枇杷と寒椿

寒い朝である
空は微妙な雰囲気予報は
余り気温があがらない

ひんやりとした一日になりそう
枇杷。
葉を落としながら冬に向う枇杷。
新芽の間の小さな一花、花は小さく、白無垢、決して大輪の素敵な花でなく、香りも薄く、地味で質素。
初夏の大粒の黄色い実から零れる美味しさから、この花姿は想像できない。
枇杷の生産者しか余り目にしない枇杷の花、
この時期の店先を飾って冬の花束を作ることなく、
ひっそりと寒さのなかで散る食の花、枇杷。
寒椿

無数の寒椿のつぼみ

いま
あれほど固かったつぼみが
この寒さのなかで膨らみ
そのひとつの深緑が破れ
濃い紅色の鮮やかな八重咲きの花を咲かせる

処女の一花
一際新鮮
一際鮮やか

花
・・・
花びらの数は多く１４枚以上
余り皴皺にならない
花びらを一枚・・散らしていく寒椿

いま
その先駆けの一輪
鮮やかな一花を咲かせる。