日高市が「ひだか健康お散歩マップ」(▲)という地図を作った、という新聞記事を見た。「観光スポット」に置いてあるそうだった。
ところが高麗神社や聖天院にも、駅にも無く、高麗公民館で貰うことができた。
公民館が日高では観光スポットなのだろうね。
表紙はチャチ。とぼけた名前の地図だが、中味はなかなか「豪華」な地図ではある。
この春、観光協会が主催した日高の観光活性化のための講演会で、講師先生が、
・先ず、住民が市内を回遊しないような町では観光客を呼べない。
・日高は初めて来る人にとっても、懐かしい景観が多い。
・日高らしさとは何か、日高の魅力は何かを見極め、それを強化しよう。
・車を使う観光客は排気ガスを落とすだけで、おカネは落とさない。
・観光客にもっとおカネを使って貰おう。そのためには市内を歩いて貰おう。
・競争相手は「小江戸」川越だ。
という話をされ、市役所や各団体のお歴々は大きく頷いていたので、ほほう、早速、なかなかやるじゃん、と感心したら.......。
この地図(いや「マップ」か)、ちっとも感心出来ません。
先ず、市民の健康増進ために作ったのか、観光客増加のために作ったのか、ハッキリしません。多分、虻蜂獲らずの両方だろうね。次に......
1.新聞紙大16折裏表総天然色の豪華な地図は、大き過ぎて扱いにくい。
道路でこれ拡げていたら、車に撥ねられてしまいます。
2.裏面は小学生の社会科のように情報てんこ盛り。
祭歳時記、古木・名木、花のある風景、物産品、見る・遊ぶ場所、歴史・文化
など、歴史と彼岸花と「サイボクハム」以外に大したものは無いのに、無理しち
ゃって.....。
エクササイズウォーキングの効果と仕方なぞ、何を今更保健所ですかぃ。
「ひだかイチ押しスポット巾着田曼珠沙華公園」はもううんざり。「ひだか」とか
「お散歩」とか幼児相手の表記をしながら「曼珠沙華」とはね。
それに全体がゴタゴタと垢抜けず、まるで雑巾。これが「清流文化都市」か。
3.地図面の「みどころ」の吹き出しが少ない。
少ない吹き出しの文言は仲人口そのもの。ユカイです。
高林謙三とは何者?
聖天院に「古の寺院の面影」は無く、「多くの文化財」は見せてくれません。
「知る人ぞ知る」滝沢の滝は「山中にひっそり流れ落ちる」のかい?馬の小便
だったよ。
五常の滝が「清冽」とはね。
聖天院、勝音寺、霊巌寺には札所番号や「番外」などを入れて下さい。
その他キリがないし、品が無くなるので揚げ足取りは止めときます。
4.「お散歩」と言い、エクササイズウォーキング欄まで作りながら、車での来日経
路を説明している。ところが巾着田以外は、地図に駐車場が載っていない。
ま、あの時の先生のご提案を受け入れ、市内観光は「お散歩」をお願いしまし
ょうよ。
また、市民相手の「マップ」なら、「お散歩」コースの18提案なぞ必要ないし、
コースには「如何なものか」な無理矢理なコースもあり、です。
例えば、
「清流林道コース」の通行止めは解除されたのだろうか。
「ふるさと歩道②コース」の白銀平展望台の落書きやゴミは処理したか。
「横手多峰主山コース」に丘の上公園が痕跡もないのはなぜか。
そのほかいろいろ......。
5.配布場所と時期が不適切。
市内回遊観光客を増やすためなら、西武高麗駅にもJR高麗川駅にも置くべ
きだし、観光客を増やすためなら、川越や池袋駅にも置かなくてはね。
たったの1万部では、今年の彼岸花の時期には、多分品切れだろうし、残っ
たものは日焼け色褪せしてるでしょう。
そういう訳で、この地図は「健康お散歩マップ」というより単なる「メタボお道楽」な大風呂マップでした。
新聞を読んで、発行は市役所の産業振興課かと思ったら、「市観光協会」で、「日高市魅力づくりプロジェクト」として、「ひだか健康お散歩マップ作成委員会」が「市民との協働で作成されました」そうで、ああややこしや。
......で、その「市民」が問題なんですがね。
想像を逞しくすれば、あの「巾着補正予算」を、同級生や親戚など仲間内で山分けしたのだろうよ。
これも勘ぐりだが、助成金が付き、業者から広告費を集めたからだろう。あちらこちらの顔を立てたために、内容を欲張り過ぎた。
業者が商売に熱心なのは大いに結構。でも、商売はさりげなくやって頂きたいもの。
誰か、観光地の品格本を出してやって下さい。
本気で観光客を増やし、売上げを伸ばしたいなら、
・先ず公衆便所の水洗化と、洋式便座の設置をし、
・醜く過剰な看板やガラクタとバラックを撤去し、
・景観を「懐かしい田舎風」に整える。「風(ふう)」ですよ。
・名前、品質、外観等「特産品」の一流銘柄化を、サイボクハムや高麗神社のよう
に、業者自身が自助努力する。
その他色々やってから、「お仲間市民」以外の専門家に頼んで「マップ」を作るのが順序だと思います。でないと、カネの無駄遣いになります。
なお、地図では「花回廊」で取り上げた場所を殆ど無視していて、誠に喜ばしいことでした。これ以上汚されたくないもんね。
そこへゆくと西武鉄道が出している地図(▼)は便利だ。
現在、高麗の郷に関係する地図は「巾着田」、「日和田山」の2種類あり、大きさはA4三つ折裏表と手頃。広告や煩い説明なぞ無く、地図そのものである。
そして完全に、歩く人を対象にして編修している。
高麗の郷を歩くなら、西武の地図で充分です。
ただ、西武の地図は高麗の郷だけを対象にしていて、日高市東部が入っていない。
巾着田はもういいから、観光協会には高麗川駅から川越寄りの地図を作って頂きたい。その際、バスがあるなら、バス停を入れてね。
西武を見習って、商売は控えましょうよ。
「ひだか健康お散歩マップ」は各公民館と巾着田管理事務所にあります。
高麗神社には無いんですけど、と産業振興課に言ったら、
お宅にお届けします、と。なんて親切なんだろう。
西武の「奥武蔵ハイキングマップ」は、各種、西武線各駅に常備してあります。