濡れた一枚のページをめくる。
雨も夕方には上がり、蒸し暑さが追い被さるように漂った夕暮れの中を歩きながら、明日は晴れるな・・・そう思いながら家路について、
朝、濡れた一枚をめくる。
いきなり見開きに展開される蝉の鳴き声が絨毯爆撃となって聞える、
さすがにこれは応える。
蝉
一夜限り
そんな感じの短いこの世での命
冷たい寂の闇の中で
蠢くように過ごし
明るさを楽しむこと数日
短い生涯を終える
. . . 本文を読む
一枚をめくる
いつもの寝苦しさに目覚め、眠い目を擦りながら一枚の白紙をめくると、外から差し込むいつもの日差しはなく、代わりに雨音が聞える。
ええ!雨か・・・そう思って外に出ると久しぶりの激しい雨が降っている、
雨音、強さ、迷い雨水の流れ、木の葉の鮮やかさ、
久しぶりの雨に歓び騒いでいる。
夏の雨
久しぶりの雨
いつもと様子が違う雨に戸惑う
音
・・・
優しさを感じない
叩かれても痛さも冷たさ . . . 本文を読む
一ページをめくる。
雑草、
やつらは元気だね・・・
なぜって?ほんの一週間ほど前に機械でバリ・・と刈られたのに、この暑さをものともせずに春のような新芽を延ばしている。
凄いな・・・この生命力、復元力、人はこういかない。
この分だと直ぐに元の木阿弥になりそうな気配かな・・・
名前知らないけれど君たちは凄い。
回復力
名前
・・・
浮かばない
いや知らないと言うべきか・・・
あの個このひと
知 . . . 本文を読む
ページをめくる、
一枚のページをめくるとそこに書かれているのは暑い夏の一日の始まり、
空も、わめき倒す蝉も、暑さも昨日のまま何も変わらず、
+・・されるだけで、この暑さからは何も控除されない。
元気なのは向日葵、この花だけは太陽に対等に向き合って元気だ、
私の好きな花のひとつ。
向日葵
私は菊科太陽の花
でかい態度
へこたれないこのタフさ
この渇いた夏空の下でも火勢は衰えず
姿
勢い
色彩 . . . 本文を読む
一ページをめくる。
私の好きな藪山、低山である。
高山と違って眺めは悪く、あの眩しい残雪もカールに咲く花もない。
在るのは競い合う雑木、住民の薮蚊、わめきたてる蝉、
この森に不釣合いな鶯、
沢の小さな流れに耳を澄ましていると、なぜか救われるような気がして来る。
そんな見通しのなさそうな藪山でも、
「おお・・・いいじゃ」そう思う沢や尾根のコブが在って楽しい。
夏
でかい太陽
激しく抱きしめて来 . . . 本文を読む