GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)という言葉を知ったのは20代の頃だった。
データは「アイコン」で表現され、削除(正確には"捨てる")するときは「ごみ箱」へドラッグ。
印刷したければ、プリンタアイコンへドラッグ。間もなく席の後でプリンターが唸り始め、印刷物が次々と排出される。。。
当時ワープロ専用機で業務用文書を作成していた私は、今では当たり前の「デスクトップ(DTP)」のその「面白さ」にワクワクしながら仕事をしていたものである。
GUIという技術はもともとゼロックス社で開発されていたものだったが、ゼロックスでは商品として日の目を見ることなく、その技術(技術者まで!)を取り入れ今のパーソナルコンピュータの礎(いしずえ)を作ったのが、スティーブ・ジョブズ氏のApple社。これは誰もが知る有名なエピソードである。
そのスティーブ・ジョブズ氏が今日亡くなった。
私はMac利用者でもMac信者(失礼)でもないけれど、そのニュースのテロップを眺めながら、悲しい気持ちで一杯になった。
「Stay Hungry. Stay Foolish」にはとてもなりきれない私の、ごく普通の仕事や人生でも「connecting the dots」の話は「ささやかな安堵」と「あたたかな希望」を持たせてくれるものだったから。
自分の想いに忠実で、しかもそれを誰もが使える具体的なテクノロジーとして世に送り込み続けたジョブス氏の情熱と功績から多くを感じ学んだ人の数はどれくらいいることだろう。
合掌
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★有名な「スタンフォード大学2005年卒業式のスピーチ」はぜひご覧ください。沢山のサイトがあるのであえてリンクは置きません。