愛犬１２歳

目覚め、今日もようやく朝が涼しいと感じた
うれしい・・・その一言が素直に出た

我が家の愛犬、もう１２歳である。
犬が欲しいと言い出し、子供と嫁が私の反対を押し切って飼い始めて１２年の月日が過ぎようとしている。
初めは可愛い・・と言って遊んで、散歩に連れて行ったが、そのうち子供は厭きて犬に対しても余り関心を示さなくなり、その挙句育児放棄である。
一番被害を被ったのが犬と私、それからは私が仕事に行く前と帰ってから散歩に連れて行き、休みの時は遊んだりしながら過ごした私にも老いが忍び寄り、愛犬に勝てずにいたが最近愛犬も老いてきて、ようやく一部で私も勝てるようになって、
うれしいやら哀しいやら、複雑な思いに駆られるこの頃である。
１２歳

唯
犬が欲しいと言って飼い始めた犬
この頃老いてきた愛犬を見ながらいつも思う
こいつ幸せかな・・・

いつも愛犬は独りで過ごしながら
毎日の散歩の繰り返しで時を過ごし
私と一緒に旅をしたり恋をしたりする夢も叶わず
一生を終えようとしている愛犬

私の都合で幸せを封印され
家族を持つことなく独りで生きてもう１２歳
彼女も私と同じように
家族のいる生活を夢見たかと思うと辛い

老いてきた彼女
あの頃の美と勢いが消えた姿を見ていると
私と過ごした時間が幸せだったのか
一度側に座って訊いてみたい。