CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

ジミー・クリフ 、カリブの星

2015年04月29日 | REGGAE
レゲエとは、簡単に言いますと1960年代末期にジャマイカで生まれた音楽で、ドラムとベースの刻む特有のグルーブに、4分の4拍子の2泊目と4泊目にギターもしくはキーボードのカッティングを入れる特徴があります。もちろん、時代の流れにより、それから派生したいろいろな演奏法が現在では確立されています。

ジャマイカはカリブ海に浮かぶイギリスの植民地だった小さな島国で、過去宗主国の植民地経営による抑圧や搾取が貧困を生み、リズムやメロディーは地域独特の明るさがあるにもかかわらず、歌詞は社会の現状や政治に対する辛辣な批判が組み込まれている場合が多く、ノン・ポリティクスの主義のリスナーにとっては、少しとっつきにくい感じを受けるかもしれません。

ボブ・マーリーの歌う、I SHOT THE SHERIFFは、“保安官を撃っちまったぜ、だけど副保安官は殺っちゃいねーよ。”と物騒な歌い出しですが、これは1974年にエリック・クラプトンが歌ったため大ヒットとなったわけで、それがなければ、いくら素晴らしいレゲエ・ソングでも、世界的にブレークするには時間がかかったと思います。当時保守的な人々にとっては、歌詞に人種差別を伺わす言葉が散りばめられた歌は、やはり物議を醸し出すような内容と映り敬遠されるのは明白だったからです。

今回紹介する、ジミー・クリフはレゲエ・サウンドを世界に拡散させたパイオニアで、1960年代後半頃から知られるようになり、イギリスのアイランド・レコードと契約を交わし、好アルバムを数枚出したにもかかわらず、すぐにはイギリスで成功を収めることが出来ませんでした。

1970年にキャット・スティーブンスのWILD WORLDのシングルを出した頃から、徐々に人気が出てきて、1972年公開の映画でサントラ、HARDER THEY COME(本人は映画にも主演で出ていました)あたりでようやく認められ、その後コンスタントにレコードを出し成功に至っています。

ジミー・クリフの場合 、レゲエのリズムに乗せて社会や政治に関する事柄を歌っているだけではなく、勇気を与えるポジティブなメッセージを歌詞に込めてソウルフルに歌うところに共感が集まるのではないでしょうか。

例えば、YOU CAN GET IT IF YOU REALLY WANTでは、“その気になれば、欲しいものは手に入る、必死で頑張れば、いつか成功を収める。厳しい戦いの後、素晴らしい勝利が待っている。また ”MANY RIVERS TO CROSSでは、“渡らねばならぬ河は沢山あるが、果たしてどれを渡るべきなのかはわからない。しかし、沢山渡るべき河があることが、私を支え、今までに色々な出来事があったが、私の心の中の誇りを信じて生きて来た 。” というような内容の歌で、聴く人をエンカレッジしています。

1976年ニューヨークでライブ録音されたIN CONCERT は、それまでの代表曲を網羅したベスト盤といえます。機会が有りましたら一度聴いてみてください。 

Jimmy Cliff - Many Rivers To Cross

古くは、二ルソン、ジョー・コッカー、レニー・クラビッツそしてブライアン・アダムスなど多くのシンガーにカバーされていている名曲です。