて埼玉産の杉花粉を東京に振りかけている。

       風吹けば思い起こせよ埼玉の
                   夏の暑さのお返しだぞヤイ      菅原森真

5年前、森男が20代の頃、酷い鼻炎を患っていた。花粉症なぞという言葉が無い頃のことだった。
その後、医者にも掛からずに自然に治ってしまったのは、俗世間での栄達を諦めたせいかもしれない。

高麗は杉林、檜林に囲まれている。
猫額亭に移住して既に3年3昔にもなるのに、花粉症にはならないでいる。
原因は本当に杉花粉なのだろうか?
花粉症になる人は俗界への執着が強過ぎるのではなかろうか。

南無阿弥陀仏。

なお、林野庁は役立たずどころか、悪い役所だから解体してしまえ、というブログがあり、
大変勉強になります。

▲挿絵は岡田嘉夫先生。「田辺聖子の小倉百人一首・喜撰法師」より。
杉の花の写真は和栄工業株式会社さまのHPから。


税務署紀行・サービス編

2008-03-14 | 拍手

 

 川越税務署内は雑踏していた。

だが、昔に較べるとサービスは格段に進化し、納税者を飽きさせない工夫がされていた。つまり、

   ・記入済み申告書受付カウンター
   ・パソコン入力申告書作成ゾーン
   ・昔ながらの手書き申告書作成ゾーン

に分割配置し、夫々には色違いの目立つ上っ張りを着用した老若職員がワンサと配置について、サアいらっしゃい、と万全な災害対策本部なのである。
当然、昼の休憩時間は返上なのである。

職員は全員立ち姿勢。求めに応じ場内を右へ左へと飛び回り、即座に回答または指導して下さる。社会保険事務所のぐうたら野郎共、税務署を見習えよ。

会場は暖房と民草の必死の努力が相俟って、異常な高温である。
普段は閑静な山中で、樵に身をやつしている森男は脳味噌が沸騰しそうになった。

森男の確定申告書は故郷の税理士先生が完璧に纏めて、領収書や契約書や委任状をシッカリ綴じ込んである。
当然記入済み申告書受付カウンタに並び、15分待ちで順番が来た。

実は必要経費の内、交通費は領収書が無くてもいいことに着目。そんなコマカイことを、と呆れる先生を説得して、電車代が少し、その、あれ、ワケあり、です。
一寸ドキドキしたけれど、職員さんは税理士先生の署名に恐れ入谷の鬼子母神。
今後の不明な点は先生に質問する由。
あったり前の輔。こちとら、プラズマTVを諦めたんだよ。

署内は一方通行。
厠にも職員が居て、トレペ1巻、手土産に持ち出そうにも出来やしなかった。
次に来る時にはお茶くらい出して下さい。
税務署のアラを探そうとして乗り込んだけれど、結構結構でした。
お陰で「林住記」3本分の記事が書けたけど、ちょっと残念......。

こんな旅行はこれが最後だろうね。

▲写真は「手書き申告書作成ゾーン」です。


税務署紀行・アクセス編

2008-03-13 | 風に吹かれて

 

 川越税務署への交通機関は、

    ・西武秩父線(高麗→東飯能)
    ・JR八高線(東飯能→高麗川→川越)
    ・JR川越線(川越→南古谷→川越)以上小計720円
    ・西武新宿線(本川越→所沢)
    ・西武池袋線(所沢→飯能)以上小計450円
    ・国際興業バス(飯能→大字藪野中)230円   総合計1400円

と乗り継いで行かねばならぬ。総合計1400円、一日掛かりの大旅行である。
そして、南古谷駅から、一昔前までは畦道だったところを徒歩で行く。

住宅が立ち並んだ狭い道を折れ曲がって行くのだが、要所要所に案内看板が迎えてくれて、最近の税務署さんて、なんて親切なんだろう。社会保険事務所は見習えよ。

会社を辞めた年に来た時は正しい畑や田圃だったが、現在、美田はアパートや駐車場に化け、お百姓は豪勢なお屋敷住まい。ご先祖の墓石は打っちゃっておく罰当たり。

 
 

広い駐車場を数箇所通り過ぎて、田圃の中に壮麗な川越税務署があった。
.....ったく。もっと便利な川越旧市内に建てればいいのにね。この頃はコンパクトシティが流行だぜ。

案内では、駐車場は無い、と言ってるくせに、昔どおりの広い駐車場があるではないか。しかもガードマンが二人もいて、テキパキと誘導をする親切さだ。

税務署の向こうには正調・冬の田圃がまだ広がっていた。


税務署紀行・グルメ編

2008-03-12 | 風に吹かれて

 

 確定申告書がようやく税理士先生から届いた。
郵便で川越税務署に送ってもいのだが、このまますんなり受理されたのでは面白くない。それで川越税務署まで大旅行に出かけた。

最寄の駅はJR南古谷駅。小江戸川越の東の果て、関東平野の真っ只中である。
駅前に無粋な大きな建物はいくつか出来たが、昼飯を出す店が無い。
築10年以内のはずだが既にもののあわれを感じさせる喫茶店に入った。平衡感覚を狂わせる什器や内装の凝った店だった。

先客は刑事コロンボ。窓際でタバコを吹かしている。
申告書の封筒を置いているので、税務署に用があるらしいが、まだ昼前だよ。

ランチがあった。
スパゲッチイナポリタン、サラダと紅茶とデザート付き900円である。高麗の郷では三ツ星れすとらんでもランチは630円だぜ。
腹が減ってはイクサは出来ぬ。贅沢だけれど選択の余地は無い。

スパゲッチイは玉葱他野菜が3種入り、儚いウインナソーセージが3本。底に黄身抜き目玉焼き(?)を敷き詰め、カゴメトマトケチャップの味が際立っている。
本場のナポリターナが逃げ出す美味だった。これならヘンなものは振りかけて無いだろうよ、と安心した。
まさに、絶妙な食感の、絶品だった。

粉チーズをドッサリ振り掛け、タバスコで味を調えると五つ★れすとらんの味に進化した。

野菜サラダの他に何故かホワイトセサミ振り掛け白菜漬物が付き、紅茶は砂糖無制限、デザートは小型伊予柑8分の1。
あ、その他オニオンスープ浅葱入れがあって、900円は安い!
千客万来になるとこの店の良さが失われる。

だから店名はナ・イ・シ・ヨね。
写真はイメージです。


巣立ち

2008-03-11 | 林住期

 

 お隣の姫が、夜、やって来た。
老舗の小さな饅頭を8個持って、やって来た。

  明日、東京に引っ越すの。
  えっ!?

就職が決まり、高麗からでは通勤が辛いそうだ。
森男だって20年通勤したのに、な。

姫はバブバブ言ってる頃から遊びに来ていた。

小学校の頃は、引越しのサカイ、勉強します、を妹姫と歌って踊ってくれた。

中学に入る前には、肩車を断られた。

高校生の時は、町で逢っても横を向かれた。
父親参観日にパパは無視されて、落ち込んでいた。

それが、大学に入ったら急に愛想良し。
町で逢うと手を振られ、ドキっとして、えっ? 誰だったかな?
すでに森男より背が高い。

猫額亭のソファがへたってしまったのは、姫たちのジャンプのお陰。
みっともないけれど、替えたくないね。

急な餞は、東急ハンズで見つけた「鍋つかみ」2個。

次に逢う時は、もう、お互いに気が付かないだろうな.........。

ヨソの姫だけど、.......悲しいね。

▲可愛らしい女の子の写真は、農協の新聞広告からお借りしました。


ソクラテスさんのまちづくり

2008-03-11 | 高麗便り

 

 もう一つの講演会に出席した。

今日の主催はその名も凄い「ソクラテスの会」である。
場所は昨日と同じ。参加者もほぼ同数か。但し、今日は背広の紳士は殆ど居らず、女性が増えた。
昨日が現役なら今日は退役さんが多い。

意外や意外、市長が特別参加。講師が市の重要な委員会の座長を勤めているからか。
市長の挨拶は、早くも春爛漫、春風駘蕩なご挨拶だった。

    全ては、前任者のお陰で順調に推移し、周辺各市の羨望の的である
    自然は豊か、風光明媚。由緒正しい歴史を持っている
    新成人は外界に出る気はない郷土愛のカタマリだ
    工場の進出は続々と.........。

結構結構。だったら、どうして合併のお誘いが無かったんだろうか?
どうして、年毎に殺風景になってゆくのだろうか?
どうして、何かにつけ、「予算が無い」のだろうか?

    もっと市民の声を取り入れてゆきたい

その市民の範囲が問題なんですよ、市長さん。

講師は某工業大学建築学科某教授。
昨年夏のソクラテスさんたちの講演会で絶賛を博しての再登壇だそうだが、今日のご講演はだだっ広い平屋作り。小部屋数は多く、開口部無し。パワーポイントはありあわせ。
森男は睡魔と必死に闘うことになった。

    日本各地のまちづくりに学び
    日高市の将来をどう作っていくか
    まちづくりのヒント満載

という事前の惹句だったが、森男にはどうもよく分からんな。
昨日の先生が10なら、今日の教授はせいぜい2以下。

    まちづくりには市民の参加が必要

ということらしいが、3分で済む内容。しかも、前座の市長のお説のまんまかぇ?
早春のいい天気なのに、1時間57分、ソンしました。

それでも、参加したソクラテスさん達には十分に理解、満足出来たらしい。
盛んな質問があったが、質問も回答も森男には「........?」、でした。
どうも、ソクラテスさんたちの知的高レベルに達しておらず、全く申し訳ありません。

会費も払わず、的外れな難癖。
平にご容赦のほど、お願い申し上げますね。

あるソクラテス氏が、
東急団地はブロック塀が多いので、遊水地が幾つも必要。
西武団地は全て生垣なので、遊水地が無い。
塀はブロックより生垣がいい、
と思うが先生は?
という質問。

高麗東急団地なら、ブロック塀は3箇所しか無く、遊水地は3箇所。
西武団地には東急の数倍の広さの遊水地と小さな遊水地が合計2箇所ある。
やはり、書斎に閉じ籠って、思索ばかりなんだろうね。

ややっ。東急団地は「高麗川」にもある。そっちは知らない。
反省します。


観光活性化市民の集い

2008-03-10 | 高麗便り

 

 といっても、一般市民ではなく、わが日高市を牛耳っている紳士の方々が席数の約6割ほど集まった。4割は空席である。

驚きかつ感激したことは、入口で記帳する際、滋養豊富風味絶佳な「森永ミルクキャラメル」1箱と緑茶缶を下さったこと、記帳の文字が大きくて、普通の場合の記帳簿の二人分に相当する面積を取っていたことである。住所なんか書かなくとも、森男以外は有名人。態度デカイもんね。

この講演会を一般市民は誰も読まない市の広報誌で知り、参加資格は日高市観光協会会員と市内在住の人となっているので、森男は怖かったけれども市内在住の人だから、普段着のよれよれで参加した。

予想どおり9割の紳士たちはリュウとした背広姿である。中にはスポーツシャツに無理矢理ネクタイをしている人や、靴の泥がどうもね、という土豪劣紳士もいたが........。
女性は数人しか居なかった。
市長、県会議員、商工会正副会長、市議先生、JNいるま野なんとか長、などは皇太子ご夫妻のような場所に、特別席が用意されていた。

開会は5分遅れた。
偉い方々は存在感を示すために遅れるか、県議先生のように早く来て握手をしまくり、挨拶が済めばとととと、と別の集会を梯子するのである。
始めに偉い方々のご挨拶が延々30分続き、「project 」を「ぷれじえくと」と何度も発音される副会長も居られた。

「生涯学習ゆめ・みらい研究所」所長の工藤日出夫先生の講演は掛け値無しに素晴らしかった。

「ゆめ・みらい」なんてイカモノまがいのイカニモな名前は本来ヤなものだし、紳士の方々とは旧知の間柄らしい。しかも市役所が主催なので、どうせ、と思っていたら、とんでもなく刺激的、挑発的、先進的、画期的。分かり易く面白い講演だった。

紳士の方々、実は先生にからかわれているのに、気付いてないようだった。
紳士の方々は大きく頷いておられたが、実際にやっていることは先生のご指導とは全く逆。都合のいいとこだけのつまみ食い。ここはニッパングルの世界らしい。

ところで、日高市の知性を代表する「ソクラテスの会」のソクラテスさんがいないのはどうしたわけ?
もっとも、ソクラテスさんが開く会には、今日来た紳士たちは参加しないだろうが......。

日高市には高萩・高麗川地区と高麗地区との密かな東西問題の他に、広報でくり返し取り上げるサベツ問題がある。
今日の講演会で、新旧問題というもう一つの内緒のサベツ問題に気が付いた。

明日はソクラテスさん達の研修会(講演会のこと)に潜入します。

●先生のご講演の報告は後日、別稿で行います。

▲写真はJR高麗川駅前です。


泣く木

2008-03-10 | 重箱の隅

 

 雑木山でヒサカキが涙を流している。
春、そろそろ新芽を出して上へ伸びようとしていたところを、森男にバッサリ伐られてしまったのだ。

生えて欲しくない所に勝手に生えてきて、薄暗い密林にしたんだから、仕方無いじゃないか。可哀相だけれど諦めな。

公園や図書館の欅(けやき)が痛ましい。
新しいスーパー前の欅並木は見るも無残である。

 

団地を売り出す時に植えた欅は30年もすれば高木になる。
落葉がご近所に嫌われ、予算が無い無いと言いながらも、市役所が何年分もバッサリと、枝を切り落としてしまったのだ。

公園を造った時に植えた欅は、柔らかな新緑、涼しい木陰、美しい黄葉を楽しめたけれど、成長すると邪魔者扱いである。
町なかの狭い公園には、始めから植えなければ良かったのだ。

 

出来てから30年も経つと、公園の樹木が多過ぎる。
公園の中心に欅を1本植え、その下周りに雪柳や躑躅など潅木だけで良かった。
木々は放任すれば、それなりの自然な樹形を作り、手入れをする経費は少なくて済む。

境界の潅木も要らなかった。
どこからでも、自由に公園に入れるようにすれば良かった。

行政や造園家は、公園の造り方を間違えている。
そばの住民は、掃除くらいは自分でしようよ。

伐採したヒサカキは根が残っている。
その根株から秋には「ひこばえ」が出て、また成長を始めます。


なんば歩き

2008-03-09 | 知ったかぶり

 

 「外出がおっくう」と感じたら要注意。高齢者閉じこもり現象の始まりである。
閉じこもりがもたらすものは圧倒的な運動不足と精神的な刺激の欠如。老化を促し、寝たきりや呆けの原因になる。

外出しない理由は

 1.体力に自信が無い
 2.おっくう
 3.用事が無い........(耳痛いね)

の順だとか。体力に自信が無いから閉じこもり、その結果筋肉が衰えてますます体力に自信が無くなる悪循環。

若い時の筋力を10とすると、高齢期の筋力は7~8程度に低下する。
しかし一つ一つの筋肉の力が落ちたのではなく、3割の筋肉が怠けて休んでいるのだ。
単純な動作でも複数の筋肉が連動している。一部が休むと忽ち動きが悪くなる。
「体力が落ちた」と感じる背景にはこういう筋肉の休眠状態がある。

筋肉の3割休眠状態は、以下の事象で明らかになる。

 ・「どっこいしょ」と言う
 ・平らな床なのにつまずく
 ・車の乗降がぎくしゃくする

対策として手軽に始められるものは、例の「ラジオ体操」。休眠筋肉を刺激するのに良い。
筋肉が目を醒ましたら、街歩きに出かけること。
人との触れ合いや、季節の移ろい、耳目に飛び込むさまざまな情報が精神的な刺激になり、呆けも防げる。

......と、以上は「日本新薬」さんの新聞広告の受け売りです。

何故、新聞広告を詳しく読んだのか。理由は和田誠先生の挿絵(▲)のチカラです。
作者名が無いが、この絵は明らかに和田誠先生が描いている。

森男は昔から先生の挿絵がある本なら必ず読み、広告でも読むことにしている。
そうして、高齢期が近いので、大変勉強になった。

この挿絵の紳士の歩き方は、明らかに「なんば歩き」である。
右足が前に出る時、右腕も前に出る。これは明治維新以前の日本人、なかんずくサムライの歩き方だったのである。

「なんば歩き」は身体にいいらしい。
「街は若返りの妙薬」だそうだから、街歩きに「なんば歩き」ならもっといいはずである。
ちょっと難しく、大変恥ずかしいけれど、誰にメイワクをかけるわけではない。
もう一つの健康法、後ろ向き歩行に較べたら遥かに安全だ。
さ、試してみましょう。

▲「なんば歩き」はリンクさせて頂いた増田明美さん他いろいろあります。
健康に関心がある方はお調べ下さいね。


問題解決のはず

2008-03-08 | じゃじゃ馬馴らし

        アインシュタイン博士

 約束の9時きっかりに便利屋社長が来た。連続くしゃみ3連発で花粉症だとか。
依頼事項は以下の5項目。

  1.Pに仲介業者「ぶらぶら」が推奨する「摩訶不思議」という脳味噌の移植
  2.Nから派遣され、役立たずになった警備装置の解雇
  3.赤や緑のランプが点滅する黒い小箱の返却手続き
  4.配線工事
  5.(社長の勧めで)、Pの再教育

社長はくしゃみをしながら頑張った。
1.4.5.は順調に捗った。
ところが、2.3.は難工事となった。

社長はNを電話で呼び出し、深刻で緊迫したQ&Aを延々と続けている。
遠くででハラハラ見守る森男の手に負えるようなことではない。つくづくそれが分かった。

Nは狡賢い。
新規申込はアッサリ受け付けて、即、装置を送り届けるが、解約手続きはスンナリ進められない仕組みにしている。
森男がこの工事を一人でやっていたら、発狂するか、罵詈雑言の連発でまた世間を狭くしただろう。

賃借料金は月々数百円(これも実は良く分からない)なので、泣き寝入りしている人が多いと思う。塵も積もれば山になる。
料金は電話料金と一緒に預金から自動引落しするので、放っておけば会社はボロ儲け。
誰か、この元国営電話会社の悪だくみを摘発して下さいな。

結局、4時間近く使ってやっと工事は完了した。
料金は1時間3000円。10000円の支払いで済んだ。
ありがと、社長。
良かったね社長、花粉症も治ったみたい。

お陰でPの画面がスッキリ見えるようになりました。
これでハッカーやばい菌対策は十分だ........ろう。
さぁ、矢でも鉄砲でも持って.........来ないでね。

▲挿絵は和田誠画(「PEOPLE」美術出版社刊より)