林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

感謝状

2011-11-07 | お節介

公園ボランティアの会から永年作業「感謝状」を頂いた。百近く生きていて初めての慶事である。
どういう顔をしたらいいのかな。今年はあまり作業に参加しなかったので、きまりが悪い。

「要らない」と断ったのに、森生よりず~っと若い2代目会長は「どうしてもやる」と言う。
「だったら総会と懇親会は欠席する」と言ったら、「だったら届けてあげる」と押しが強い。

まさか会長どのに届けて頂くわけにはゆかない。しょうがないので出席した。
初代会長から授けられた表彰状をここで見せびらかしたいけれど、秘すれば花だよん


会は10年前公園麓に住むご夫妻がたった二人で始めた葛刈りから始まった。
それが会費制にも拘わらず会員は120人を超え、始めは邪魔者扱いにした行政も、今は一目置く発展振りである。
ただ問題は、ここでも高齢化が著しいことである。


普通、感謝状を勇退の花道と受け止め、いささかの寄付などして老兵は消え去るのが格好いい。
だけどね、若い連中が不甲斐なく自分ちの狭い庭だけちまちま弄って「ガーデニングで~す」なぞと気取ってるうちは、憎まれっ子世にはばかるからな。

総会に続く懇親会は夕飯を抜いてもいいくらいの大ご馳走だった。
会員のお姉さま方がそれぞれのお宅の自慢の手料理を持ち込み、昼間っから和やかで賑やかな宴会になった。
毎年ぐでんぐでんになる先輩も、今年はごく穏やかだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会長どのに来年の続投をそれとなく打診したら、「大歓迎」とのこと。
憐れみ半分にしても、目出度く有難いことであるな。

ここだけの話。
感謝状の大きさは、母が百歳になった時、純一郎総理から貰った賞状の四分の一だった。

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いいなぁ

2011-11-06 | うわごと

丘の上にある公園から下りて来る時のこと。

  ガリガリーゴーガッタン ガリガリーゴーガッタン

と凄い音を立てながら、不思議なクルマが段差がある下り坂を一生懸命下りている。
坂道の終点近くで、キャタピラー付きのクルマに追い付いた。
運転している肥満青年は階段に差し掛かる度に、大波に乗ったように揺られてる。

青年は親切だった。クルマを停めて道を譲ってくれた。

  いいなぁ、乗りたいなぁ。

と声をかけてみた。
青年は得意そうだった。写真をそばで撮らせてね、と頼んだらクルマの前方を開けてくれた。

WAO!!!  頑丈そうな歯が並んでいた。

  いいなぁ、こんなに立派な歯ならイカの塩辛だって、南京豆だって、リンゴだって食えるぞ。

青年は坂の上の広場で、このクルマを操縦し草を刈ってきたそうだ。

  坂を登るときラクチンでいいっすよ。

  (だから太っちゃうんだよ)

  買えば400万円以上するんで会社がレンタルしてます。
  丘の上の広場は猪が凸凹にしたけど、ブルトーザとしても使えるのでへっちゃらすよ。

  いいなぁ、欲しいなぁ。

こういう仕事がつくづく羨ましかった。

  
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里の秋

2011-11-05 | 高麗便り

わが町の秋を確かめるために、また高麗の里をぶらぶら歩いた。




朝からどんよりと薄暗く、ちっとも愉しくないね。




目立つものは、毒茸のように続々と建ち始めた、文化住宅の派手な色。




喫茶店万年青で「眉刷毛万年青」を知り、知人宅でPIGS」という略語を教わった。



以上以外に何もなかった一日。明日は雨のようだ。

これ▲が「眉刷毛万年青(まゆはけおもと)」の花です。
PIGS」はウィキをどうぞ。

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収穫はひっつき虫

2011-11-04 | お節介

10日間をかけた土手の清掃作業がやっと終わった。作業には一日4時間から6時間を費やして。
背丈まで伸びた雑草を刈り、木に覆い被ったアケビやヤマイモなどの蔓を引き剥がし、アカメガシワ、クワほかの実生木を伐採し、不法投棄された空き缶やペットボトル、レジ袋に入れた犬の糞を拾い集めた。

収穫は身体中にくっ付いたイノコヅチほかのひっ付き虫である。
午後3時を過ぎるとブヨが煩く付き纏い、シャツの中にまで侵入し、射されると1週間は痕が残る痒い勲章になる。

傍から見れば、いいことなんかなんにもない。
散歩で通りかかる料理友だちのカーじぃなんぞは、「ふんバカバカしい」と呆れるけれど、藪になっていた土手に日射しが入るようになったのを眺めることは、何よりのご褒美である。

それに一時は70kを超す勢いだった体重が67k台に落ちたことも、嬉しい効果だった。
剪定鋏と刈込鋏と小型の鋸だけの作業は、安全で身体にいいよ。

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森の名人に聞く

2011-11-03 | 重箱の隅

森聞き」という変な題名の記録映画を観た。
全国から選ばれた4人の高校生がそれぞれ、

 ・小学三年生から焼畑をしている85歳のお婆さん、

 ・合掌作り屋根葺き職人79歳、

 ・大杉によじ登り良質の種子を集める76歳、

 ・84歳になった雪国の樵、

のところへ赴き、近代化によって失われてゆく名人の技を見たり、名人の人生を聞き書きする。

高校生たちの将来に対する不安と疑問、名人の森林暮らしの技と深い人生観への驚き、聞き書き後の心境の変化、などを一人ずつ伝える2時間余りの記録映画である。

名人たちは苦労が多かった人生に対し肯定的であり、自信と誇りを持っている。
方言のため聞き取りにくい名人たちの述懐は、未だにふらふらと迷っている森生にも驚きだった。
サラリーマンだった自分には、後輩に伝えるものがあるのだろうか.......。

  ところで、この記録映画は失敗作である。2時間余は長過ぎる。いい素材なのに惜しいことをした。
  話下手な高校生の呟きを延々と聞かされるより、名人たちの技をもっと詳しく見せて欲しかった。

  NHKの「秩父山中花のあとさき・ムツばあさんの秋」の方が、映像作品としてずっと良かった。

                                             

上映後、屋根葺き名人から聞き書きをした元高校生が登壇した。
聞き書き経験は得るものが多かった、とはきはきと明るく話すステキな女子大生に成長していた。

こういう有意義な活動を応援しよう。
聞き書き甲子園」と「共存の森ネットワーク」をご覧下さい。

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空に近い町

2011-11-02 | 風に吹かれて

ここは飯能市美杉台団地の奥。
空に近く、駅からは遥かに遠い町だ。都心まで西武電車飯能駅から1時間と少しかかる。


自家用車をぶんぶん乗り回せる、血気盛んな頃はいい町である。
老夫婦だけになったら、この町は何かと不便になるだろう。


それでも、もっともっともっと奥、県道青梅飯能線の先まで造成中だ。
さすが、親方日の丸「UR都市機構」、剛毅なものである。
 


高品質で安価な公営の貸家に一生住める国だったら、人生はもっと豊かになっていた。
大切な丘陵を削って市街地を徒に拡張するよりも、旧市街を再開発する方が住民と行政の双方がトクと思いますが。

遠くの青い山脈は奥多摩の峰々です。
この住宅地にご関心のある方は「天空の庭」をどうぞ。

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