林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

化石恐竜

2009-03-19 | 色めがね

朝日新聞に載った恐竜の化石写真は抽象画のように美しかった(▼)。
福井県立恐竜博物館」提供の写真で、ドロマエオサルウスの新種だそうだ。
約1億2千万年前白亜紀前期、福井県勝山市(そんな大昔に勝山市があった!)に生息していた小型肉食恐竜でアル、そうだ。

上はワタクシが長瀞の「埼玉県立自然史博物館」で撮影した恐竜化石の貴重な写真です。リッパな浮き彫り彫刻写真でしょう?

現代ジャパンアートのトップアスリートは村上隆先生と奈良美智先生だそうだ。
欧米ではモテモテだそうだ。
作品を悪いとは言えないけれど、16億円もするとはねぇ......。

実物を拝見しないといけない。でもなぁ.......。
わが町立アリーナで巡回無料展をしてくれるアンモナイト

 

ワタクシの大切な遺骨は1年後、どうなるんだろうか......。
きっと杉花粉のように、空を飛んでいる

奈良美智先生についてウィキで事件発生のようです。ご自分で検索して下さい。
村上隆・奈良美智先生の作品は画像検索して下さいね。


山に最敬礼

2009-03-19 | 病院巡り

3ヶ月ぶりの多峰主山だった。
行き倒れても発見されるように、人通りがあり、心臓破りではない坂道を選びながら、ゆっくりと頂上に向かった。


頂上には大勢の善気高嶺者がいた。知らない人ばかりである。
いつもなら挨拶を交す高貴高嶺者たちは達者だろうか.......。

お馴染の山々は定位置にあり、もう直ぐ、春はうららの奥武蔵。
そうして西方に連なる懐かしい山々に最敬礼。



雨乞池や常盤平にある寶篋印塔を巡り、御嶽八幡では快気祝いのお賽銭を弾むつもりが財布を忘れていた。デジカメを持っていた所為で、二つの内一つは忘れるのだ。

お賽銭代わりに深く、手が痺れるくらいに強く、一礼二拍手二礼一拍手礼。
.......でよかったかな。


木漏れ日がさす林間では既に鶯神楽(うぐいすかぐら)が咲いていた。
普段はトゲトゲが迷惑な茨(いばら)は、小さな葉を拡げはじめて愛おしい。

杉花粉と黄砂とフィトンチッドをたっぷり浴び、視界はボンヤリだったけれども、鼻水は止まり、気分はスッキリした。

    


▲花は鶯神楽。


卒塔婆モンロー

2009-03-18 | あらら!

 

マリリン・モンローが生きていたら83歳だ。
小野小町なら1184歳、.....ということにして下さいね。

 

小町姐さんは花の色が移りにけってから全国を流浪した、とか。
わが高麗の里に来なかったはずがない。来た。来なかった証拠はあんめぇよ。

で、歩き回って、足腰が頑丈になった、とします。

小町婆さんの卒塔婆はすぐそばの円福寺の墓地にある、と思ふ。
怨霊が日な日な出て、通行人を誘惑する、やうに見ゆる。

だんご屋おばばだって悩殺ポーズするんだから。

 

見えない? ......目医者に行かなくっちゃね。

モンローとどう関係があるか?ってか?
小野小町じゃ鹿爪爺さん婆さんしか「林住記」を覗いてくれないからね。
ま、オマケにマリリンの写真を、ウィキと「PosterBin」さんから。


知ったかぶり=小町は普通顔を描かない約束ですがウィキは別です。


ゴミガラクタ田

2009-03-18 | 高麗便り

 

この写真を見て、巾着田は素晴らしい、と言える市民はいないはず。美しく懐かしい里山風景ではなく、まるでスラム街ですね。
観光客の皆さんもマクロ撮影ばかりしてないで、もう一つの真実を見て下さいね。


市役所や巾着田管理事務所は、民有地は巾着田じゃない、と言うかもしれないが、それは杓子定規。誰が見たって高麗川の内側は巾着田の風景だ。


市有地や水路のゴミ、管理事務所所有のガラクタは、管理事務所が直ぐに片付けること。使わなくなった資材はもう捨てよう。
観光客を増やそうとしているのに、醜いものや穢いものに鈍感過ぎる。





民有地はそう簡単にゆかないだろう。生活がかかっているし、習慣でもある。
でも巾着田を観光地として売り出すなら、市が地権者にお願いすべきだ。

粗大ゴミや金属ゴミを回収して貰うためには制約が多い。土地が広いのでとりあえず置いておいたら積もり積もってこうなったのだろう。

不用な工事で巾着田を壊す予算があるなら、整理整頓を助成することも考えて上げて欲しい。商工会観光協会は仲介をしよう。そういう実力は十二分にある。



日高市環境衛生推進協議会と日高市役所は、今年もまた各家庭に「春の大掃除」をしてくれ、と言ってきている。巾着田管理事務所にも言ってるのだろうか?

  

ゴミやガラクタが無い巾着田を見たい。


台所にも春

2009-03-17 | 林住期

菜の花を頂いた。家庭菜園で収穫したので、もう花は咲いてるし、大きさは不揃いだ。
でも、目の前で採ったから鮮度は120%保証である。

さて、どうやって食うか............。
料理方法は色々あるが、頑張り過ぎだし、足りないものを買い揃えねばならない。
それに、折角咲いた花を食っちまうなんて残酷だ。2、3日台所の飾りにしておこう。

後は、さっと茹でて、ベーコン、あさり、ぶなしめじを混ぜ、炒め物にでもしようかな。
育ち過ぎて硬くなった茎は葉と分けて、じっくり茹でると柔らかくなるらしい。
油はバターにするか、オリーブ油か悩む。これ、男の創作料理です。

これが面倒なら茹でたまま冷蔵庫に保管し、濃い味噌汁、普通の味噌汁、薄い味噌汁の具にすれば、おお、3品の料理が出来上がる。

一緒に頂いた大根はおろしにした。
瓶詰めのなめこと海苔の佃煮を載せて直ぐ食った。美味かった。
我輩は料理の鉄人であ~る、な。

腹の中にも春が来た。


朗らか若田さん

2009-03-17 | うわごと

春が来たのに気分が塞ぐ。

入歯が痛い。鼻がムズムズする。目が霞む。
巾着田はバカバカしい。
あの憎い弁護士からは完全シカトされている。

定額給付金は音沙汰が無い。

宇宙飛行士の若田さんは、なんであんなに朗らかなんだろう。

きっと、ベラボウな出張手当を貰っているからだろう。
3食付・帰還間違い無しだからだろう。

それにしても、宇宙での任務に心配は無いのか。
嵐が来たらどうするんだ?

そうだ、宇宙はノー天気か。

若田さんにあやかりたくて、去年買ってきた宇宙食を食った。
時は春。.......今日はストロベリーにした。

あれま、苺の原形をしてる!
いつも買ってくるのは必ずケロイドがあるけれど、これは完璧だ。



味は埃っぽい苺味だった。ふかふかと軽かった。
入歯に苺のマッカッカがこびり付いた。宇宙には粘着力はあるんだろうか?

宇宙船を国産化するには既に1兆円、更に1兆円必要、とか。
しかもあと10年もかけて。

その前に、片道切符・手当て無しで、お迎えが来るだろう。
宇宙旅行より、定額給付金を2倍くれ。

▲この宇宙食、しかるべき店で買ったのだが、なんで漢字・カタカナなの?


看板看板看板看板

2009-03-17 | 高麗便り

 

これほどの密度で看板が林立している観光名所はそうあるまい。
一度設置した看板は、役目が終わっても、汚れてしまっても、何の効き目が無くっても、大事に残しておく。


  

春先に花火を上げる人がいるのか?
禁止禁止と禁止ばかりしても、誰もいうこと聞かないじゃないか。
使ってない駐車場に、どうして出口入口が必要なのか?
いちいち読んでたら追突するぞ。
余計なお世話だ。


巾着田は日高市観光の看板ではあるが、看板観光名所ではない。
......何がなんだかこんがらかってきたわぃ。


画家の背後は看板看板看板・・・・また看板。

カワセミ保護区がどうした。もう分ったよ、しつこいな。

日本中の街や田舎を汚くしているのは看板と電柱だ。
巾着田の看板の9割は不要である。
大先生に頼むと高くつくから、美術学校の学生にに委託して、整理と意匠の統合をしてみたらいい。

日高市や管理事務所は樹木を滅茶苦茶に伐採し、代わりに看板を増やしている。
百万本の彼岸花を自慢するなら、看板の徒花は減らそうよ。

あんまり看板の数が多いので、目がピンボケになりました。


見詰め合う

2009-03-16 | あらら!

倒壊寸前物件がある交差点で、信号機の下敷きになってる男がいた!

.......発光ダイオードのお目々々と二つの目が、熱々に見詰め合ってるんだった。
確かにこの姿勢だと具合がいい。

でもなぁ、ラブラブは物陰でやってね。


とりあえず伐る

2009-03-15 | 高麗便り


巾着田は高麗川の清流沿いに雑木林がある。林間には秋になると彼岸花が咲く。
ところがどういう理由か、最近、大きな木を何十本も伐採してしまった。
通行の邪魔にもならず、倒れそうで危険なわけではない。
またまた駐車場を拡張するのかもしれない場所もある。

危険といえば、通路の真上に裂けた大きな枝があるが、これはそのまま残している。管理事務所はどこを管理しているのだろうか。
年度末でもあるし、経費予算を消化するためだけに伐採したのかもしれない。


この乱暴な伐採を「野良のかぜ・・・・」というブログで知り、巾着田を一周すると、シラカシだけではなく、針葉樹も落葉樹も大量に伐採していた。


しかも、このいい加減な伐採の仕方! 間伐なら地表近くで伐り、こんなに切り株にはしない。作業員が腰を庇って、立ったままチェンソーで薙ぎ倒したのだろう。


ここの雑木林は原生林ではない。
だから時々伐採して木を更新する必要はある。だが、ここは観光地として売り出しているのだから、伐採後の景観には特に配慮しなければならない。


 

例えば、あいあい橋付近の枝振りが貧弱なニセアカシアの林は感心しない。
順次伐採して、日本古来の櫟、水楢、欅、山桜、荒樫などに植え替えるべきだ。ニセアカシアには難点が多い。但し一挙伐採丸裸には反対です。

   

次回は「看板看板看板」です。

琵琶湖畔では昔から株の根本を長く残して伐採をする、とNHKの里山特集で見たことがある。
年月が経つと洞ができ、動物や昆虫の棲みかになるという。
巾着田管理事務所が見習ったわけではあるまい。
単なる手抜き作業だろう。
なお、巾着田の林は間伐が必要なほど密生していません。

野良のかぜ 街のかぜ」もご覧下さい。 


巾着田での景観破壊

2009-03-15 | 高麗便り

 

わが町のブログとしては、珍しく骨のある「野良のかぜ 街のかぜ」を見ていて驚いた。
巾着田の立ち木がごっそり伐採されている、と書いてあるのだ。
(このブログの「巾着田」というカテゴリーを覗くといろいろ勉強になります)。

たまに来る市外の方が巾着田を褒めて下さると、なんだか嬉しくなる。
けれども市内の住民が無邪気に「素晴らしい」と言うのを聞くと、この人の目は節穴じゃないか、と疑ってしまう。

 

市役所・巾着田管理事務所・観光協会・商工会などが巾着田でやっていることは、次から次へと余計な工事をして、新鮮素朴な素肌に厚化粧を施しているようだ。金をかけて巾着田の魅力をわざわざ無くしている。
観光客を増やし金を取ろう、と一生懸命だが、実は観光客を減らしているのではないか。

巾着田は狭い。景観や環境が保たれたまま市民の憩いの場所として残るので、観光客が減ることは悪いことではない。このままでは、彼らの究極の目的である金儲けが不可能になるのではないか、と心配である。
それに巾着田を壊してしまっては市民の大損だ。

商工観光業者が儲けることには賛成だ。そのためには大いに努力して頂きたい。それは市民の利益にもなるのだから。
また、税金を巾着田に使うことにも反対ではない。だが、今のやり方では無駄遣いどころか、巾着田を壊している。

 

過日、大前研一さんが朝日新聞に書いていた。(2月19日朝刊)
「不況対策」として書いたのものなので、少し我田引水的な引用かもしれないが、ごく一部を抜粋転記します。

不況期こそ長い目で見て地域の浮揚につながる方策が不可欠だ。そのことを沖縄泡瀬干潟を事例に考えてみたい。

今この干潟では87年に出来たリゾート構想を基に、埋め立て後の利用計画も無いままに埋め立て事業を強行している。

観光客は人口海岸などではなく、手付かずの自然を見たいのだ。
大金を投じて海岸線を傷だらけの二流リゾート地に変えようとしているとしか見えない。

また元経企庁長官の田中秀征さんは「財政出動」で書いている。(3月5日朝刊)
同じように抜粋転記します。

次世代のための財政出動には、医療・介護・教育など生活基盤強化と、エネルギー・環境・農業など成長基盤の強化の二つに絞られている。
しかし第三の目標、国土の景観・美観を高めるための「景観政策」を提案する。

日本列島の資産価値を倍増するのにはまだ間に合う。日本の経済力が衰微しても美しい国土が残れば、次世代への最高の贈り物になり、世界に誇る観光資源になる。
景観政策の具体的事業としては、思いつくだけでも、電線の地中化、醜悪な看板の撤去、美観に配慮したガードレールや護岸.......などがある。

かって日本には何気ない農村風景にも絵になる景観があった。
高度成長以降、日本橋の真上を高速道路が跨いでも平気なほど我々は鈍感になった。
しかし最近の若い世代には豊かな感受性が戻っているようにみえる。
全治3年のトンネルを抜けた先に、是非、素晴らしい景観を眺めたいものだ。

 

巾着田に就いては観光協会(といっても事務局は市役所産業振興課です)が立案した誰も反対出来ない(物産館建設には反対です)当たり障りの無い全体計画がある。

しかし具体的な計画は無いようだし、補助金をあてにした小さな工事で、沖縄の干潟ほどの大工事ではないけれど、それがマズイのだ。ずるずると目立たない既成事実を積み上げ、結果的にとんでもない景観破壊や環境破壊を引き起こす怖れがある。

 

巾着田は法律上は「都市公園」になるらしい。それは差し支えないが、先の4者が狙いは、どの町にもある普通の「都市化した公園」にしようとしているようだ。
そしてなけなしの市税をずるずると投入し、業者をとりあえず潤わせることに、本当の目的があるのではないか。維持修繕費や景観や環境などは考えていない。

善意に考えれば、彼らは彼らなりによくしようとしているのかも知れない。
だがその「良さ」が問題なのだ。彼らは田舎の風景に何故か劣等感を持っている。安っぽい都会的なものや朝鮮的なものに置き換えようとする。
美しさの規範があやふやなのだ。派手なペンキで塗りたくれば美しい、と考えている。

 

彼らは日本国内の先進地をもっと勉強すべきだ。
私は既に何回も、市内の講演会で結構な提言を聞いている。お歴々も聞いて、感心しているのに一向にそれを実行しない。
実行は難しいことかもしれないが、工夫をすれば出来ないことは無い。
今やっていることは金の卵が欲しくて、鶏の腹を裂いているイソップ物語である。

私には「野良のかぜ・・・・」の横山さんのような知識も能力も行動力も無い。
私なりの軽い書き方で、巾着田の見られたくない現実を、時々投稿してみよう。
市民も早く巾着田の破壊に気付いて欲しい。

その1回目。管理事務所による滅茶苦茶な樹木伐採です。
題して「とりあえず伐る」です。

今回は古い写真から、相当無理して美しいものだけを掲載しましたが.......。


こんな女に誰がした

2009-03-13 | 歌の翼に

 

星の流れに身をまかせてたら こうなっちゃった

真っ昼間から街に立ち スカートの裾をまくり ズロース見せたって
.........だあれもふり向きもしないやね
ふんっ

あの可愛い弟は 写真屋の一八おじいさんに引き取られて
今じゃお店の看板おじさんらしい

      

ああ
こんな女に誰がした

星の流れに」は名曲ですね。
清水みのる作詞、利根一郎作曲、菊池章子歌で大ヒットしましたが、
今回のBGMはあの「ちあきなおみ」さんにお願いしました。

霜月一八さま、無断の姉弟対面、ごめんなさい。


おもねる体重計

2009-03-13 | 重箱の隅

体重が3kgも変わるのは、どうも体内の水分と雲古の量に関係しているらしい。
真夏、重労働の後のシャワー後では3kgくらい減ってるのはは当たり前だし、便秘気味の日にも少し重くなる。

体脂肪率は体内水分との関連は明らかで、体重が重くなると体脂肪率は劇的に下がり、軽くなると逆になる。つまり水膨れだと体脂肪率が低くなる。

.....と、ここまでは理解できる話。問題は最近の体重計の行動である。

体重を測るのは毎晩就寝前の入浴後。出て直ぐ、スッポンポンで量る。
2ヶ月以前の退院日の体重は66.5kgだった(体脂肪率は不明)のに、最近、少し増えて67.0~68.0kgで、時々68kgを超えてヤバイ。
体脂肪率は17~19%台で体重に反比例して上下するが標準以下だ。

問題は、(たまに)68kgを超えてドッキリし、直ぐにまた体重計に乗ると0.2kg内外も体重が減るのだ。不思議なことに体脂肪率も少し下がる。
一分間でそんなに軽くなっていいものか。それに体重体脂肪率反比例の法則に反する。

つまり体重計のヤツ、ご主人さまの気分を推し測り、ご主人におもねるのである。
ヤらしい体重計だ。

なお、体重は入院前より減ったが、腹囲はちっとも。最近「チェスト」ともいうらしいけど、何?

年をまた一つとっていたのに気が付いて、体重計の設定を変えてみた。
なかなか上手くゆかないので、説明書を始めから読み返した。
そうしたらチクショウメ、「70歳を超えると正確に量れません」、だとさ。
ふんっ。


エルサレム賞

2009-03-13 | 拍手

 

村上春樹さんがエルサレム賞を貰うベキかイナかが、ネット上で話題になっていたらしい。
しかし春樹さんは賞を受け、イスラエルでの受賞式で受賞感謝講演をした。

内容は壁と卵の話だった。
聴衆に深い感動を与えたが、イスラエルの大統領には不快だったらしい。

朝日新聞の夕刊に村上さんの言い分が掲載された。
朝日に直接書いたのではなく、朝日の宿敵文藝春秋に掲載したものを紹介した記事になっている。

オモシロイですね、こういうの。
これって2月25日の朝日朝刊に掲載された斉藤美奈子さんの「文藝時評」に対して、村上先生が抗議した結果じゃないか、と邪推しています。
朝日にとって世界の村上さんは無視できないからね。

&&&

原因になった(?)斉藤美奈子さんの文藝時評は相変わらず鋭くて面白い。
特にその時の話題をバッサリ斬るマクラの部分が痛快だ。
少し長くなるけれど、そのまんま転記しますのでお付き合い下さいね。

先日エルサレム賞を受賞した村上春樹氏は、スピーチで「壁と卵」の比喩を用いた。
「もし硬い、高い壁と、そこに投げつけられて壊れる卵があるなら、たとえ壁がどんなに正しく、卵がどんなに間違っていても、私は卵の側に立つ」。

この賞を受けること自体の是非はいまは問わない(それでもイスラエルのガザ攻撃に反対ならば受賞を拒絶すべきだったと私は思っているけどね)。

その比喩で行くなら、卵を握りつぶして投げつけるくらいのパフォーマンスを見せてくれてもよかったのに、とも思うけれども、小説家にそれを望むのは筋違いな話かもしれない。

ただ、このスピーチを聞いてふと思ったのは、こういう場合に「自分は壁の側に立つ」
と表明する人がいるだろうかということだった。
作家はもちろん、政治家だって「卵の側に立つ」というのではないか。

卵の比喩はかっこいい。総論というのはなべてかっこいいのである。

村上さんは国ではなくブックフェアの賞であることや、過去の受賞者のパレスチナ政策批判談話も内容が公開されていることから、受賞式で話すという「ポジティブなメッセージ」を選んだ。

授賞式には「ノルウェイの森」を読んだと言ってくれた大統領も出席したが、自分の受賞講演を聞いて、大統領の表情がこわばって来た。終わったら大勢から拍手を貰ったが、大統領は暫く席を立たなかった。

ネット空間にはびこる正論原理主義は怖い

と、村上さんは文藝春秋誌上で心情を書いている、と朝日新聞は書いている。

私は両方を贔屓にしているし、イスラエルとパレスチナの問題はどうもよく分からない。
両側ともご尤もで、斉藤さんと村上さんの言い分にもナルホドと感心してしまう。

だけどこの場合、世界のハルキ・ムラカミに一太刀浴びせる美奈子さんの勇気に拍手を贈りたい。朝日だって何時もの朝日らしさを抑えているのに.......。
あの太郎一郎の闘いは醜いけれど、こういう諍いは大歓迎です。

&&&

なお、肝心の文藝時評は、これもまた鮮やかです。
「かっこう悪い卵たち・『ぼやき』支えるラップと細部」という見出しも面白いが、本文も相当なもの。

ひるがえって今月の文芸誌。
ここにも大勢のフィクショナルな「卵」が生息している。彼らはふがいなく、いじましい。

とバッサリ。3作家の書いた3作品をこき下ろしている。
それはそれは面白い。小説の登場人物ばかりでなく、小説家その人の技量を持ち上げると見せながら、実はヒハンしているとも受け取れて、可笑しい。
さあ図書館へ行って、1月25日の朝日朝刊をお読み下さいね。

あのぅ、私は村上さんや、斎藤さんが評した小説と小説家をどうのこうのと言ってはいませんよ。
斉藤美奈子さんの時評が痛快だ、と言ってるだけですからね。
よろしければ「ちんちんかもかも」もどうぞ。

▲絵は「赤い地のコンポジション」ニコラス・ド・スタール画。


卒業ソング

2009-03-12 | 歌の翼に

卒業式の歌といえば「蛍の光」と「仰げば尊し」だろう。
なんてまだ言ってるご同輩は時代遅れの石頭。
最近は「卒業ソング」が大流行で、一番人気から順に6位までを並べると......。

     1.旅立ちの日に  
     2.大地讃頌 
     3.手紙  
     4.仰げば尊し  
       流れゆく雲を見つめて
     6.大切なもの
       明日のために
       旅立ちの今たしかめあって
       巣立ちの歌
       この地球のどこかで

ね、知らないでしょ?

人気第1位の「旅立ちの日に」は我が埼玉県秩父市影森の中学校の校長先生が作詞し、同校の音楽の先生が作曲したそうだ。

埼玉といえば古くは所・ジョージ君、最近では山梨県大月の小遊三師匠と争っているたい平さん、ゴルフの石川遼選手くらいで情けなかった。しかしもう一人、全国区の先生がいたとは嬉しいね。因みに緑色の字で書いた歌は学校の先生が作ったものとか。

    

上の歌では「仰げば」以外は全然知らなかった。
「大地讃頌」は40年も前から歌い継がれた壮大な名曲だそうだが、「さんしょう」と読むことすら今日始めて知ったお粗末。これじゃぁ太郎クンを謗れないね。

これらの歌は、失礼ながら多分ご同輩もご存知ないだろう。
まぁ、ぶつぶつ嘆く前に、一体どんな歌なのか「♪」をポチッと押して下さい。
結構いい歌ですからね。

    

また毎年この季節になると、レコード会社が宣伝のために、卒業式の来賓として歌手を派遣するのが恒例とか。
商売熱心な歌手は尊いが、易々と尻馬に乗せられる先生たちは、和菓子の恩か。

こうしたセールスの結果、長く歌い継がれる卒業ソングもあるそうだ。例えば、

     レモオロレモンの「3月9日」
     スピッツの「チェリー」
     森山直太郎の「さくら」

があり、今年は、

     ドリカムの「GOOD BYE MY SCHOOL DAYS」
     長渕剛の「卒業」

なんかがあるらしい。

..........♪ですか?
もうキリがない。卒業して歌は自分で探しましょうね。
おっとっと、人生はこれからだからね。

「旅立ちの日」はお噂どおり!感動した。汚れちまった心に沁みて、涙がこぼれた。
「明日のために」は見つかりませんでした。♪印の多寡は歌の評価とは関係ありませんからね。

▲可愛い女子高生は文科省編修、図書館利用推進パンフより。
いつまでも卒業できないおじさんでゴメン。