終了間近の美術展ふたつ、27日に大急ぎではしごしてきました。
本当は先週行く予定だったのですよ。ところが予期せぬダウンで行けなかったわけです。
予期せぬ、といえば今年の桜、なーんと通常より9日も早く見頃が来ちゃったとかで、既にあちこちの桜が満開です。
さて、はしご先の美術展は、
・上野 ブリューゲル展 東京都美術館
・六本木 木島桜谷(このしまおうこく)展 泉屋博古館別館
東京都美術館の若冲展では3時間並んだしね~。まぁ終了間近とはいえ30分程度は並ぶかな、とささやかな覚悟を決めて行ってみたところ、既に大変な列が公園内にできています。そんな!? と思ってよく見ればパンダ見物の列! シャンシャン恐るべし。
その列を避けるのにやや時間がかかったものの、美術館には並ぶことなく入場でき、ほとんど混んでいない館内でゆっくり鑑賞することができました。
ブリューゲルは16世紀のネーデルランド、フランドル地方で農民を描いた画家という程度の知識しか持ち合わせていませんでしたので、150年、4代続いた画家一家だったのであ~ると知りびっくりでした。そういえば少し前に「ブリューゲル バベルの塔」展もあったりで「いったいブリューゲルって何人いるんだ?」と思っていたのですよね(^_^;)
ちなみに覚え方としては、ペーテル・ブリューゲルが2人
・ペーテル・ブリューゲル1世(「雪中の狩人」「バベルの塔」)←多分こちらが一番有名なブリューゲル
・ペーテル・ブリューゲル2世(その長男 「農民の婚礼」など一連の農村作品を描く)
ヤン・ブリューゲルが2人
・ヤン・ブリューゲル1世(ペーテル・ブリューゲル1世の次男 「ノアの方舟への乗船」)
・ヤン・ブリューゲル2世(その長男 「地上の楽園」)
※宗教的寓話が多い?
・アンプロシウス・ブリューゲル(その次男 寓話シリーズや陶器に入った花シリーズ)
・ヤン・ピーテル・ブリューゲル(ヤン・ブリューゲル2世の長男 花や果物)
・アブラハム・ブリューゲル(ヤン・ブリューゲル2世の次男? 花や果物)
時代がくだるにつれて、貴族好みの作風になったり、花や静物画といった個性を出しにくい(?)作風になっていく気がしたんですよね。アブラハム時代の色とりどりの花をモチーフにした作品群はまるで、高級ブランドスカーフのコレクションのようでした。スカーフ柄としては結構好みかも(^_^;)
今回の展示作品には、エッチングや小物の油彩画なども多く、しかもその中に風景なんかが細かく描き込まれているので、もうねぇ、絵が小さすぎてよく見えないの。「ピンチアウトして拡大してくれ~!」と何度心の中で叫んだことか。絵画鑑賞用の拡大メガネ(そんなのあるのか?)、必要かも。。。としみじめ感じたブリューゲル展でございました。
昼近くになってもまだまだ続く動物園入口の行列。
上野公園内の桜は溢れんばかりに満開!
さて、午後からはぐっと趣を変え、京都画壇を代表する画家、木島桜谷展に行きました。こう書くと、さも昔から知っているようですが、実は知ったのはごく最近のテレビ番組です。私の大好きな端正な日本画、そしてなんとも魅力的な動物たち。これはもう行かなくてわ!と。
六本木の桜も満開
桜谷の代表作「寒月」は高校の美術の副読本に掲載されていた気もするのです。で、その「寒月」、なんでも夏目漱石に酷評されたんだとか。夏目先生、よほど虫の居所が悪かったのか(^_^;)
実物の「寒月」は、それはもう何時間でも眺めていたくなるほどの、どこを切り取っても物語になる作品でした。
肌を刺す冷えた空気、静寂、雪を踏む狐の足裏の冷たさ。。狐の毛の一本一本まで時間を忘れて数えたくなるような、本当に魅力に溢れた作品でした。
その他の動物屏風にもうっとり。春の鹿の、まだ先の丸い角の柔らかそうな感触まで感じられるのです。
そして今回の目玉は、2年の歳月をかけて修復した「かりくら」
いや、もう、この馬の躍動感、迫力と言ったら! 今にも画面から飛び出してきそうです。これを観るためにだけでも六本木まで足を延ばした甲斐がありました。
さて、六本木の桜も上野同様ほぼ満開、所により桜吹雪状態でした。
上野とはまた違う高層ビル群の桜たち
スウェーデン大使館を見上げる桜
泉タワーを見上げる桜
ま、さ、に、芸術とお花見の一日でした(^^)/