笑うかどには福きたる

日常生活で見たこと、聞いたこと、感じたことを牧歌的にのんびりと書いています。

「不死身の特攻兵」 ~「好き」が生き延びる武器になる by 鴻上尚史

2018年02月25日 17時53分39秒 | 読書



鴻上尚史さんの書籍は過去に一冊読んでます。20代の頃に読んだ「恋愛王」。
当時の職場の仲良しが鴻上さん主宰の第三舞台の大ファンで、かつ二人とも雑誌「JJ」の読者で。確か一緒に本屋で買ったと記憶しています。
鴻上さんの語り口は、面白くて優しくて、それでいて辛辣な棘を持ち、と結構面白おかしく読めたものでした。

鴻上さんのその後は、テレビMCでの活躍、イギリスに演劇修行に行った、なんて情報を見聞きするだけだったのですが、1月21日の朝日新聞に「好きが生き延びる武器になる」という見出しでこの本が紹介されていたのです。

あの「恋愛王」の鴻上さんが「特攻隊」について書いている。。。「恋愛王」から30年、どんなことを書いたんだろう、そして9回も生還した特攻兵がいたなんて。。と、その日本屋に行ったのです。

なぜ9回も生還できたのか、という鴻上さんの質問に、元特攻兵 佐々木友次さんは「寿命でしょう」と繰り返します。寿命は自分では決められないのに、なぜ「寿命」と言えるのか、鴻上さんが聞きたかったのはここなのです。そして「自分(が佐々木さん)だったら途中で諦めて敵艦に突っ込んでいただろう」というのです。なぜならば、何度も生還する佐々木さんに対して、所属長が繰り返した命令は「次は必ず、死んで来い」。行くも地獄、戻るも地獄、だったのですから。

だから鴻上さんは「自分だったら途中で諦めて敵艦に突っ込んでいただろう」というのです。

あんな状況で人の強さは長くは続かない。なぜ佐々木さんはそこまで強くいられたんですか?(P179)と。そしておそらくこの後のインタビューが、タイトルの言葉に繋がるのですね。
佐々木さんはここで「飛行機に乗るのが大好きだった」「空に浮かんでいればなんでもいいんでね」「特攻機は乗りやすくていい飛行機だった。これに乗って自爆したくない気持ちがあった」などど語っているのです。

いい飛行機なので、自爆したくない。。。

私は、この言葉が、佐々木さんの寿命を決めたのではないかと感じるのです。
「寿命」とはある意味「何かに生かされる」ことでもあるのではないか、佐々木さんの言う寿命とは、生き物としての自分の寿命のことではなく、森羅万象、この世に存在する全ての物や現象に生かされた自分であった、ということなのではないか、と思えるのです。私にはそうとしか思えない。

おそらく、いろいろな人が、いろいろな視点で読むんだろうな、という難しい面を持つ本でもあります。
図らずも読んだ時期が平昌オリンピック期間中。佐々木さんは戦後、日本の国旗を笑顔で高々と掲げる、当時の自分達と同年代の選手たちをこれまで何度も見てきたんだ、と気づいた時、私は涙を抑えることが出来ませんでした。

鴻上さん、素晴らしい本をありがとう。
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2018年 平昌オリンピック もうすぐ閉幕(T_T)/~

2018年02月24日 22時33分15秒 | テレビ

ネットで「競技予定」を見るたびに、朝刊で番組欄をチェックするたびに、こんなにも「なじぇ~」と呟いたオリンピックもありませんでした。というくらい、

何なんだ、この競技スケジュールわ!

ソチからすっかりファンになっちゃった一連のスノボ競技の開始時間が午前9時!
午前9時ってあんた、仕事始まる時間じゃん。。。
しかも録画の再放送が、午後11時から午前2時までとか(^_^;)
頑張って観てても気が付けば違う番組になってたり。
おまけに、男子フィギュアフリーの日は朝から外出!。

観たいもの全て、ライブで観れな~い!

平日の競技はほぼ全て夕方のネットニュースで確認してから夜の特番鑑賞という、2018年平昌オリンピックの2週間でございました。
もうねぇ、冬季オリンピックはヨーロッパでしてくれろ(T T) ライブで観たいから夜中まで起きます、朝早く起きます。

さて、今回一番観たかったのが一連のスノーボード競技。その中でも一番気になる選手は何と言ってもハーフパイプの平野歩夢選手でした。
4年前のソチ五輪では、大きな選手に挟まれてた小さな15歳だった子供が、物凄くタフな19歳の青年になっておりましたのよ!
しかも、ゴールドメダリストのやる気に火をつけちゃうくらいの凄技で。


銀メダルおめでとー。

その後の記事をいくつか読むと、オリンピック前には大怪我もしたのだとか、たしかにあの競技は命がけだと思うよ。で「競技に向かうときは、5、6個もお守りをウェアに忍ばせる」そして「常に恐怖心との戦いです。でも、がんばって勝ちます」と。
「まわりの人に助けられてきました」と、とつとつと語る平野選手。スノーボードをもっと多くの人に知ってもらいたい、(引退したら)将来はそんな活動もしたい、という彼。この子、どれだけ大人なんだ、と。おばさんはもう涙目。
テレビ観戦のにわかファンだけど、これからも応援しますわよ!
ちなみに4年前に書いたブログはこちら

さてさて、こちらもオリンピック直前に靭帯を痛めて動向が気になっていた羽生結弦選手。
ショートはトップだったけど、何があるかわからない。外出先で「羽生金!、宇野銀!」と聞いて、まわりに居た見知らぬ人々と「やったー!」と大喜びいたしましたです(^^)/



それにしても羽生選手は、もう「別格」。ほとんど「国宝」。
ひょっとしたら、ある時から彼自身「羽生結弦になる」、と決めたのではないかな、となんとなく思うのですよ。自分の求める「自分自身」になるためにあらゆる努力も惜しまないと。

アスリートひとりひとりにここまでの物語がある。まだ10代、20代の彼らからこんなにもいろいろなことを「諭してもらえる」なんて。
オリンピックって、やっぱりいいな。
<おっと、これを書いている間にカーリング女子、銅メダル!>

みんな本当におめでとう、そしてありがとう。また、夢を観させてくださいね。


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