多少ダミ声がかった癖のあるボーカルで好き嫌いが分かれるかも知れないが、その音楽的な才能から測るともっと人気が出てもおかしくなかったレオン・ラッセル。
今日はライブと60年代の音源を寄せ集めたアルバム、Looking Backを含めるとソロ名義では9枚目に当たる、1975年のアルバム、Will O’ The Wispでも。
(Will O’ The Wispって日本語にすると鬼火。スワンプに現れる魂の変化とでも言える炎は一体何を意味するのやら?)
レーベル内での揉め事があり、レオンにとってはこのアルバムがシェルター・レーベル最後のものとなった。
南部の雰囲気を醸し出すファンキーなR&Bやバラッドなど聴き応えがある。特にシングル・カットされヒットしたLady Blueのとろける様なメローなサウンドにノック・アウト。
ただ他のアーティストが歌って大ヒットしたレオン作のA Song For You、This MasqueradeやGroupie(Superstar)もレオン本人が歌うとなんとなく暗さと言うか翳りが宿る。
そんな雰囲気が一般受けしなかったのかなと思ったり、また曲によってはちょっと意味不明で不気味さを醸し出す曲調が負の印象として一般大衆にも捉えられたのかも...
特に1972年のアルバム、Carneyに収録されたAcid AnnapolisやこのアルバムではCan’t Get Over Loosing Youのイントロに使用された琵琶と尺八の演奏あたりににそれが表れていると感じる。
まあそれも作曲者の感性のうち、聴きたくなけりゃその曲だけスキップすればいいだけの話ではあるが...