昨年の11月、近所のBook-Offで発見! 即購入して読み始めたのですが、涙の年越し。
お正月休みにようやく読了いたしました。
「関ヶ原」に次いでこちらでも家康の軍はゆっくり大阪に向かいます。「最近の若者は…」と苦虫を潰しながら(^_^;)
関ヶ原の戦いから14年。徳川四天王と言われた勇将はもはやなく、先陣を我先に争うように駆けた勇猛な大名衆もなく。70歳になった家康は「なんでこんな年になってまで、野戦に立たねばならんのか」とぼやくこと、ぼやくこと。とにかく何もかもが気に入らないわけです。
さて、この作品での幸村は以下のように表現されています。
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「左衛門の佐どの」という官称でよばれている真田幸村は、情の細やかなうまれつきで、しかも性格にあまりひずみがなく、人あたりもよかった
(下巻 P349)
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う~ん。堺さんもいいけど、(40代の)田村亮さんあたりでもいいかも。。。などとワタクシ的に妄想いたします。熱が表に出ない、なんとも紳士的な印象ですねぇ。ザッツ次男坊。
後藤又兵衛は、哀川さんよりももう少し「ろうたけた」印象でしょうか。
物語は小幡官兵衛という人物の目を通して進みます。彼は徳川方の間者として、かつ大野修理の客人という設定。上・中巻は徳川方に翻弄される大野親子(修理、大蔵卿)が描かれます。(ちなみに「真田丸」のくだりは中巻の356ページ)
いくつかの書評では、もれなく家康のやり方に腹が立つなり、な感想が並んでいる本作ですが、実は私、家康のこのカンジ嫌いではありません。
「天下を獲る、敵の芽は根絶やしにする、家名を盤石にする」を目的にするのであれば、ここまで深く広く物事を考え手を打たないといけないわけですよ。それこそ徹底的に。
そして、そんな家康にとにかく寄らば大樹の陰的に着き従った大小の武将たちを「卑怯じゃん」と嗤えない自分がいることもわかっているわけです。私だって、とてもじゃないけど大坂方にはつかないし、つけない。仮に味方しても多分逃げちゃう。
そんな大坂方に味方し、夏の陣での戦いを描いたのが下巻です。
なので、真田丸ロスの皆様は、下巻のみ(それも288ページあたりから)お読みいただければよろしいかと思います(^_^.)団衛門のくだりの後ね。
で、皮肉にも又兵衛と幸村に想いを馳せ、その名誉を守ったのが、誰あろう家康なわけです。。
又兵衛については、P306~P308に、幸村については、P511~P512あたりでしょうか。
ちなみに、岡本健一さんで(失礼ながら)すっかり有名になった毛利勝永殿の怒涛の大活躍が描かれるのもこの下巻でございます。ここはビジュアルまるかぶりで楽しめるポイントですぞよ(^o^)
未読+"真田丸ロスどうすれば~"、の方はぜひ(^^)