林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

お~い雲

2012-09-17 | 高麗便り

降りませんなぁ。
毎朝、気象予報士の口癖、「大気の状態は不安定で....」はウソ。

ギラギラ照りつけた陽がかげるころ、雲を探しに隣の西武団地へ行った。団地の上の方はまだ空地だらけ。
わが町より値段と標高は高く、空が広い。

雲は、北の赤城男体山方面、東は筑波山方面にうずくまっているが元気がない。
西、奥多摩秩父方面は雲の下に切れ目があり、溶鉱炉のように白熱している。やれやれ。
南の東京方面は多峰主山に隠れ見えなかったが、この様子では明日も晴れるだろう。

日没。薮蚊がわっと押し寄せてきた。
元気なのは薮蚊だけだ。

と書いたまま、昨日は涼しい電車に乗り、涼しい蕎麦屋で美味いそばを食い、涼しい音楽ホールで過ごした。
夜、家に帰って来ると、生垣が濡れていた。雨が少し降ったようだ。
記事の都合上、これも困ったもんだね。

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いつまでもお元気で

2012-09-17 | 林住期

この頃大分慣れてきたけれど、おじいさんと言われたくない。
のっけから「昔話をしましょ」なんていうじじばばの会合には、招かれても行かない。

「おじいさんおばあさん、いつまでもお元気でいて下さい」だなんて、何も知らない小さな子に言わせないでくれ。
いつまでも元気じゃ若い人の邪魔になるし、夏を越す度に衰えを感じざるを得ないのが現実だわぃ。

今日は敬老の日、だそうな。ハッピーマンデー法とかのおかげで何が何だか分からなくなった。
要するに、偽善の日ですな。

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雨乞い

2012-09-15 | 高麗便り

何日も前に降った雨はお湿り程度だった。

雨が降らず、日射しはますますキツクなってくる。
雲は立ち上がり拳を振り上げても、はいここまでよと雲散霧消を繰り返す。

「ところにより激しい雨」ってどこのことかいな。
「山沿いでは夕立」っていうけれど、ここだって山沿いだわい。地域差別、すんな。

夕立、にわか雨、とおり雨、土砂降りに雨宿り。特に、やらずの雨が懐かしいわいな(ウソ

 

こう暑くちゃ出歩くのも億劫で......。

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神風頼み

2012-09-14 | 床屋放談

尖閣諸島周辺領海に中国官船6~8隻が侵入中との速報あり。
海上保安庁の退去通告に対し、ここは歴史的にも中国領と言い返してくるそうだ。

歴代中華皇帝にとって世界は中国のものだった。その末裔中華共産党にとっても、尖閣は中国領なのだろう。

海上保安庁は洋上で走り回っているようだが多勢に無勢。
しかも武力行使ができなければお手上げである。

肝心の民主自民の先生たちは、東京永田町のコップの中で、ドングリの背比べに熱中している。
「平穏かつ安定的な維持管理の継続」だなんて野田は言うけれど、要するに「日本はなんにもしません」と言うこと。

歴史の解釈が違うんだから、これまでの経緯をいくら言っても無駄。実効的支配の強化が何より大切なのである。
中国が自分のものと主張し、侵入を繰り返すのだから領土問題はあるノダよ。

一人安部晋ちゃんだけが黄色い声を張り上げてるけれど、ま、口先では何とでも言えるからな。
具体的に法律の整備を主張する石破茂がマシだが、あのオネエ言葉、何とかならないの?

朝日新聞やTV出演の「良識派」は、「冷静に冷静に冷静に」と繰り返すが、北京に乗り込んでそう言ってくれ。

いま沖縄に、風速80mの超大型台風が接近中とか。
猛烈な神風が吹いて、中国官船を海の藻屑にすることを祈るしかないようだ。

普段は街頭で喧しい右翼街宣車の諸君。キミラの出る幕じゃぁないのかえ?
と言いたくもなりますな。

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かわうそ

2012-09-13 | 床屋放談

日本かわうその絶滅が確認された。かわいそ
永田町には絶滅させたい狐や狸がうじゃうじゃ棲みついてるのになぁ。

日本かわうその絶滅原因は、日本人がしでかした環境破壊と、毛皮を目的にした乱獲だそうだ。

学名ニッポニア・ニッポンである鴇も絶滅している。
いまマスコミを時々騒がす養殖鴇は、パンダ同様チャイナから平身低頭して迎えた鴇の子孫どもだ。
あんな鴇はニセモノです。

恐竜は隕石落下による気候の激変で絶滅したそうだ。この先、人間は何が原因で絶滅するのだろうか。
それは原発事故が原因になるのだろう。
日本で近い将来、巨大地震が起きることは間違いないようだ。
地震には必ず「想定外」がある。

中国・韓国・北朝鮮でも、いずれ、必ず原発事故が起きるだろう。ああいう独りよがりで無知な民族と、他人の迷惑を顧みない政治体制では、事故は必然である。
事故で放出される放射性物質は、偏西風に乗り西から東へ、日本へと黄沙のように飛んでくる。
そして世界中に拡散する。

          挿絵は「ツルはなぜ一本足で眠るのか・適応の動物誌」(草思社刊)から。

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三太夫四原則

2012-09-12 | 先輩のお言葉

ババァ(森生が言ってるんではありません)のアイドル、毒蝮三太夫氏のお説である。

  ・70代、80代はババァじゃない。まだ充分な魅力が無く円熟していないね。

  ・ババァは90歳以上に多いんだ。ババァには貫禄と社会的な地位がある。

  ・俺が言うババァって、尊称なんだ。

ね、三太夫氏は確信犯でしょ。

氏の観察ではババァは楽しく生きている。ところがジジィはダメ。

そこで目下の大目標は、ジジィを元気で魅力的にすること、だそうだ。

では、ジジィがババァに負けずに楽しく過ごすためにどうしたらいいか。
それには以下の四原則というか、心掛けが必要だそうだ。

   
  1.人見知りをしないこと。

  2.好奇心を持つこと。

  3.華美じゃないお洒落をすること。

  4.人にステキな笑顔を見せること。(これがいちばん大切)

ふむふむ、なるほどね。でも森生が合格なのは2.だけかな?
暑い間は、これもだめだけどね。

     毒蝮三太夫氏の写真は朝日新聞夕刊連載「人生の贈りもの」から。

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写真展へ

2012-09-11 | 林住期

各駅停車しか停まらない西武柳沢駅は、1年ぶり、2回目の下車だった。

約束時間より早く着いた。商店街を探検しようかな、と駅から出たらさぁ大変。
目が眩む太陽光線ばかりか商店街に連なる焼けたシヤッターとアスファルトにも炙られて、街角写真どころではなく、早々に駅へ引き返した。

この暑さでは、重く嵩張る二眼レフは持ち歩けない。
暑さから逃げてきた駅の窓から、お蔵入り状態だったコンデジで撮った街は、火事で灰を被ったように写っていた。
久方ぶりのコンデジ、
使い方を忘れてた。

駅改札口で、所沢から来た二人と落ち合った。
3人共通の友人が、駅近くの公民館で写真展を開催中なのである。

作品を展示した友人は、カメラには大分うるさい。
今年の作品は格段に上手くなっていた。被写体の切り取りかたが進歩したんだな、あれは。
そして、奥入瀬渓谷の水流の撮り方などを技術的に詳しく教えてくれた。

折角の親切、申し訳ないけど頭には影も形も残らないし、三脚ほか各種フィルターなど新規投資はできない相談だ。
それに、都合のいい光線を長時間待つなどは無理。やはり芸術写真は諦め、面白さと構図で勝負しよう。
それには時々街歩きをしなければ........。

 

会場には大先輩が来ていた。
小手指駅で年に何回か会う先輩は、待ち合わせ場所に西所沢から歩いて来られる。
その効果か「今年の暑さには参りました」と言いながらも、矍鑠としておられた。

若い森生が暑さにギクシャクしてはいられない。
先輩から教訓を得なければ.......。

額縁写真は友人の作品です。
お知らせの葉書から無断転用してごめんなさいね。

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先送り また先送り

2012-09-10 | 林住期

毎晩風呂上りにはオノレの醜き姿が鏡に映り、「明日こそは歩こう」と決心する。
毎朝布団から出て小窓から北の空を見やれば、日和田山は湿った空気に霞んでいる。

気象予報士はご親切にも「運動は危険なレベル」と言ってくれてるし、人から頼まれた用事があるわけでもない。
だから今月もボランティア作業は不参加にし、友だちから誘われている多峰主山歩きも先送りした。

立秋も、誕生日も、処暑も、二百十日も、白露も、重陽の節句もすべて何の変哲もなく通り過ぎた。

多分怠惰な毎日の所為だろう、血圧はやや高めから完全な高血圧症になってしまったわ。
「せめて毎日、夕方の10分間、ご町内の徘徊を」と思いはすれど、この猛烈な蒸し暑さ。これも先送り。

それで、終点が先送りされたかといえば、逆に近くなったようで.......

厚労省の高血圧HPによると、あちゃっ
BMI23.825.0以上肥満)、標準体重62.8k5kも超過。
胴回りは西洋梨の完全メタボ

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人相見

2012-09-09 | 床屋放談

ここへきて、安部さんちの晋ちゃんがばかに目立つ。
かんな屑に火がついたように、ぺらぺらと早口で、もっともらしいことを語る姿は頼もしくも痛々しく、悩ましい。

あれから晋ちゃん、投げ出した責任をどう取ったのか。
まぁ、相手がニッポン人だから、過去のことなんか忘れてくれる。どうでもいいんだろう。

晋ちゃん、よほど名前を売りたいのか、TBSの「朝ズバッ」に出演した。
長年の腸の持病は治癒したそうだが、やはり顔色は冴えず、疫病神に取付かれたままと拝察した。
みの・もんた氏の辛らつな質問に、明らかに動揺していた頼りない晋ちゃん。

すれっからし橋下徹さんが、どうして晋ちゃんと近いんだろう。晋ちゃんなら利用できる、と視たのか。
だとしたら徹さんも随分甘い。見たとおり怪しい御仁である。

慌てて細野豪志兄さんを担ごうとした小センセイたち。理屈と膏薬はどこにもくっつくいい見本。
卑しい人相の小センセイたちがマスコミに顔を出したのはあれが最後だろうね。

百近くまで生きていると、人相見ができるようになります。

   鳩山さんちの由紀夫坊ちゃまが静かである。
   お星サマになって、空高く飛んでいったのなら、さよならさよなら。

   みなさんさようなら。

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ゴーヤー その後の真実

2012-09-07 | 高麗便り

苦瓜(ゴーヤー)が嫌いである。
いくら栄養豊富でも、イグアナの肌のような醜い外観と、あの苦さは到底好きになれない。

この夏、日除けと食材を兼ねて苦瓜を植えるお宅が増えた。
だけど毎日は食えやしない。隣近所に配るにしても、そう度々じゃぁね。

で、そのままぶら下げておくと、毒々しく色付いてくる。
そしてその先は、表皮がベロ~ンと裂けて、バケモノみたいになる。

その惨状は二度と見られたもんじゃありません。
日除けなら、朝顔。食うなら胡瓜です。

ゴーヤーという強引なのに頼りない名前も嫌いです。「苦瓜(にがうり)」でいいと思う。
いろいろな呼び方や知識は「ツルレイシ」をどうぞ。

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9月を探して

2012-09-06 | 遠い雲

大きな秋、なかなか見つかりませんね。
赤蜻蛉は絶滅し、夜明けの枕もとの微風や蟋蟀の鈴音など、写真にしにくい
ものばかりだ。

ここ数日は涼しかったけれど、「熊谷市はまた猛暑日に」と聞いては秋を探しに高麗の里を歩くなんて無理難題。

たまには河岸を変え、湘南海岸の秋でも探しに行かないと........。

さはさりながら、手っ取り早く苦し紛れに、今になっては恥多き過去記事を探すと、ありました。

    「九月の言葉」 です。

詩は堀口大學。やはり昔の詩人は偉大ですね。
さり気なく言葉を書き連ねただけで、9月の人事万端、森羅万象が浮かび上がってくる。
無理にでっち上げるブログ(この林住記のことですよ)よりも、クッキリと季節の移ろいを感じさせてくれる。
(当たり前だよな、そもそも較べるのが不遜というものだ)

そういうわけで今日はまた、酷く蒸し暑いので無理しません。
上記「九月の言葉」をポチッと押し、過去記事を読んで頂き、お暇でしたら更に「セーラー服」なんぞもどうぞ。
(ちょっとズルかな? まあいいや

  そういえば「september 9月」 という英単語が何度も出てくる、大好きな歌があった。

    try to remember 」 です。 

  同じ屋根の下の方とご一緒に、たまには英語で歌って下さいね。
  
歌詞ならこちらにありますよ。

ハリー・ベラフォンテとナナ・ムスクーリの贅沢なデュエットを載せましたが、別々に歌ったものも捨て難い。
モノは試し。独りで歌うベラフォンテムスクーリもステキな9月ですからどうぞ。
なお、彼女の伴奏はギリシャ人である前夫です。

写真は昨年の今頃に撮りました。

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あなたへ

2012-09-05 | 重箱の隅

映画「あなたへ」を観た。
朝日新聞の夕刊ではベタ褒めだったので、大いに期待していたがそれほどの映画ではなかった。

回想と挿話が入り混じり、筋が複雑で、一回観ただけでは良く分からない。
特に地方廻りのイカ飯屋店員が偽装遭難をした元漁師だった、と健さんがどうして気付いたのかがよく分からない。
この重要な最後の挿話が釈然としないから、後味が良くない。

亡くなった愛妻の前身がいまいち分からない。
歌手だったことも不自然だし、毎日一緒にいるのに何故絵手紙で夫に大切なことを頼むのか、も分からなかった。
いい映画では、仄めかすことは余韻に繋がる。だが、この映画では不満に行き着く。

北陸富山市から長崎県平戸市にある漁港まで自分で改造した車で行き、妻の遺言に従い故郷の海に散骨する、という粗筋は映画にとって好都合なのに、道中の美しい風景や町並みをあまり見せてくれない。
風景の良さも映画の楽しみの一つなのに、である。

随分前にアメリカ映画「ストレイト・ストリー」を観た。
義絶状態だった兄が倒れ、最期の別れをしに老いた弟がトラクターでアメリカの穀倉地帯を行く、という物語だった。

途中のアメリカ中西部の広大な風景は美しかった。驟雨や星空や大規模農場が見事だった。
行き遇う人々との交流は、一話完結の単純さでありながら、それぞれが深く、胸を打つものがあった。
映画最後の場面は秋たけなわの林の中の一軒家。再会する兄弟を見せなかったが、暖かいものが伝わってきた。

「あなたへ」は失敗作ではない。特に劇的な展開もないまま穏やかに2時間を見せ、飽きさせないのだから。
ただ、残念ながら、もう少し分かり易い筋の繋ぎ方にして欲しかった。
それに折角のビート・たけしを、抑え込み過ぎた感じがする。

これは評論家など玄人好みの作品かも。
そして大抵の日本映画に共通する欠点。終わり方が上手いとはいえない。

あちこちで評判が良く、期待し過ぎた所為か厳しい採点になってしまった。
しかし「あなたへ」はもう一度観直したい映画である。

         なお(少し違うかもしれませんが)名台詞がありました▼

           ・ありがとう......。
                (到着した平戸漁港の寂れた写真館の飾り窓で見つけた妻の少女時代の写真に呟く刑務官・高倉健)

           ・旅には帰る場所があり、さすらいには帰る場所がない。
                (途中親しくなった山頭火好き国語教師を自称する車上荒らし・ビートたけし)

           ・夫婦だからって相手を全部分かることはない。それでいいんです。
                (漁師の夫が遭難したと信じる平戸漁港の大衆食堂主・余貴美子)

そして健さんの妻役・田中祐子が歌う童謡「星めぐりの歌」が素晴しかった。
下の記事もどうぞ。

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星めぐりの歌

2012-09-05 | 歌の翼に

 

 「星めぐりの歌」 ........作詞作曲・宮沢賢治

    あかいめだまの さそり

    ひろげた鷲の つばさ

    あおいめだまの こいぬ

    ひかりのへびの とぐろ。

    オリオンは高く うたひ

    つゆとしもとを おとす

    アンドロメダの くもは

    さかなのくちの かたち。

    大ぐまのあしを きたに

    五つのばした ところ。

    小熊のひたいの うへは

    そらのめぐりの めあて。

映画「あなたへ」の中で、高倉健の妻の役を演じている田中裕子が歌った童謡です。

宮沢賢治の作詞作曲とは驚きです。
旋律は単純だけれど、実にいい。

一度目は富山刑務所へ慰問に来て舞台に立ち、ピアノ伴奏で歌い、二回目は竹田城址の目も眩む石垣の上で、ハープとアコーデオンの伴奏で歌った。

編曲の良さも相俟ち、それはそれは素晴しい歌唱だった。
素直で、儚げで、胸に染み入る名唱だった。

♪ 全然印象が違いますが、ソプラノ歌手(?)が歌う「星めぐりの歌」です。
田中裕子より上手いかもしれないが近寄り難い。
歌い方はこちらの方が近いんですが......。

絵はパウル・クレー画「谷間の夜」です。

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男も日傘

2012-09-04 | 林住期

もう何年も前から、男も日射しが厳しい日には日傘をさそうよ、と提案してきた。
この夏の暑さは、アタマが固い男にもこたえたようで、炎天下、雨傘をさす紳士が現れた。エライ

このところ男は女に押されっぱなし。
女は男の世界にどんどん踏み込んできて、紳士用のWCにまで平気で進出する有様である。
ここらで、日傘くらいは男も使わせていただきましょ。

淋しくなった頭髪保護と、脳味噌がこれ以上干からびないためにもね。
奥さまお姉さま娘さま、日傘紳士を励ましてあげてくださいね。

紳士用日傘は通販で売られ始めたけれど、高過ぎます。
紫外線は今更どうでもいいから、せいぜい2,000円以下のものを発売して下さい。

なお、布帛でなくニット生地を使った前開き襟なしシャツも、1,000円くらいで製品化してくださいね。
汗で濡れたTシャツを脱ぐのは大変なので、爆発的に売れるはずですが。

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被害想定

2012-09-03 | 先輩のお言葉

南海トラフ地震はマグニチュード9.1を想定し最悪の条件で推計すると、死者総数は320,000人の由。

片や間もなく首都東京を襲うと言われている直下型地震。
政府の被害想定では、理由は不明だが火災は2,500件発生し、1,300件が消火できず、650,000棟が焼失。
火災による死者が6,200人になると想定しているそうだ。

この政府想定に異論を唱える人がいる。関西学院大学災害復興制度研究所長室崎益輝先生です。
先生の専門は防火・避難計画で、消防庁消防研究所長を務めたこともある。

先生の主張を四捨五入します。

 ・過去の地震火災実態では1,000棟燃えると100人の焼死者が出る。

 ・つまり政府想定焼死者数6,
200人は少な過ぎだ。

 ・650,000棟消失するなら焼死者数は65,000人で政府想定数の11倍。多分100,000人は焼死するだろう。

こんな深刻な事態になるかもしれないのに、何故被害想定が過小評価になったのか。先生の指摘によると、

 ・被害想定をする委員会に地震火災の仕組みが分かる専門家を入れていない。

 ・想定の基になる40件を超す大火災の事例は、震災は関東大震災だけで、他は平常時の強風時大火災だけ。

 ・関東大震災でも、一箇所で40,000人近くが犠牲になった旋風火災は、「必ずしも起きるとは限らぬ」と除外。

 ・「最悪の事態は起きて欲しくない」という気分が、予測される被害実態から目をそらしている。

先生は憤慨している。

 ・これは福島原発事故と同じだ。不適切なデータによる誤った対策は多くの命を奪いかねない。

やれやれ、日本には「原子力村」だけではなく、「震災村」もあったんですね。
全く、日本人はどんな場合でも、都合の悪いものは見えないし、見ようともしないのである。

 

国の有識者会議は、南海トラフ地震では最悪の想定を発表した。
首都直下型地震について先生に反論できなければ、内閣府と東京都は、誤りを正し、謝るべきである。
この記事を掲載した朝日新聞には、その後どうなったか、を追跡取材して欲しい。

でないと恐ろしくて、たまには東京へ行こう、という気持ちが萎えますね。

木造住宅密集地で火災が広がり取り囲まれると、100m離れていても火傷を負う。
新宿御苑や皇居前広場くらいの広さがないと命は守れない。地震発生と同時に逃げ出さないと間に合わない。

地震火災の原因は通電火災比率が非常に高い。感震ブレーカーの設置を法律で義務付けるべきだ。

等々、8月24日朝日新聞朝刊13頁「地震火災を甘くみるな」を、読みましょう。

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