笑うかどには福きたる

日常生活で見たこと、聞いたこと、感じたことを牧歌的にのんびりと書いています。

イチロー引退  ~彼は野球選手であり、哲学者であり、表現者でありました。

2019年03月22日 20時32分33秒 | 日々雑記
引退会見は全部観ていないのですが、1時間半もかかったそうです。
今朝のニュースでその様子が映っていたのですが、なんと言うか、記者たちが「イチローを離してくれない」感がヒシヒシと伝わってきました。皆さん、本当に名残惜しかったんでしょうねぇ。。

「もっと、話を聞きたい。」
もうねぇ、その聞きたい話(質問)が、妙に哲学的だったり、人生訓的であったり。"単なる野球選手"への質問じゃないのよ。記者、というより「先輩の話を聞きたがる後輩たち」、って感じで。

「イチロー語録」みたいは本もあるくらいだから、みんなして「為になる言葉」を欲しがっている、とでも言いましょうか。。(^_^;) 
イチローもそんな質問に、これまた真面目に(為になるように)応えてるの。







検索したらこんなやり取り(インタビューの最後の方)だったようです。
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(記者)
昨年、マリナーズに戻りましたけれども、その前のマリナーズ時代、「孤独を感じながらプレーをしている」と話していました。その孤独感はずっと感じながらプレーしていたんでしょうか。それとも、前の孤独感とは違ったものがあったのでしょうか。

(イチロー)
 現在はそれはまったくないです。今日の段階でまったくないです。
それとは少し違うかもしれないですけど、アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと、アメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。

 孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく。そのことはすごく人として重要なことではないかと感じています。
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↑このインタビュー記事、絶対に本になると思う。

お疲れ様、そしてありがとう、トップ オブ アスリート・イチロー! (^^)/忘れないよ!


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平成最後のダプルヘッダー 〜その2 「グリーンブック」

2019年03月21日 19時41分43秒 | 映画

「寂しいと思ったら、先に手紙を書くもんだ」

私ね、この台詞にガツンとやられた気がしました。
この台詞を聞くまで正直「作品賞だよね。。」と若干不安になっていたので(スパイク・リー氏とは別の理由で)。

で、「あ、これだ」と。 合せて私自身が最近とても気になっていたことへのヒントを貰った瞬間でした。

人の"居場所"は何で決まるのだろう。
人の"居場所"に上下や貴賤はあるのか? 

ドクターには金も名誉も地位もある。トニーには金はおろか名誉も地位もない。
でもトニーには一緒に食事をする家族、心を許せる身内、何より自分の手紙を待つ相手がいる。
ドクターには一緒に食事をする家族も心を許せる身内も、手紙を待つ相手もいない。

なんかね、ドクターの姿に「ボヘミアン・ラプソディ」のフレディを重ねてしまいましたよ、二人とも自分の「居場所」を求めていたんだって。
それは、彼らがマイノリティだからじゃなくて、実は私たち誰もがそれを求めているんじゃないのかなって。

フレディは「Somebody To Love「愛にすべてを」」で「Can anybody find me somebody to love?(誰か僕に愛する人を見つけてよ)」と歌ったけれど、このloveって、ヒトだけじゃなくて居場所でも通じるのではないのかな。 自分が愛せる居場所=人だと思えるから。
そしてそれがあれば「I ain't gonna face no defeat(負けることはない)」。

「自分には帰る場所、自分が居てもいい場所、自分を温かく迎えてくれる場所がある。」
それこそが「自分の居場所」。そこに上下はない、貴賤もない。
でもその場所は誰かが探してくれたり与えてくれるものではないんだよね。

そんなこと、わかってる。

ドクターも、自分の居場所を求めて南部に行ってみようと思ったのかもしれません。でも南部も自分の居場所ではないと確信したんだと思えるのです。じゃ、自分の居場所はどこにあるんだろう。。

「寂しいと思ったら、先に手紙を書くもんだ」

スペルミスがあっても、子供の文章でもかまわない。「"先に"手紙を出すこと」が何よりも大切なのだから。
ドクターは"文法上での手紙の書き方"を知っていても、"なぜ手紙を書くのか"までわからなかったのですね。。

旅が終わった後、ドクターはお兄さんに手紙を出したのでしょうか。トニーの家のドアをノックした"勇気"を持って。

いろいろ言われているこの作品だけれど、居場所は"勇気を持って"自分からノックしてゆくものだよ、っていうメッセージをごくごく自然に感じられた、「グリーンブック」でありました。
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平成最後のダプルヘッダー 〜その1 「二人の女王 メアリーとエリザベス」

2019年03月20日 23時36分25秒 | 映画

「二人で力を合わせれば、男たちに勝てる」
「無理よ、私は王座に座り"男"になったんだから」

「え~!? マジ!?」 ってメアリーの声がその時聞こえたような気がしちゃいました(^_^;)

メアリー、400年経ってもこの状況は何ら変わっておりませぬよ。
権力を手にしたように見えても、その時々の男たちの「組織防衛の理屈」の駒として使われる女性、という政治的構図は今もたいして変わってないと個人的には思うよ。

駒に徹することで自分の想いを貫いたエリザベスと駒になることを拒み自滅したメアリーの物語。個人的には「何を言いたかったのか」が良くわからなかった感はぬぐえないのですが、そんな「変わらない構図」を嫌というくらい味わえる作品でもあります。
"誰が"自分の側にいるのか、"誰を"自分の傍に置くのか。この判断も彼女たちの運命を分けたポイントなのかな。。

それにしても、海外の歴史作品を観る時って予備知識が必要ですよね~。今回の作品だっておじさんたちがみんな同じ顔に見えちゃう(正直、若いか年寄かくらいの違いしかわからない)ので、「今の誰だっけ?」ってことになります(^_^;) 当時どんな人が居てどんな役割をしたかがわかっているだけでも楽しみ方が大きく違っちゃう。あと大きな括りとしての当時の時代背景なんかも頭に入っていた方がより楽しめる。更に関連の雑学なんかも知っていたら「史実では、本来これこれだったんだよね」なんて感じでも~っと楽しめるはずで。
"ひとり映画"もいいけれど、たまにはマニアな仲間と一緒に映画観たいかも。

ところで、今年の前半は「女王銘柄」の作品が多いように感じます。


「女王陛下のお気に入り」


とか、


「ビクトリア女王 最期の秘密」


とか。

実は、どっちも見逃しちゃってとても残念(>_<) いつか観ねば! 
ちなみに「女王陛下のお気に入り」のアン女王(在位1702年-1707年)の次がビクトリア女王(在位1837年-1901年)です。
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「翔んで埼玉」  ~この奇跡のビジュアルを観よ!(誉めてます)

2019年03月04日 18時10分24秒 | 映画



魔夜峰央作品と言えば、ワタクシ的には「パタリロ(1巻~3巻あたり)」とその時代に発表されていた一連の怪談物とか好きでした。
それらはどれも"隠微なくらい緻密精密に描かれていた時代"の作品群。当時の魔夜峰央は、今では信じられないくらいの"精密絵師"だったんです。

その後年月は流れ、パタリロは等身割合も変化し、100巻にもなり、なんとミュージカルにまでなっちゃった! ということを知りびっくりしたのがつい1年ほど前でしょうか。 「魔夜峰央作品→実写」というイメージが全然入ってこないワタクシでした。
が、「ボヘミアン・ラプソディ」でこの作品の予告を観て、直感的に「これ、面白いかも」と思っちゃったわけです(^_^;)
同じようなキモチになっちゃったヒト、いたんじゃないでしょうか。(失礼ながら)興行成績が良いのは、正直この影響もあると思います。クイーン好きの層にみごとにはまった「予告編」の大成功例だと個人的には感じてます。

で、観てきましたわよ。「翔んで埼玉」 いや~、面白かった!
二階堂ふみさん「西郷どん」に出てましたよね。ぶっ飛びました。なにをどうしても"信じられないくらいの可愛さ"で。GACKT氏はもとより"まんま"麻実麗だし。その他の出演者もみごとなハマり方で、ビジュアル的には申し分なし。。

作品的には「首都圏限定」の面白さかもしれないけれど、脚本もしっかりしていて、とにかく最後の最後、エンドロールが終わるまで笑えます。
会場が爆笑する映画なんて初めての体験でした。
泣ける作品もいいけれど、みんなが笑える作品ていいなぁ~、と思えた「翔んで埼玉」でござました(^^)/
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