ミューズホールは、西武園競輪から撤退した所沢市には、荷が重い本格的な音楽専用ホールである。
川越市郊外にある東京国際大学吹奏楽団。本格的な演奏家集団であることを昨年知った。
炎天下の日曜日の午後。後ろの方はかなり席が埋まっているのに、前半分はガラガラである。
森生は遠慮なく前から10列目、真ん中に腰掛けた。両側は誰もいない。
この席なら音のシャワーが浴びられるし、開演直前に来るかもしれないシャモじぃが見つけ易い。
♪ モーツァルト作曲歌劇「劇場支配人」序曲
どこかで聴いたような曲だが、初めて聴いたような曲でもある。つまりモーツァルトらしい曲なのだろう。
もう少し早めに演奏したほうが好みだが、当然、指揮者・寺島康朗の解釈のほうが正しいだ。
♪ シューベルト作曲「未完成交響曲」
良かった! でもね、これは若い頃何度も聴いているから、森生はウルサイよ。
クラリネットかフルートが3箇所で怪音を発し、見事に歌い上げたオーボエ君が緊張のあまり一箇所上ずった。
力演に対してどうも申し訳ないが、そんな気がした。
ここでは管弦楽団による「第一楽章」をどうぞ。
休憩時間に前から3列目に移動。
目の前に立つ指揮者は、仕立てのいい夏の燕尾服を着ている。
ゴキブリみたい、と言う子どもには、座布団3枚ですな。
♪ ブラームス作曲「交響曲第4番」
この曲の出だしが大好きだ。モーツァルトの40番のように。
但しブラームスはあまり馴染みがなく、まとめて聴いたのは今回が初めてのような気がする。
実は途中でいい気分になり、ウトウトしたみたい。つまり、名演奏だった、ってことです。
カルロス・クライバー指揮のやはり管弦楽版ですが。
ここで本日の演奏は「ひととおり」です。
だが、例の如く指揮者は出たり入ったり、握手をしたり、花束を貰って預けたりで忙しい。
おまけは2曲だった。
♪ (知らない曲)
でも素晴らしい。希望に満ちた朝の感じがした。
伸び伸びと明朗な演奏が大変よろしい。
♪ モンティ作曲「チャルダッシュ」(だったはずだ)
普通バイオリンの忍び泣きから始まるこの曲を、途中の疾走部分から大音量で開始。度肝を抜かれた。
ともすると媚びて嫌らしくなるところを、吹奏楽団はメリハリを効かせ、難曲を颯爽と走り抜け、圧巻だった。万歳!
ケレン味たっぷりの「チャルダッシュ」をどうぞ。この人たち、ロマ人だろうか。
素晴らしい音のシャワーは、巨大ホールの冷房と相乗し、汗で濡れた下着をカラリと乾かした。
そうして、がさついた心をしっとりと癒してくれた。
結局、じぃは来なくても。
帰宅したら留守電あり。早速シャモじぃに電話。
じぃ、飯能駅で森生を1時間近く待ち、開演直前に到着。後ろの席の、その他大勢で聴いてたそうだ。
優しいね。普段のじぃの行動から、先に行ったか、あっさりとすっぽかしたのかと思ってた。
ごめんごめん。ケータイ使えるようにするからね。
前方の森生に気付かなかったのは、森生がいつもとはガラリと変わったシャツでシックに決めてたため。
また、品の良い後ろ姿で、紳士然として座っていたからだろう。
どうだっ。
110919