1960年代後半、世の中サイケデリック・ブームって事で、何でも海の向こうではドラッグでトリップしながらロックを愉しむようなブームがあったそうな。
ドラッグの影響を受けていると当然焦点の定まらぬぼんやりとした幻覚の世界に誘われる訳で、そういった場合は緩〜いテンポの楽曲が好まれるのか、スピードを落として演奏しさらに同じフレーズが繰り返されるインプロビゼーションを挿入し長尺の曲が数多く作られた。
アメリカでは、オルガンの音色が特徴のドアーズやアイアン・バタフライらが登場し人気を博した。
その中でもハーフ・スピード・カバーの王者として一時期ロック界に君臨したのが4人組のバニラ・ファッジ。
日本ではジェフ・ベックとBBAを結成し来日公演でライブ盤を残した関係でドラムのカーマイン・アピスとベースのティム・ボカートらがバンド内では突出しているイメージがあるが、残り2名のギターのビンス・マーテルとキーボードのマーク・ステインも頑張っていて、バンドとしてのバランスはうまく取れているように思う。
1967年のセルフ・タイトルのデビュー・アルバムは大ヒットし全米6位を獲得し、さらにシングル・カットされたシュープリームズのYou Keep Me Hanging Onはスローに生まれ変わりなんと全米6位を獲得。(ただしシングル盤はラジオでオン・エアーしやすいようにショート・バージョンだった)
それ以外にも、レノン-マッカートニーのTicket To RideやEleanor Rigby、カーティス・メイフィールドのPeople Get Readyにゾンビーズの She’s Not Thereなどなど、それぞれハーフ・スピードの長尺バージョンが漏れ無く収録されている。
(レコードからCDに移行される80年代後半のATCOレーベル、アメリカ盤でございます。)
今聴けばレトロチックで悪くはないけど、こんなにイントロが長くスローな展開じゃ切符買っている間に汽車は出ていってしまうかもね…
確か、カーペンターズのカバーした時も乗り遅れたって話だし。
なあ〜んって、適当なこと言っちゃダメ!
どうもすいません。