糸井重里さんの「ほぼ日」の、昔からの読者です。
時々「乗組員募集」という中途採用をしていて、毎回興味深く拝見しているのですが、上場後初めての募集が最近ありました。
上場したからといっても仲間募集における「ほぼ日イズム」みたいなものは健在で、
とにかく「手をかける・手をかけさせる」。
どんな内容かというと、まず「仕事内容」にはこうあります。
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(略)中核メンバーの一員として担い、収益事業として成長を支えてくださることを期待しています。
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文章こそ優しいですが、仕事に対する「コミットメント」をしっかりと求めています。(当たり前のようですが、ここまで書いている求人広告はなかなか見ませんよね)
で、ここでまず興味本位の応募者が消えます。
さらに応募課題へと進むと。。
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(略)長文でご記入いただく項目がございます。
必須、任意記入項目も含めて5項目あります。
いずれも1000文字以内に収まるようにしてください。
・あなたの取組(必須)
これまで携わってきた業務上の取り組みについて、
代表的なものを2つ、教えてください。
記入方法は自由ですが、実施時期、参加人数とあなたの役割と貢献について
わかるようにご記入ください。
・課題(必須)
1)株式会社ほぼ日を志望する理由を教えてください。
2)あなたが思う存分、
自分の力を活かして仕事ができるとしたら
どんなことをやりたいか、教えてください。
3)あなたが心から好きなものについて教えてください。
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ここで、更に半分が消えることでしょう。。
まるで書類が面接を受けているようですね。(書類は自分の分身ですからね)
上場したことで、いかに利益に貢献できるかも乗組員の資質になってきたのかもしれませんね。
でも上場しようがしまいが、企業は利益集団ですから、自分は貴社のここにこのように貢献できる(力を発揮できる)と表明することは応募者として当然でしょう。
それにしても、必須課題4つ書いて4000文字。原稿用紙10枚(^_^;)へたなSPI試験よりよっぽど「地力」が問われると思えませんか?
ちなみに、改定された学習指導要領でも言語活動の重要性から「文章表現力」「対話力」に力を入れ、更に今後の入試では「論述」などが取り入れられる方向だとも言われています。
SNSや音声入力機能が発達することで逆に「文章を書ける(構成できる・表現できる力)」が、就職・再就職の場で今後求められる最もベーシックな基本能力(スキル)になることは間違いないように思われます。
試験に論述が取り入れられると、採点(評価)する方も時間労力共に大変ですが、双方手抜きなしの真剣勝負になるし、その後の面接だって逆に雰囲気の良いものになるような気もします。
新卒では人数的に難しいかもしれませんが、中途であれば、
・最近のニュースについて
・最近読んだ本について
くらいのテーマで300字程度書かせてみるくらいはあってもいいのではないかと個人的には思いますけど。
「ほぼ日」のこの採用方法、今後きっと他社がマネしてくると思うよ。
「新しい学習指導要領等が目指す姿」文部科学省についてはこちら
※写真は、デニーズの抹茶あんみつ