曇り空
この哀しみに満ちた空色
誰にも解きほぐせない難解のパズル
一面に広がる空は暗く
悲しい哀愁色
そこから生まれるのは
苦い
切ない
悲しい空洞の闇
この闇は深く厚く
解きほぐすのは容易でなく
回帰してくる風を待とう
明日には風によって闇が追い払われ
私の待つうれしい答えが出る。
降りそうで降らない、この私の迷いに拍車をかける嫌な曇り空。
一瞬だけこの厚い曇り空にクレパスの亀裂が出来 . . . 本文を読む
さくらと欅
いつも何となく歩いていたが、ふと、足を止め辺りを見渡すと微かな彩が至る所に散らばり始めている。
そう言えば季節はもう晩秋、
この秋ほどほとほと手を焼くと言うか、混乱させた天気は無かった、単純に異常気象と言って終われないのがこの季節の病みかも知れない。
しかし季とは不思議なもので、そのしめ・・において体裁を整え、それなりの形を作り、そこにはちゃんとした季節の形が出来上がり、その時々の想い . . . 本文を読む
缶コーヒーと雨
朝には缶コーヒーを飲まない私が、いつも朝に入れる珈琲を作るのが面倒なものだから、そう言えば冷蔵庫に残っていた缶コーヒーを思いだし「あの缶コーヒーを飲もう」
そう思い立ち、冷蔵庫を開け、手にした缶コーヒーの微糖。
「冷たい、よく冷えている」蓋を開け、一口飲む、この目覚めに丁度良い甘さ、微糖。
いつも無糖で飲む私が「美味い、結構いける」そう思った一缶、
たまには缶も悪くない、そう思う朝 . . . 本文を読む
雨上がり
台風と秋雨前線と更に寒冷前線の南下でこの三日ほど降り続いた雨も、今朝ようやく止み、このまま晴れるか・・・そう思っていたが、北寄りに位置する私の住む町ではそうはいかず、縦縞の影響を受け、朝方望めた青空も昼ごろには消され、
空一面妖しくなって、風も時折強く吹いて樹木の小枝を震わせる。
この振るえ 冬を知らせる 木枯らしか
冷やかな風を肌で感じながらいつもの道を歩いていると微かに香る芳香、 . . . 本文を読む
染まり
好きな人に逢って
頬が赤らむように落葉樹の一部が染まって
少しいじらしい姿を見せる
街の中の数十本の落葉樹
種類こそ少ないがその数本が水先案内人となり
染まる樹木の下に私を誘う
紅葉・・・
未だ先のこと
一足早く染まる一葉がこれから始まる
街の紅葉の序曲
いまタクトは振られたばかり
演奏者も揃わず
揃って楽団が組まれるのはもう少し先かな
いまは音合わせの段階。
この雨で更に街中 . . . 本文を読む