1973年のメジャー・デビューしたアルバム、Greeting From Asbury Parkの売り上げが思っていたよりイマイチだったことから、ネジを巻き直しなんと同年にもう一枚内容の濃いスタジオ・アルバムを出すというエネルギッシュな創作活動から生まれたのが、The Wild, The Innocent & The E Street Shuffle(青春の叫び)だった。
このアルバムでは前作よりもグループとしての一体感を強調したかったのか、曲によってはバンドの演奏が少々前に出過ぎているように感じないでも無いが、まあ若さ溢れる演奏と思えば納得ですかね。ヒット狙いで老獪に制作すれば若さ故の荒削りではあるが膨大なエネルギーが萎んでしまうことはよくある話で…
(バンド全体像、この中のブルース、ゲイリー・タレント、ダニー・フェデリシとクラレンス・クレモンズの4名に新メンバーが加わりEストリート・バンドが結成された。)
日本では私も含めて大ヒットしたその次の作品Born To Runからブルースのことを知った人が多く、私の場合このアルバムを後追いで聴いた感想としては、なるほど!とは思うもののやっぱりブルース・スプリングスティーンの成長過程における途中経過的な印象を抱くのはこのアルバムにとって少々残念かも。
(このアルバムはCD化されてから初めて聴いた。)
時間を巻き戻す事が出来、もしBorn To Run発売以前に聴く事が出来たとすれば、このアルバムに対する印象は更に肯定的に変えられるのではないかと思う今日この頃であります。
まあ無理筋なんですが。