11月中旬に宇高航路が廃止されるというニュースが飛び込んできて、まさかと思いましたが、現実は厳しいようで、12/16をもって休止(事実上の廃止)という事になりました。
かつては国鉄(JR)も航路を持つなど、瀬戸内海の本四連絡の花形航路だったのですが、瀬戸大橋線の開業やETC割引などの定着もあって年々利用者が減り、1社また1社と撤退してゆき、最後に残った1社も遂に耐えきれなくなったということでしょう。自治体も補助金を出してきたが、基本的には設備維持費のみであり、運営費まで賄えない状態になったと思われます。ともあれ、廃止が決まったので、最後の名残惜しで宇高航路へ出撃することにしました。12月に入って青春18きっぷが使える時期になると混む可能性があるので、それを待たずに11月中に乗っておきます。
.船に乗るために船に乗る
宇野-高松間のダイヤを見てみると、朝1で宇野を出て5往復するのですが、各便とも折返し時間が10~20分のところ、昼過ぎの便だけ宇野で1時間半の休憩があるので、この時間帯で往復することにし、高松を起点として往復するため、岡山経由の陸路ではなく、航路で神戸からジャンボフェリー夜行便で高松に着く形で、帰りは2日目の午後の便で帰るので、まさに『船に乗るため、船に乗る』という旅程です。
神戸-高松往復は3月に続いて2回目で、帰りは大阪行きのフットバスも選択肢の1つでしたが、往復で買うと帰路は1,400円で帰れるので、時間に余裕がある時は往復船便利用がいいですね。
神戸港に入港してきたのは今月定期点検明けの“りつりん2”ではなく、ずっと運航していた“こんぷら2”でした。閑散期の平日とあって、23時の乗船券発売開始ですぐ上に上がっても誰も並んでおらず、1番乗りできました。
最近は夜行便に限って、枚数限定でブランケットを無料で貸してくれるので、試しに借りてみたのですが、60cm程度の短い物なので体全体は覆えず、補助程度のものとして考えておいたほうがよいでしょう。
6時前に高松駅に到着。宇高航路の船に乗るのは昼過ぎなのですが、今日は朝7時から1時間半ほどは駅の西側で列車の撮影のため、夜が明けるのを待ちます。
朝7時過ぎからは駅の西側に行って、高松駅を発着するJRの列車の撮影をしました。この撮影したものは来年あたりに公開する予定です。
撮影後は高徳線と琴電で志度まで往復して時間潰してお昼を迎えます。
.市街地直結の便利な高松港
お昼過ぎの便に乗るために高松に戻ってきて港に向かいます。
高松駅の駅舎は、よく見ると顔になっていて、思わず撮りたくなってしまう駅舎です。
その高松駅に背を向けて左手のホテルがある方に高松港に向かう歩道橋があり、ここから港に向かいます。
Google Map では何故か徒歩17分と表示されたましたが、実際には数分でたどり着けます。
つづら折れの歩道橋を歩いてゆくと、やがて前方に海の青い景色が展開します。ちょうど小豆島(土庄)からのフェリーが着いたようで、十数人の乗客が歩道橋を渡ってきたのですが、たまたま写っている女子高生は時間帯からして島からの上陸便の乗客かどうかは分かりません。
歩道の突き当りに船の時刻表示器があり、ここから右側へ行くと高速艇乗り場、左側に行くとフェリー乗り場になります。
歩道橋からみたフェリー乗り場のようす。
写っているのは2番乗り場の小豆島便のもので、宇野行きは奥の1番乗り場から発着します。
歩道橋から下りて、ターミナルで乗船券を買います。
きっぷ売り場は行き先別に分かれていて、宇野行きは1番手前の売り場で買えます。
宇野まで往復きっぷを購入。往復割引乗船券と一緒に航路を休止するお知らせの紙を渡されました。
往復で買うと帰路が1割引きになるのと、宇野側は自販機でのきっぷの発券なので、高松で買う方が硬券ではないものの、見栄え的にもよいでしょう。
ここまでで高松駅から徒歩で8分程度、他の県都の港だと松山にしても徳島にしても市街地中心駅から離れたやや不便な所にあるのですが、高松港は駅とほぼ直結なので、とても便利です。
.いよいよフェリーに乗る
きっぷを買って、乗船口に行きます。
宇野からの船が到着するまで暫く時間があり、平日で乗客も少ないため、先ほどの歩道橋に戻ることにします。
12:45 宇野からの船が港に入ってきました。
真っ直ぐ入ってくるのかなと思いきや、この後が見物です。
港に入ってきた船は一旦乗り場のある岸壁から離れて入ります。
船首を奥に突っ込んだ後は、グィーーンと180度旋回します。
この光景が高松入港時と宇野出港時に見られるので、多客時に船内で座れない覚悟であれば、着岸時にこの歩道橋から撮影することをお勧めします。
歩道橋から下りてきて乗船待ち列の後ろに並ぶこと5分。
下船車両と入れ替えに乗船が始まり、私も続いて乗り込みます。
13:05 出港時刻ギリギリになって、自転車の兄ちゃんとオッサンが駆け込みで乗り込んできて、若干待たされましたが、無事に出港です。
高松港がどんどん離れていきます。
最近は3,000トン~10,000トン超クラス以上の大きな船ばかり乗っていたので、出航してもゆっくり進むのですが、この第一しょうどしま丸は987トンと、1,000トンを切る軽さ?なので、出港するとグングン加速しますので、一気に岸壁が離れていく感があります。
船内は閑散期の平日の昼間とあって、乗客数は30~40人程度というところでしょうか? 12月の土日となると鈴なりになるかも知れないので、この時期に乗って正解でした。
出港後にすぐに列ができるのが売店で、ちょうどお昼時とあってうどんを注文します。10分ぐらいデッキで撮影しているうちに、列がほぼ解消したのでさっそく注文します。
こちらが出てきたきつねうどん 320円也、安い。
ジャンボフェリーのうどんはいかにも冷凍麺とすぐに分かるモノでしたが、こちらの麺は生麺?という感触で、高松港ですぐに麺を積み込めるのが利点です。出汁は意外にも塩辛めの味です。
座席は前方と側面の窓際の席がリクライニングするタイプで、前方の席などは新幹線のグリーン席並みにリクライニングが倒れます。
その前方席の区画ですが、一番前の眺望席は6席なので、一番乗りじゃないと座れません。まぁどうせ写真撮ったりしてウロウロ船内を動き回るので、その6席だと座ってる人の前を通してもらったりと逆に不便です。
晴れの国-岡山県側に入ってきてなぜか曇ってきました、
右手に直島を見ながら本州の陸地が近づいてきます。
高松を出て1時間で宇野港に入ります。
かつては夜通し運行しており、夜行便利用が中心だったので、日中の宇野港に入るのはJR宇高連絡船利用時以来かも。
高松港・宇野港ともに船首に向かって右側に岸壁がある形で着岸します。
右側は小豆島航路のフェリーでしょうか。
高松乗船時とは反対の船首側の階段から降りて下船します。
自撮り棒に180度カメラで生中継?してる台湾人っぽいおっさんに続いて最後に下船。
船から吐き出されるトラック。
ガラガラかと思いきや、意外と台数は載っかっていた感があります。観光客と違って、トラックは名残惜し乗船で数が増えるなんて事はないので、結構乗っているじゃないかと思ったのですが・・・
--- 後編に続く ---
かつては国鉄(JR)も航路を持つなど、瀬戸内海の本四連絡の花形航路だったのですが、瀬戸大橋線の開業やETC割引などの定着もあって年々利用者が減り、1社また1社と撤退してゆき、最後に残った1社も遂に耐えきれなくなったということでしょう。自治体も補助金を出してきたが、基本的には設備維持費のみであり、運営費まで賄えない状態になったと思われます。ともあれ、廃止が決まったので、最後の名残惜しで宇高航路へ出撃することにしました。12月に入って青春18きっぷが使える時期になると混む可能性があるので、それを待たずに11月中に乗っておきます。
.船に乗るために船に乗る
宇野-高松間のダイヤを見てみると、朝1で宇野を出て5往復するのですが、各便とも折返し時間が10~20分のところ、昼過ぎの便だけ宇野で1時間半の休憩があるので、この時間帯で往復することにし、高松を起点として往復するため、岡山経由の陸路ではなく、航路で神戸からジャンボフェリー夜行便で高松に着く形で、帰りは2日目の午後の便で帰るので、まさに『船に乗るため、船に乗る』という旅程です。
神戸-高松往復は3月に続いて2回目で、帰りは大阪行きのフットバスも選択肢の1つでしたが、往復で買うと帰路は1,400円で帰れるので、時間に余裕がある時は往復船便利用がいいですね。
神戸港に入港してきたのは今月定期点検明けの“りつりん2”ではなく、ずっと運航していた“こんぷら2”でした。閑散期の平日とあって、23時の乗船券発売開始ですぐ上に上がっても誰も並んでおらず、1番乗りできました。
最近は夜行便に限って、枚数限定でブランケットを無料で貸してくれるので、試しに借りてみたのですが、60cm程度の短い物なので体全体は覆えず、補助程度のものとして考えておいたほうがよいでしょう。
6時前に高松駅に到着。宇高航路の船に乗るのは昼過ぎなのですが、今日は朝7時から1時間半ほどは駅の西側で列車の撮影のため、夜が明けるのを待ちます。
朝7時過ぎからは駅の西側に行って、高松駅を発着するJRの列車の撮影をしました。この撮影したものは来年あたりに公開する予定です。
撮影後は高徳線と琴電で志度まで往復して時間潰してお昼を迎えます。
.市街地直結の便利な高松港
お昼過ぎの便に乗るために高松に戻ってきて港に向かいます。
高松駅の駅舎は、よく見ると顔になっていて、思わず撮りたくなってしまう駅舎です。
その高松駅に背を向けて左手のホテルがある方に高松港に向かう歩道橋があり、ここから港に向かいます。
Google Map では何故か徒歩17分と表示されたましたが、実際には数分でたどり着けます。
つづら折れの歩道橋を歩いてゆくと、やがて前方に海の青い景色が展開します。ちょうど小豆島(土庄)からのフェリーが着いたようで、十数人の乗客が歩道橋を渡ってきたのですが、たまたま写っている女子高生は時間帯からして島からの上陸便の乗客かどうかは分かりません。
歩道の突き当りに船の時刻表示器があり、ここから右側へ行くと高速艇乗り場、左側に行くとフェリー乗り場になります。
歩道橋からみたフェリー乗り場のようす。
写っているのは2番乗り場の小豆島便のもので、宇野行きは奥の1番乗り場から発着します。
歩道橋から下りて、ターミナルで乗船券を買います。
きっぷ売り場は行き先別に分かれていて、宇野行きは1番手前の売り場で買えます。
宇野まで往復きっぷを購入。往復割引乗船券と一緒に航路を休止するお知らせの紙を渡されました。
往復で買うと帰路が1割引きになるのと、宇野側は自販機でのきっぷの発券なので、高松で買う方が硬券ではないものの、見栄え的にもよいでしょう。
ここまでで高松駅から徒歩で8分程度、他の県都の港だと松山にしても徳島にしても市街地中心駅から離れたやや不便な所にあるのですが、高松港は駅とほぼ直結なので、とても便利です。
.いよいよフェリーに乗る
きっぷを買って、乗船口に行きます。
宇野からの船が到着するまで暫く時間があり、平日で乗客も少ないため、先ほどの歩道橋に戻ることにします。
12:45 宇野からの船が港に入ってきました。
真っ直ぐ入ってくるのかなと思いきや、この後が見物です。
港に入ってきた船は一旦乗り場のある岸壁から離れて入ります。
船首を奥に突っ込んだ後は、グィーーンと180度旋回します。
この光景が高松入港時と宇野出港時に見られるので、多客時に船内で座れない覚悟であれば、着岸時にこの歩道橋から撮影することをお勧めします。
歩道橋から下りてきて乗船待ち列の後ろに並ぶこと5分。
下船車両と入れ替えに乗船が始まり、私も続いて乗り込みます。
13:05 出港時刻ギリギリになって、自転車の兄ちゃんとオッサンが駆け込みで乗り込んできて、若干待たされましたが、無事に出港です。
高松港がどんどん離れていきます。
最近は3,000トン~10,000トン超クラス以上の大きな船ばかり乗っていたので、出航してもゆっくり進むのですが、この第一しょうどしま丸は987トンと、1,000トンを切る軽さ?なので、出港するとグングン加速しますので、一気に岸壁が離れていく感があります。
船内は閑散期の平日の昼間とあって、乗客数は30~40人程度というところでしょうか? 12月の土日となると鈴なりになるかも知れないので、この時期に乗って正解でした。
出港後にすぐに列ができるのが売店で、ちょうどお昼時とあってうどんを注文します。10分ぐらいデッキで撮影しているうちに、列がほぼ解消したのでさっそく注文します。
こちらが出てきたきつねうどん 320円也、安い。
ジャンボフェリーのうどんはいかにも冷凍麺とすぐに分かるモノでしたが、こちらの麺は生麺?という感触で、高松港ですぐに麺を積み込めるのが利点です。出汁は意外にも塩辛めの味です。
座席は前方と側面の窓際の席がリクライニングするタイプで、前方の席などは新幹線のグリーン席並みにリクライニングが倒れます。
その前方席の区画ですが、一番前の眺望席は6席なので、一番乗りじゃないと座れません。まぁどうせ写真撮ったりしてウロウロ船内を動き回るので、その6席だと座ってる人の前を通してもらったりと逆に不便です。
晴れの国-岡山県側に入ってきてなぜか曇ってきました、
右手に直島を見ながら本州の陸地が近づいてきます。
高松を出て1時間で宇野港に入ります。
かつては夜通し運行しており、夜行便利用が中心だったので、日中の宇野港に入るのはJR宇高連絡船利用時以来かも。
高松港・宇野港ともに船首に向かって右側に岸壁がある形で着岸します。
右側は小豆島航路のフェリーでしょうか。
高松乗船時とは反対の船首側の階段から降りて下船します。
自撮り棒に180度カメラで生中継?してる台湾人っぽいおっさんに続いて最後に下船。
船から吐き出されるトラック。
ガラガラかと思いきや、意外と台数は載っかっていた感があります。観光客と違って、トラックは名残惜し乗船で数が増えるなんて事はないので、結構乗っているじゃないかと思ったのですが・・・
--- 後編に続く ---
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